クレージーモンキー 笑拳

クレージーモンキー 笑拳

原題 笑拳怪招

製作 1979年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

ジャッキー・チェンの初監督作品で、ジャッキーが立ち上げた豊年影業製作です。
当初は羅維作品として製作される予定でしたが、意見の対立やら一悶着あってようやく完成させた作品です。
日本では「ドランクモンキー 酔拳」「スネーキーモンキー 蛇拳」に続くカンフーコメディ・モンキーシリーズの第3弾として公開されました。

 

朝廷は謀反を恐れて腕の立つ武術家を反乱分子とみなし、殺し屋のヤム(任世官)を雇って次々と武術家たちを殺していきます。
中でも特に腕の立つ行意門の門徒の抹殺に躍起になっています。

 

糝粉細工を売って生計を立てているチェン(田俊)は孫のロン(成龍)と二人で暮らしています。

 

ロンは町の賭博場で大勝ちすると、おもしろくない賭博屋の大熊(鄭富雄)、鉄頭(馬場)、石の卵(王耀)はロンに因縁をつけます。
ロンはチェンからカンフーを習っているので、絡んできた3人を得意のカンフーで倒します。

 

チェンはロンにカンフーを教えていますが、町では決してカンフーを見せびらかしてはいけないと言い聞かせています。
仕事をしていないロンが町をうろついてカンフーを使う恐れがあるので、チェンはロンに仕事を探しに行くように促します。

 

ロンに倒された大熊、鉄頭、石の卵の三人組は町でロンを見つけると、儲け話があると言ってロンを五門武館へ連れて行きます。
五門の館主(李昆)は武館を開いていますが武術は全くできず、三人組と詐欺を働いています。
ロンの実力を知った館主はロンを用心棒として雇って金儲けをしようと企みます。
多額の報酬を提示されたロンですが、チェンに見つかってしまうことを恐れています。
すると館主は正体が分からないように変装をすればいいと提案します。

 

さっそく武館に道場破りの男(金世玉)が現れ、変装をしたロンは道場破りの男をあっさり倒します。

 

続いて新たな道場破りのジョン(程天賜)がやって来ます。
刀を使うジョンは強敵で、ロンは館主に報酬額を吊り上げさせます。
やる気になったロンは棒を使って応戦し、ジョンは降参して去って行きます。

 

次にやって来た道場破りの大男(黃根屘)に対し、ロンは女装をして相手をします。
ロンを女性だと思い込んだ大男はロンに魅了されますが、ロンのカツラが取れて男であることが露見します。
ロンはおっぱいの詰め物にしていた梨を大男にぶつけて倒します。

 

ヤムの手下は行意門の看板を掲げている武館を発見したとヤムに報告します。

 

チェンは庭に埋めてあった大金を発見し、添えられていた手紙を読むとロンがチェンのために貯めていたお金だと知ります。

 

その後も用心棒の仕事を続けるロンですが、チェンが武館にやって来たため用心棒をしていたことがチェンに知られてしまいます。

 

ヤムは武館で館主からチェンの居場所を聞き、ヤムからチェンの居場所を尋ねられたロンは居場所を教えます。

 

ヤムはついに行意門のチェンを発見して襲いかかります。
不審に思ったロンが戻って来ますが、麒麟(陳慧樓)に制止されます。
無残にもチェンはヤムに殺され、嘆くロンは制止した麒麟を非難します。
八本足の異名を持つ麒麟はチェンと同門であることを告げ、今のままではヤムにはとても敵わないとロンに忠言します。
ヤムに復讐を誓ったロンは強くなるために修行を開始します。

 

ロンは日々厳しい稽古に耐えます。
修行の合間にロンと麒麟は町へ出かけ、麒麟が酒を買いに行っている間にロンはヤムの姿を発見して襲撃します。
ロンはヤムに敵わず、麒麟はロンを制止します。

 

さらに腕を上げるために麒麟はロンに新たな技を伝授します。
洪家拳の鉄線拳から派生した感情を力にする拳法で、ロンは一心不乱に修行を続けます。

 

ある日、修行から戻ったロンは麒麟がいないことに気づきます。
麒麟はヤムの手下の三人衆(王圻生、何興南、彭剛)に襲われていて、ロンは麒麟を助けて三人衆と戦います。
死闘の末、3人のうちの2人を倒すロンですが、残る1人は麒麟を人質にします。
ロンは最後の手下を攻撃して麒麟を助けるとヤムが現れ、ヤムは残りの手下を殺害します。

 

ロンはヤムに挑みますが、闇雲に攻撃しても敵いません。
ロンは落ち着いて呼吸を整え、麒麟から教わった感情を力にする拳法を使います。
喜びの感情でヤムを翻弄し、哀しみの感情で攻撃をかわし、楽しい感情で撹乱させます。
最後は怒りの感情でヤムを攻撃して倒し、チェンの仇を討ちます。

 

酔拳蛇拳もとても面白いですが、笑拳も面白くて大好きです(*‘∀‘)
動きがキレッキレで、ジャッキーの良さが存分に活かされている作品だと思います♪

 

変装して戦うジャッキー楽しい(^O^)
ピンクパンサーの曲が流れていたけど、クルーゾー警部のパロディってこと?
黃根屘(ホアン・ゲンマン)演じる大男と戦う時はまさかの女装でした(*^▽^*)
ジャッキーの女装カワイイ♪
シティーハンター春麗を思い出す(笑)
私は存じ上げなかったのですが、ホアン・ゲンマンは台湾のプロレスラーで、アントニオ猪木とも対戦したことがあるそうです。

 

程天賜(リッキー・チェン)演じるジョンがドラゴンボールで悟空たちが初めて天下一武道会に出場した時のヤムチャにそっくり!!
鳥山氏はここからインスパイアされたのでしょうかね?

 

葬儀屋役の石天さん最高(´艸`*)
このシーンは日本語音声が存在しないのですが楽しい(^O^)
ちなみに「ジャッキー・チェンの醒拳(龍騰虎躍)」ではこのシーンの未公開フィルムが使用されています。

 

ロンと麒麟が食事をするシーンで日本ではタブーとされている箸渡しをしている描写があるのですが、箸渡しは日本の文化なので中華圏では特にタブーとされていないようです。

 

最後ロンが麒麟を運んでいるシーンで「子連れ狼」の主題歌である「ててご橋」が流れます。
子連れ狼のパロディ(・∀・)

 

田俊(ジェームス・ティエン)と任世官(ヤム・サイクン)は老け役です。
お二人ともまだ30代(^^;)
私はヤム・サイクンを初めて拝見したのが本作で、なかなかのインパクトがありました(^▽^;)

 

ちょっと分からないのが、チェンの門派である「行意門」のことを広東語音声では「形意門(イェンイームン)」と言っていたのですが、この2つは同じなの?
あんまよく分かんない(^^;)
五門の武館に来たロンが新しい名前を考える時に「行意門」という名前を使うのですが、その時は「行意門(ハンイームン)」と発音していました。
ここでは日本語字幕に準じて「行意門」と記載しました。

 

日本公開版ではオープニングがモンキー・パンチによるアニメーション仕様となっています(*'ω'*)
日本オリジナル主題歌は「CRAZY MONKEY」
日本オリジナル挿入歌は「MONKEY MAN」
どちらもDr.スープによる楽曲です。
Dr.スープって龍の忍者の主題歌を歌っている「Alfredo Chen Singers」に声が非常に似ているけど、同一人物なのかな?