ドラゴン危機一発

ドラゴン危機一発

原題 唐山大兄

製作 1971年

めぐちゃんの満足度 ★★★★

 

羅維(ロー・ウェイ)監督、ブルース・リーの香港主演第1作です。
役者の李海泉(リー・ホイチュン)を父にもつブルース・リーは幼い頃から映画に出演されていますが、本作が香港映画初主演です。
昔の出演作品ではリーの広東語を聞くことができますが、香港主演作は吹き替えですし、「燃えよドラゴン」は英語、インタビューも英語が多いので、リーの広東語というのは本当に貴重です。

 

故郷の唐山が災害で凶作となったため、叔父(杜家楨)とタイに出稼ぎにやって来たチョウアン(李小龍)。
甥のホイ(田俊)に迎えられ、チョウアンは製氷工場で働くことになります。

 

しかし製氷工場は裏で麻薬の密売を行っており、作業中に割れた氷の中から麻薬を見つけてしまった同居人のギムとチンは殺されてしまいます。
ギムとチンが戻らないことを不審に思ったホイとキョン(陳會毅)は社長を問いつめますが、ホイたちも殺されてしまいます。

 

ホイたちがいなくなり、工場長(陳著)に居場所を尋ねても取り合ってもらえず、ストライキを起こします。
社長側の従業員たちは強制的に働かせようとすると乱闘になります。
母親との約束で戦わないと誓っていたチョウアンですが、従業員たちの横暴な振る舞いに我慢できず、手が出ます。
チョウアンの実力を知った工場長はチョウアンを責任者に抜擢し、食事に招待します。

 

チョウアンはホイたちの捜索願を出そうと警察へ行こうとしますが、宴会で酔い潰れてしまいます。
チョウアンが呑気に宴会に参加していたことを知った同僚のコン( 李昆)たちは失望し、見損ないます。

 

チョウアンは社長(韓英傑)に掛け合いますが、捜索中であるとの一点張り。
しかし娼婦から社長が麻薬を密売している話を聞いたチョウアンは工場へ向かいます。

 

保管してある氷の中から麻薬と仲間の遺体を発見すると部下たちを引き連れた社長の息子のチュン(劉永)が現れ、チョウアンに襲いかかります。
チョウアンはチュンたちを倒しますが、その間にホイの妹のハウムイ(衣依)が連れ去られ、仲間が全員殺されてしまいます。

 

チョウアンは仲間の仇を取るため、社長の所に乗り込んで戦います。
給仕の女性が捕まったハウムイを逃がし、チョウアンは社長を倒し、仇を討ちます。

 

私が初めて観た香港映画です。
「危機一髪」じゃなくて「危機一発」なんですよね(^^;)

 

ブルース・リーは存じ上げていましたが、出演されている作品は大人になってから初めて観ました。
なんというかオーラがすごいです。存在がもうすごい。別格。
世界中の方々に愛されているのだというのが分かります。

 

ハン・インチェとのラストバトルがもう少し見たかったな。
あとストーリーや演出は荒削りなところがあって途中間延びしていてメリハリが欲しいかなぁって思いました。
でもリーがかっこ良すぎるから許せちゃう(笑)

 

「ドラゴン怒りの鉄拳」「ドラゴンへの道」でヒロイン役の苗可秀(ノラ・ミャオ)も僅かですが出演されていました。
とてもカワイイです(*'ω'*)

 

若き林正英(ラム・チェンイン)や陳龍(チャン・ルン)そして弟の陳會毅(ビリー・チャン)の姿もありました♪

 

クレジットで田俊(ジェームス・ティエン)のイングリッシュネームが「ポール」になっていました。
「ドラゴン怒りの鉄拳」のクレジットでは「ジェームス」になっていたので、改名したんですかね??
本作は元々ジェームス・ティエンが主役の予定だったのですが、途中で主役がリーに変更されたそうです。
ジェームスもいい役者さんなんですけど、リーと比べてしまうと…(;^_^A

 

リーは撮影中にグラスで右手の人差し指を怪我してしまい、映像を観ると指に包帯を巻いているのが分かります。
私は骨折したって聞いたことがあったのですが、情報が間違っていたんですね。
まだインターネットが普及していない時代だったためか、昔の香港映画の関連書籍は結構間違った情報があるので、よく精査する必要がありますね(^^;)

 

本作は元々北京語音声で製作されたのですが、後に広東語音声での製作が行われます。
私は北京語バージョンは観たことがないのですが、広東語バージョンの「ドラゴン危機一発」ではなぜかピンクフロイドやキングクリムゾンの曲が使用されています。

 

リーが宴会で酔っぱらうシーンがあるんですけど、実際リーはお酒がそんなに強くなかったそうです。
お酒が強そうなイメージだったので、ちょっと意外でした。逆に萌えるけど(*´ω`*)