ファイナル・ドラゴン

ファイナル・ドラゴン

原題 風雨雙流星

製作 1976年

めぐちゃんの満足度 ★★☆☆☆

 

羅維(ロー・ウェイ)監督、王羽(ジミー・ウォング)主演の武侠映画です。
古龍(クー・ロン)原作の「七殺手」をモチーフにしているそうで、クー・ロン氏は脚本も担当しております。

 

ファ・ウーピン(成龍)の家来であるリュウ・チンイ(馬驥)は、腕利きのメイ・シンフ(王羽)をファの屋敷に招きます。

 

ファはメイに自分の妻を殺害してほしいと依頼します。
ファは夫人に毒を盛られ、命は取り留めましたが、解毒薬を飲まなければ生きていられない体となってしまったのです。
解毒薬は夫人が持っており、夫人から渡される解毒薬を飲んで生き延びていますが、自由になるため夫人を殺して解毒薬を奪ってほしいというのです。
夫人がファを殺さずに生かしているのはファの莫大な財産が目当てです。

 

依頼を引き受けるメイですが突然ファに襲われ、痛めつけられた後、道端に放置されます。
見回りをしていた役人に捕まったメイは牢獄に入れられますが、名家の主であるチー(佟林)が現れます。
ファがメイに手を出したのは、対立しているふりを装い、外部に計画を悟られないようにするためでした。

 

メイはチーの密偵で王宮から盗まれた宝の在り処を探っていました。
その窃盗事件にファが関与しているとチーは睨んでいます。

 

チーにはユエアル(玉靈龍)という娘がおり、メイはユエアルと恋仲です。
牢獄でユエアルと再会し、翌日には釈放されるメイですが、ユエアルの姿は消えていました。

 

町を歩いているとメイは罠にハマり、連れ去られます。
メイを連れ去ろうとしたのはファ夫人の使いであるフォン(藍毓莉)でした。
ファ夫人がいる洞窟へ案内できるのはフォンだけなので、メイは道案内を頼みます。

 

途中の酒場で休憩しているとファ夫人の取り巻きである四天王が現れますが、メイは四天王のマン・テンシン(翁小虎)、ゴウ・フェンソウ(高飛)、黒ラマ(馬場)を倒し、残った鬼道士(李文泰)に道案内をさせます。

 

ファ夫人(李思思)のいる洞窟へ辿り着いたメイは夫人の手下に襲われ、次々と倒して行きます。

 

その頃、メイに仕えるフェイ(王若平)、シェン(胡威)、シーユエン(陳慧樓)、グェイ(陸一龍)の4人の男たちは別行動をし、厳重に保管されている解毒薬の入った箱を手に入れます。

 

ファ夫人は役に立たない鬼道士を殺しますが、解毒薬を奪われたことを知ると自ら命を絶ちます。

 

メイはすぐに解毒薬をファに届けます。
ファは解毒薬の入った箱は王宮で盗まれたものだといい、解毒薬を飲みますがすぐに苦しみ始めます。
外に怪しい人影を見つけたメイはリュウと共に追いかけますが、怪しい人物は死んでしまいます。
その間にファの屋敷は全焼してしまいます。

 

屋敷は全焼しましたが、チーが箱を運び出していたため無事でした。
ファ夫人から奪った箱は元々ファが王宮から盗んだ物だと分かり、事件は解決だと言うチー。
しかし娘のユエアルはファ夫人に殺されていました。

 

メイに仕えるフェイは盗みのプロで、チーの持っていた箱が偽物であることを見抜いていました。
メイは箱があった場所で待ち伏せしていると、死んだはずのユエアルが現れます。
実はユエアルは死んでおらず、なんとユエアルこそがファ夫人だったのです。
自殺したファ夫人は替え玉で、フォンや替え玉のファ夫人はユエアルの計画に協力していたのです。

 

ユエアルは父親のチーと共謀して王宮の宝を手に入れようとしており、偽物の箱を使ってファを毒殺し、罪をなすりつけようとしていました。
計画を知ったメイはチーと戦い、メイの必殺技である奪命流星を使ってチーを倒します。

 

これで一件落着かと思いきや、なんとファは生きていました。
当初、ファはチーと手を組んでいましたが、宝を独り占めしようと考えたチーはファの食事に毒を仕込み、今回の計画のために利用したのです。
チーの裏切りに気づいていたファは毒入りの食事に手をつけなかったため、毒に冒されているというのは嘘であり、メイたちの前で死んだふりをして機会を窺っていたのです。
全てを知ったメイを消そうとするファですが、メイの奪命流星の前に散ります。

 

心を入れ替えたフォンがメイの前に姿を現し、今回の事件は幕を閉じます。

 

ジャッキーが主役のように扱われていますが、本作の主役はジミー・ウォングです。
日本では圧倒的にジャッキーのほうが知名度があるので、仕方ないですね(^^;)

 

ジャッキーが悪役という珍しい作品です。
話が複雑で、初見では理解しづらい部分もあります。
サスペンス調で面白そうだと思ったのですが、色々と気になるところがあります。

 

メイに仕える4人の男たちの冒頭の登場シーンはもっと短くてもいいと思います。
この4人の登場シーンを長々とやるより、早くメイを登場させたほうが物語に入り込みやすいと思うんですよね。
後半に4人はナイスキャラで活躍してくれるので、冒頭で詳細に描かなくてもどういうキャラなのかは十分伝わります。

 

あとメイに世話になった男たちがお供え物をするシーンもハッキリ言っていらないと思う。
メイの強さをアピールする描写だと思うけど、このシーンが無くてもメイの強さが伝わる要素はあるので問題ないと思います。
しかもこのお供えするシーンもなかなか長い(^^;)

 

メイたちがファの屋敷へ行く前にリュウの弟子であるワン・ファン(薛漢)という男が登場するのですが、後に全く関わることがないのでこの登場シーンも必要ないかなぁ…。
ゲスト出演やモブキャラならいいと思うんですけど、関係ないキャラクターがたくさん登場すると混乱の元になるんですよね(;'∀')

 

チーが登場シーンで役人を殺害するのはちょっと時期尚早かなぁ。
チーは善人として登場するので、ここで殺人を犯すとチーが善人でないことが丸分かりですよね。
倒叙形式なら最初から悪人って分かっていても良いのですが、そうでなければ最初は善人であることを印象づけた方がいいと思います。

 

メイがチーの密偵なら、リュウの存在意義もあまり無いような…。
リュウに案内されなくてもそもそもメイがチーの密偵ならば、チーがメイに直接頼めばいいことですし。

 

ファ夫人を取り巻く四天王があっさりやられすぎ!!
めちゃめちゃ手強いといっておきながら、すぐやられてしまうんですよね(;'∀')

 

メイの奪命流星の武器はちょっと卑怯かなって思いましたね(^^;)
あれ、もはや兵器だよ(笑)

 

一応計画が成功したのにファはわざわざメイに真相を話しちゃっているけど、あのまま黙っていればチーが悪者で幕を閉じたのにね(;´∀`)

 

ラストシーンで心を入れ替えたフォンがメイの前に姿を現すのですが、このシーンはいらないかな。
フォンが心を入れ替えたのはユエアルが本性を現した時に分かっていることなので、ラストはファを倒してスッキリ幕を閉じた方が良かったような気がします。

 

なんだか色々言いたい放題ですみません(>_<)

 

ジャッキーとジミーさんが戦うシーンはワクワクしました(*^-^*)
ジャッキーあどけなくてカワイイなぁ(*'ω'*)
ジミーさんはこういう硬派な役がとても似合います。

 

当時ビデオで発売された時の邦題は「キラー・ドラゴン / 流星拳」だったそうです。
個人的には「ファイナル・ドラゴン」より最初の邦題のほうが好きです(・∀・)