原題 英雄本色
製作 1986年
めぐちゃんの満足度 ★★★★★
吳宇森(ジョン・ウー)監督・脚本によるアクションドラマで、香港ノワールの金字塔ともいえる作品です。
ホー(狄龍)とマーク(周潤發)は偽札を製造するマフィアの幹部ですが、ホーの弟のキット(張國榮)は兄のホーが黒社会の幹部だということを知りません。
ホーの父親のマン(田豐)は黒社会から足を洗うことをホーに求めており、ホーは次の台湾での取引を最後に黒社会から身を引く決断をし、従順な弟分であるシン(李子雄)を連れて台湾へ向かいます。
ワンの甥(陳志輝)がホーたちを出迎えますが、不審に思ったホーは警戒します。
甥は突如ホーたちに発砲し、ホーとシンは逃げ出します。
ホーたちはワンの甥にハメられたのです。
香港ではワンの甥の仲間の男(賀永憲)がマンの自宅に押し入り、ホーが警察に捕まった際に仲間のことを話されては困るので、マンを人質に連れ出そうとします。
キットの恋人であるジャッキー(朱寶意)が抵抗し、キットが帰宅して男を取り押さえようとしますが、マンは男と相打ちになり命を落とします。
警察に追われ、逃げ切れないと思ったホーはシンを逃がし自首します。
ホーの逮捕を知ったマークは台湾へ行き、親交のある台湾マフィアのボスのワン(王俠)と対面します。
ワンも甥の裏切りを知らず、出し抜かれたことに憤ります。
平静を装いながらも内心ははらわたが煮えくり返っているマークは単身で甥がいる楓林閣へ向かいます。
通路の植木に銃を隠し、甥がいる部屋を訪れたマークは否応なしに銃を発砲します。
甥や仲間たちを次々と撃ち、弾が切れると植木に隠した銃を持ち出します。
撃ち終えて去ろうとするマークですが、甥はまだ生きており、マークは右脚を撃たれます。
マークは甥に止めを刺します。
ホーは台湾で服役し、キットは警察学校を卒業して警察官になります。
3年が経ち、ホーは出所すると香港へ帰国します。
キットと再会しますが、ホーが黒社会の人間だと知ったキットはホーを受け入れず、追い返します。
ホーは台湾の知人からの紹介でキン(曾江)が経営するタクシー会社に就職します。
仕事に慣れた頃、ホーは街で片脚を引きずるマークを見かけ、ホーとマークは3年ぶりに再会を果たします。
現在は弟分だったシンが実質的なボスの座に君臨し、マークはシンの下で雑用として働いていますが、幹部に返り咲く機会を窺っています。
キットはシンを追っていますが、兄が元マフィアなので捜査をさせてもらえません。
ホーはクラブでシンと再会し、シンは一緒に仕事がしたいとホーに持ちかけます。
その場に居合わせたキットはホーを尋問しますが、兄に対する高圧的なキットの態度を見かねたマークが仲裁に入ります。
シンに呼び出されたホーはキットを利用して仕事の取引がしたいと提案しますが、キットを巻き込みたくないホーはシンの申し出を断ります。
協力に応じないキットは目障りなので、シンたちは取引を偽装してキットを欺こうと考えます。
キットは罠にかかり、偽のメモにあった取引現場を訪れますが銃で撃たれ、病院へ搬送されます。
シンはマークが警察にタレこまないように制裁を加え、ホーが働くタクシー会社に部下たちを送り込み、意識を失ったマークを床に放って破壊行為をします。
警察が来るとキンはホーとマークを逃がします。
マークはシンを破滅させるため、偽札を製造するための原版を盗み出し、ホーはシンに連絡して金を持って大廟に来るように指示します。
ホーは原版をジャッキーに預け、キットに渡してほしいと頼みます。
キットは回復しますが捜査を許されず、単独でホーたちの取引現場へ向かいます。
シンは元ボスであるユー(石燕子)を殺害し、ホーが指定した大廟にやって来ます。
マークが金の入ったアタッシェケースを受け取るとシンを人質にして波止場に移動します。
波止場周辺にはシンの部下たちが待機しており、ホーはマークにこの場から先に離れるように促します。
部下たちは駆けつけたキットを人質にしてシンの解放を要求します。
互いに人質を解放するとキットがシンを捕まえようとしたため部下が発砲。
銃撃戦が始まります。
マークは引き返し、ホーたちに加勢します。
ホーが負傷して苦しむ中、マークはキットに対しホーとちゃんと向き合うように説得しますが、マークがシンに撃たれて死にます。
シンを追うホーとキットですが警察が到着し、たとえ捕まっても金の力で釈放されると分かっているシンは自首することを選択。
キットは無言でホーに銃を渡し、ホーはシンを殺害した後、自首するのでした。
名作です。最高です。
服役を終えたホーが3年ぶりにマークと再会して抱き合うシーンや、2人が香港の夜景を背に語り合うシーンは目頭が熱くなります。
普段は軽率な性格のマークですが、仲間のためにたった1人で敵地に乗り込む勇気には痺れます。
先に立ち去るように言われてもホーを放っておけないマークは舞い戻って戦うのですが、戻って来た時のマークの微笑みがたまらないです。
キットがホーに「阿Sir(お巡りさん)」と呼ばせるのが切ない(T_T)
自分の兄が実はマフィアで、これが原因で父親が亡くなったら恨みたくなる気持ちも分かります。
葛藤しながらも最後は少しでもホーを理解しようとしていたキットには心を打たれました。
それにしてもシンの変貌ぶりには驚きました(゚Д゚;)
従順だったのにあそこまで非情になれるなんて…。
恩があるボスですら手にかける冷酷な仕打ちには戦慄が走ります(;゚Д゚)
自身も刑務所で服役していた経験があるタクシー会社のキン社長は面倒見が良くて、とても良い人なのです(^^)
続編の2ではキンの人柄の良さがより表現されていて、ますます心惹かれてしまいます。
ラストの銃撃戦シーンは凄まじくて、心配になるくらいの爆破っぷりです(;゚Д゚)
続編の2でも爆破の凄まじさはしっかり継承されています。
私はこの作品で狄龍様に惚れました(*´Д`*)
なんて魅力的な方なのだろうと、一瞬にして心を奪われました。
この時はまだ狄龍様がショウブラザースで活躍されていた役者さんだとは知らなかったんですよね。
台湾の取引前日にクラブでマークたちが語らうシーンで、マークがシンに言った言葉が「いい男」だと翻訳されていましたが、広東語だと「お前はアル・パチーノみたいだ」と言っているんですよね(´∀`)
音楽の審査員役で徐克(ツイ・ハーク)、台湾警察の役でジョン・ウー監督も出演されていました(*‘∀‘)
主題歌はレスリー・チャンの「當年情」で、この曲大好きです♪♪
クラブでマークが過去の話をするシーンで流れる羅文(ロマン・タム)の「幾許風雨」や、楓林閣で流れる陳小雲(チェン・シャオユン)の「免失志」など挿入歌も素晴らしいです(*^-^*)