少林寺怒りの鉄拳

少林寺怒りの鉄拳

原題 三德和尚與舂米六

製作 1977年

めぐちゃんの満足度 ★★★☆☆

 

洪金寶(サモ・ハン・キンポー)監督・主演のカンフーアクション作品で、サモの初監督作です。
脚本と武術指導も務めています。

 

※少々過激な描写が含まれるので視聴の際はご注意ください。

 

満州人に叔父(郝履仁)を殺された青年マイロ(洪金寶)は自分の力の無さを嘆き、サンダ和尚(陳星)に諭されて少林寺で修行をすることにします。

 

月日は流れ、修行半ばのマイロは更なる犠牲者が出ることを懸念して下山を考えます。
少林寺を抜け出したマイロは僧侶たちに見つかり、戒律を破ったマイロは少林寺を追放されます。
兄弟子のチェー(田俊)はマイロと手合わせをして実力を試し、マイロの意志を尊重して送り出します。

 

染色工房の工員のチェンリョン(盧海鵬)は妹(陳維英)が満州人のパク(馮克安)に強姦されたことを妻(朱青)から聞くと血相を変えて妹の元へ向かいます。
妹は自ら命を絶ち、満州人の仕業だと知ったチェンリョンは復讐を誓います。

 

幼い子供たちが満州人に絡まれているのを目撃したマイロは助けに入ります。
マイロに敵わず、満州人たちは仲間(魯俊)を残して逃げ出します。
マイロが残された仲間を痛めつけていると、通りかかったチェンリョンは満州人が落とした刃物を拾って仲間の男を刺殺します。
マイロはチェンリョンから事情を聞くと、チェンリョンは妹を殺された恨みがあると説明します。

 

仲間を殺されて激高したパクは染色工房の工員の仕業だと疑い、仲間を引き連れて工房へ乗り込みます。
仲間を殺した犯人を捜しますが見つからず、パクたちは引き上げて行きます。

 

マイロはサンダと再会します。
サンダはマイロと弟子のチェンリョンに苦しくても耐え忍ぶように諭し、染色工房の工員たちに武術を教えてほしいとマイロに頼みます。

 

サンダはマイロとチェンリョンにご馳走を振る舞い、その後マイロとチェンリョンは娼館へ向かいます。
戒律に反するためサンダは娼館には入らず、外からそっと見守ります。

 

マイロは娼館でパクたちと出くわし、仲間を殺したことを責められて侮辱されます。
満州人たちの横暴な振る舞いに耐え兼ねたサンダはマイロを奮起させると、マイロは娼館へ戻り、満州人たちを痛めつけます。
その後、マイロは染色工房の工員たちにカンフーを教えます。

 

パクの付き人(石天)は助っ人のコウケイ(王俠)とカムシン(尹發)を雇います。
パクは染色工房の土地を狙っており、コウケイたちと手を組んで土地を奪おうと企みます。

 

コウケイは染色工房へ行き、工房の社長(金雷)に大量の染物を発注し、納期が遅れた時は工房を手放すように社長を脅します。

 

さっそく社長はチェンリョンに染料を買いに行かせますが、何処へ行っても売り切れで染料を買うことができません。
コウケイたちは納期に間に合わないように染料を買い占めてしまったのです。
コウケイの顔に見覚えがあったマイロは満州人たちの仕業だと疑い、屋敷へ忍び込むと大量の染料が保管されていました。
工員たちは染料を持ち帰り、作業を開始します。

 

コウケイたちが染物を受け取りにやって来ると、社長が約束通り染物を納品したことに驚き、工房の奪取に失敗します。
これに腹を立てたパクは染色工房へ乗り込もうとしますが、向かう途中でチェンリョンの妻を見つけると強姦して殺害します。
パクたちは助けに入ったチェンリョンの母(黎雯)も殺してしまいます。

 

コウケイたちは染色工房の社長や工員たちを皆殺しにします。
暴行を受けて重体のチェンリョンは這って自宅へ戻ると妻と母親が死んでいるのを発見し悲嘆します。
耐え忍んだ結果、家族を失うことになったチェンリョンはマイロに仇討ちを託して息を引き取ります。
我慢の限界を超えたマイロとサンダはパクたちの屋敷へ乗り込みます。

 

マイロはサンダと力を合わせてコウケイ、カムシン満州人たち(任世官、錢月笙、張景坡)を倒しますが、役人であるパクの兄(趙雄)と部下たち(小侯、京柱)がサンダに襲いかかって来ます。

 

パクと戦うマイロはパクの付き人を盾にします。
サンダは部下たちを倒し、付き人にとどめを刺したマイロはサンダと協力してパクとパクの兄に挑みます。

 

死闘の末、マイロはパクを倒し、サンダはパクの兄の目に重傷を負わせ、復讐を果たしたマイロとサンダは屋敷から立ち去るのでした。

 

悪くはない作品ですが、まだ作風が定まっていないような印象を受けました。
全体的にシリアスですが、コメディ要素も少しあります。

 

舂米六(マイロ)の復讐心がちょっと弱いと感じました。
叔父を殺されて復讐心メラメラなはずなのに娼館に行ってチャラチャラした印象がちょっとマイナス。
チェンリョンも自分の妹を強姦されて亡くしているのによく娼館に行く気になれるなぁって思いました(-_-;)

 

殺生や仇討ちがご法度である少林寺の教えに葛藤して、それでも身内を殺された感情的な怒りが勝って爆発させるのがフィクションの醍醐味だと思うんだけどなぁ。
(現実で仇討ちはもちろんいけません)
精武門の陳真(ブルース・リー版)のようなあの熱い感じが欲しかったよ~。

 

陳星(チェン・シン)演じるサンダ和尚に崇高さが無くて個人的にコレジャナイ感(;^_^A
陳星さんは素晴らしい役者さんだと思うのですが、悪役顔なので演じるならもう少し役作りしてほしかったなぁ。
でもムキムキの体は素敵(*´▽`*)

 

サンダ和尚はチェンリョンの妹が強姦されて殺されても耐えろと言っていたのに、マイロが満州人たちの股の下をくぐらされたら怒るって、サンダの怒りの基準が分からん(~_~;)
殺人と強姦の方が重罪でしょ!!

 

大量の布を工房へ発注して納期を破ったら工房を頂くというコウケイのアイデア
布を作らせないように染料を買い占めて隠すのですが、もっと分かんない所に隠しなさいよってツッコんでみたり(笑)
あれじゃ忍び込んだらすぐ分かるじゃん!!

 

カンフーアクションは最高です(*‘∀‘)
最後パクたちをやっつけるのはスカッとしました(´∀`)

 

劇中で満州人(滿族)のことを「旗下佬(ケイハーロウ)」と呼んでいましたが、「旗下佬」とは「旗人」の蔑称だそうです。
いい大人が幼い子供をいじめるとかホント最低だわ!!
あまりにも満州人が極悪人に描かれていて、末裔とかから抗議が来ないか心配になる(;゚Д゚)

 

相変わらずクネクネした感じの石天さんはなぜか小指の爪がやたら長い(^^;)
エリック・ツァンは痩せてたなぁ。
尹發さんはラーメンマンにしか見えない(笑)

 

馮克安の父親の馮峰さんが娼館の従業員役で出演されていました。
親子共演だね(・∀・)

 

チェンリョンの妹役の陳維英(チャン・ワイイェン)は体を張った演技でしたが、元々ポルノ系の女優さんだそうで、ポロリOKなのに納得。
対してチェンリョンの妻役の朱青はポロリがありませんでした。
女優さんによって脱ぐのがNGとかありますからね。