新・片腕必殺剣

新・片腕必殺剣

原題 新獨臂刀

製作 1971年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

張徹(チャン・チェ)監督、姜大衛(デビッド・チャン)主演の武侠作品です。
獨臂刀シリーズといえば王羽(ジミー・ウォング)の大ヒット作として知られていますが、契約問題などでジミーさんはショウブラザーズで仕事ができなくなったため、ゴールデンハーベストが日本と合作で「新座頭市 破れ!唐人剣(獨臂刀大戰盲俠)」を製作してジミーさんと勝新太郎の共演が実現します。
獨臂刀はショウブラザーズのブランドなので、ゴールデンハーベストが獨臂刀ブランドを使用したことでショウブラザーズ代表取締役の邵逸夫(ランラン・ショウ)は憤慨し、対抗する形で当時ショウブラザーズの大スターだったデビッド・チャンを主演に起用して新たな獨臂刀作品として製作されたのが「新・片腕必殺剣(新獨臂刀)」です。

 

若手ながら腕の立つ二刀流のレイ(姜大衛)は武術界で名を馳せますが、ロン大侠(谷峰)はレイの存在を厭わしく思い、レイを罠に嵌めて武術界から追放しようと画策します。

 

ロンから命令を受けた門徒のワン(鄭康業)はユエンション鏢局の荷物を盗み、ロンの門徒たちはユエンション鏢局の人足たちを殺害します。
強奪と殺人の罪をレイになすりつけようとしているのです。

 

レイの仕業だと思い込んだ局長のホー(鄭雷)はレイを林道へ呼び出して強奪と殺人の罪を詰問しますが、レイは身に覚えが無いと否定します。
ホーはレイに立ち向かいますがとても敵わず、そこへロンが門徒たちを引き連れて現れます。

 

ホーはロンに事情を説明すると、これを聞いたロンはレイに忠言します。
相手が武術界の重鎮のロンだと知ったレイは手合わせを申し出ます。
ロンは承諾し、自分が負けたら右腕を斬り落として武術界から去ることを宣言するとレイも同じ条件を受け入れます。

 

自信満々でロンに挑むレイですが、ロンの三節棍はレイの胸部を突き、レイは敗れます。
ロンは負けたレイに対して強制はしませんでしたが、剣士としての自尊心からレイは自ら右腕を斬り、武術界から去ります。

 

ロンが悪事を企てた張本人だとも知らずにホーは礼を言います。
ロンは門徒のワンたちに荷物を隠した場所を尋ねると、ワンたちはロンの足元を見て荷物の場所を話そうとしません。
ロンを怒らせてしまい焦ったワンたちは虎威山荘に隠したことを白状しますが、ワンたちはロンに殺されてしまいます。

 

月日は流れ、レイはリー(王清河)が営む酒館で下働きを始めます。

 

ロンの門徒たち(吳池欽、鮑嘉文)は虎威山荘の悪名高さを語り、若手の二刀流剣士フォン(狄龍)を唆します。

 

リーの酒館で虎威山荘の幹部のフェン(王鍾)とチン(劉剛)が鍛冶屋の娘のチアオ(李菁)に絡みます。
レイが助けに入りますが、レイはフェンたちから暴行を受けます。
チアオを助けられない不甲斐なさに怒りを感じたレイは石段を手で叩きつけます。
フォンが酒館にやって来ると、フェンたちを追い払ってチアオを助けます。

 

チアオはかつて瀕死の剣士(羅威)が残した名刀をレイに渡したいと提案しますが、チアオの父親のパー(沈勞)は刀を持てば命を狙われる危険があると言って反対します。
しかしチアオはパーの反対を聞かず、夜中にこっそり刀を持ち出します。

 

へこんだ石段を見てレイが只者ではないと見抜いたフォンは酒館に入り浸り、店主のリーからレイが二刀流の剣豪だと聞いたフォンは驚喜します。

 

酒館に虎威山荘のファン(王光裕)とチェン(黃培基)が現れ、ロンと虎威山荘の荘主チェンナン(陳星)がフォンを虎威山荘に招待していることを伝えます。
フォンは招待を受けますが、虎威山荘が悪事を働いていることを見抜いています。

 

チアオはレイに刀を渡しますがレイは刀を受け取りません。
チアオが刀を置いて立ち去ると、レイは刀を手に取り、レイの太刀捌を見たフォンは感心します。

 

フェンとチンは帰宅したチアオを連れ去ります。
レイが刀を返しにチアオの家を訪れるとチアオの靴が落ちているのを発見し、怪しい人影が立ち去るのを見て異変に気づきます。
レイがフェンたちの後を追うと途中でフォンと出会い、チアオが連れ去られたと伝えます。

 

フォンはフェンたちを追い、チアオを救出してフェンたちと戦います。
フォンがチンを倒すとフェンは逃げて行きます。

 

チアオはレイがなぜ刀を受け取らないのか理解できずにいると、かつて栄光を手にしていた剣士が敗北して味わう挫折や喪失感は計り知れないものだとフォンは言います。

 

レイはチアオを助けてくれたフォンに礼を言います。
武術界から距離を置いたレイに対してフォンの敬意は変わらず、レイとフォンの間に固い友情が芽生えます。

 

レイはフォンが虎威山荘へ行くことに不安を感じており、ロンの三節棍には二刀流を封じる技があるとフォンに警告します。
フォンは虎威山荘から戻ったら自分も武術界を引退すると告げます。

 

レイはフォンを見送り、虎威山荘には多くの武術家たちが集まります。
フォンはロンの前で虎威山荘の悪事を告発しますが、証拠が無いので信用してもらえません。
煮え切らないロンの態度を見たフォンはロンが虎威山荘と結託していることを悟ります。
ロンは騒ぎを起こしたフォンにけじめをつけるように言うと、フォンはロンを挑発したため、ロンが動き出します。

 

フォンとロンは互角に戦いますが、突如ロンの三節棍によってフォンは打撃を受けます。
ロンは油断した相手の懐を攻撃できるように二節棍を2つ合わせた三節棍を使用していたのです。
ロンはレイの時と同じく右腕を斬り落として足を洗うように仕向けますがフォンは従わず、虎威山荘の門徒たちが重傷を負ったフォンを襲います。
多勢に無勢、門徒たちはフォンの四肢を縄で捕らえ、チェンナンは身動きの取れなくなったフォンの胴体を斬り裂きます。

 

酒館を訪れたロンの門徒たちの会話を聞いたレイはフォンが死んだことを知り愕然とします。
大切な友人を失ったレイは刀を手に取り、フォンの仇を取るため虎威山荘へ向かいます。

 

レイは虎威山荘の門徒たちを次々と斬り、幹部のチェンを倒します。
門徒にフォンの墓へと案内させたレイはフォンの死を悼みますが虎威山荘の門徒たちが容赦なく襲いかかって来ます。
幹部のファンを橋の近くの塔から突き落として倒し、最後の幹部であるフェンの腹を突き刺して橋から突き落とします。

 

虎威山荘へ乗り込むとチェンナンが立ちはだかります。
チェンナンはフォンの時と同じようにレイの四肢を縄で捕らえようとしますがレイには効かず、レイはチェンナンの腹を刺して殺します。

 

ロンの門徒たちが虎威山荘に押し寄せますがレイは臆せずロンの門徒たちを倒します。

 

ロンが橋の上に現れ、レイと一騎打ちの戦いが始まります。
ロンは三節棍でレイの刀を弾き、丸腰になったレイを襲いますが、レイは刀を拾って体勢を立て直します。
レイは酒館で鍛えた技を利用しようと考え、3本の刀を空高く投げます。
レイは2本の刀を掴んでロンの三節棍を封じると、残りの1本の刀を掴んでロンの腹部を刺し、右腕を斬り落とします。
酒館では片腕で材料や皿を上に投げて料理を作っていたので、この技を3本の刀に応用して使ったのです。

 

ロンを橋から突き落とし、レイは復讐を果たすのでした。

 

ジミーさんの獨臂刀シリーズもとても面白いですが、デビチャ版の獨臂刀も非常に面白いです!!
デビチャが颯爽と馬で駆け抜けるオープニングシーンは清々しくて高揚感と共に期待が湧いて来て最高!!

 

ジミーさん版では恩師の娘に腕を斬られていましたが、今回は自ら腕を斬り落とすパターンです(゚Д゚;)

 

あと今回は男の友情がテーマとなっていて、私が好きなジャンルですわ♪
しかも姜大衛×狄龍だったらもう言うことないわ(*´ρ`*)

 

大スターだった時の最盛期のデビチャはとてもスラッとしていて凛々しくて素敵です(*^^*)
でもお年を召しても素敵なのです(*´ω`*)
むしろ個人的にはおじさんになったデビチャが好き♪
劇中では物思いにふける時の表情が非常に魅力的でした。

 

そして美し過ぎる狄龍様♪
あの美しさは反則です(*゚Д゚*)
私もこんな美剣士に守られたいです(*´з`)
でも劇中では体を真っ二つに斬られるというかなり残酷な殺され方なのです(;゚Д゚)ギャー!!
1本のロープの上で寝ているシーンがありましたが、これ観ると蛇拳の袁小田を思い出す(笑)

 

谷峰さんのアラフォーであの威厳と貫禄は凄い(;゚Д゚)
谷峰さん演じるロン大侠は名声を保ちながら裏で邪魔な人間を消していくというかなりの策士であります。
意外とタチが悪いタイプかもしれない(^^;)
ロンの三節棍の技はズルい(笑)
二節棍(ヌンチャク)を2本合わせて三節棍に見せかけて相手を攻撃するという技なんですけど、これは技といっていいのか(^^;)

 

レイが「今度はお前が武術界から去る番だ」って言ってロンを橋から突き落としていたけど、武術界どころかこの世から去っちゃったよ(;'∀')
でも日本語字幕の言葉なので、北京語では一体どんなニュアンスで言っているのでしょうね?
北京語全然分からない(^^;)