奇蹟 ミラクル

奇蹟 ミラク

原題 奇蹟

製作 1989年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

ジャッキー・チェンが監督・脚本・武術指導・主演を務めた娯楽大作で、フランク・キャプラ監督の「ポケット一杯の幸福一日だけの淑女)」をオマージュした作品です。

 

1930年代の香港
仕事を探しに香港へやって来たコオ(成龍)は工員を募集しているトン(董驃)と出会います。
コオは登録料と保証金をトンに払うと、仕事を募集している会社の住所が書かれた紙を受け取ります。
翌日コオは紙に書かれた会社の住所を訪れると従業員(張學友)が全く関係のない会社だと一蹴し、騙されたことに気づきます。

 

マフィアのボスであるタイガー(柯俊雄)は別の組織のボスであるパク(方剛)を呼び出します。
タイガーはパクの相棒であるヨンに貸しがあると告げ、店の持ち株を半分渡すように要求します。
ヨンはすでに死んでおり、パクは借金の肩代わりには応じず抗争が勃発します。

 

仕事が無く意気消沈したコオの前に花売りのローズ夫人(歸亞蕾)が現れます。
初めは花を買うつもりはなかったコオですが、幸運を呼ぶと言われる薔薇を1本購入することにします。
薔薇を購入した途端にコオが座っていたベンチにマフィアの車が突っ込み、車は坂から転げ落ちます。

 

様子を見に行ったコオは抗争に巻き込まれ、パクの側近であるホイ(午馬)はパクを連れて逃げるようコオに指示します。
ホイはコオに謝礼を支払うことを約束するとコオはパクを担いで逃げます。
パクには胃腸の持病があり、瀕死のパクは自分を手荒に扱ったコオに対し抗議しようとしますが、幹部たちはパクがコオを後継者に指名したと勘違いしてしまいます。
パクは亡くなり、思い掛けずコオはマフィアのボスに就任することになります。

 

パクの後釜は幹部のフェイ(羅烈)だと期待していたフェイ派の構成員たち(張午郎、黃樹棠)は面白くありません。

 

コオは再びローズ夫人と出会い、薔薇を購入します。

 

他の構成員たち(李海生、太保、成福安)もコオのボス就任に反対し、コオを追い出そうと考えます。
コオはマフィアの頭など務まるはずがないと逃げ腰ですが、ホイは逃げても命を狙われると言います。
仕方なく留まることにしたコオは部下たちに挨拶をしますが野次が飛び、構成員(周文健)と腕相撲で勝負を持ちかけられます。
ホイがインチキをしてコオに勝たせますが、今度は構成員たち(張午郎、陳狄克)と実際に戦うことになります。
カンフーが得意なコオは2人を退けると、ようやく部下たちはコオの就任を認めてくれます。

 

タイガーはヨンが作った借金を帳消しにするつもりはなく、パクの店の株を狙っています。
すると店にヨンの娘であるルーミン(梅艷芳)がやって来ます。
ルーミンの父親であるヨンはパクとレストランを共同で経営していたので責任を感じたルーミンはお金について相談しに訪れたのです。
ルーミンは働いて借金を返すことを申し出ると、歌とダンスが得意なのでレストランをナイトクラブに改装することにします。

 

ローズ夫人がコオに薔薇を届けに来ると、改装中の天井からコオに向かってシーリングファンが落ちて来ますが、またもや寸前で接触を回避します。

 

タイガーが部下を引き連れてナイトクラブへやって来ます。
ホイは新しくボスになったコオをタイガーに紹介すると、タイガーは借金を帳消しにする代わりにナイトクラブの共同経営を要求しますが、コオはタイガーの要求を断ります。
ホー隊長(吳耀漢)率いる警察部隊がナイトクラブの立入検査を行います。
ホーは組織を壊滅させるため、コオを内通者にして組織の情報を手に入れようとしますが、ホイたちに手口を見抜かれていたため失敗します。

 

ルーミンの歌とダンスでナイトクラブは大盛況となり、その後も薔薇を購入し続けるコオは様々な危機を回避します。
タイガーの組織との対立は続き、組織を裏切ってタイガーと結託しているフェイはコオの悪評を捏造します。

 

ナイトクラブの盛況によりルーミンは借金を完済します。
タイガーとの交渉を前にコオはいつものように薔薇を買おうとしますが、ローズ夫人がおらず薔薇を購入することができませんでした。

 

タイガーと店の経営の件について交渉を行いますが交渉は決裂し、再び抗争が始まります。
コオはタイガーの構成員たちと戦いますが、捕まってしまい、タイガーは交渉に応じるまでコオを拘束しようとします。
再びホー率いる警察部隊が現れたため、タイガーはコオを解放して去って行きます。

 

コオはルーミンと恋仲になりますが、多忙で構ってくれないコオに嫌気が差したルーミンはルイ(呂良偉)と結婚してアメリカに行くと言い出します。
慌てたコオはルーミンをなだめて引き留めます。

 

ローズ夫人は上海にいる娘のブイ(葉蘊儀)と手紙のやり取りをするためにホテルの従業員で友人のチャウ(田青)に協力してもらっていましたが、夫人宛ての手紙を持ち出したことが発覚してしまい、チャウはホテルを解雇されます。
手紙のやり取りができなくなっては困るのでローズ夫人はホテルの従業員たち(胡楓、黃新)に掛け合い、なんとか手紙を受け取ります。
しかし手紙を読んだローズ夫人は道端で倒れてしまいます。

 

タイガーとの会食の約束を控えるコオですが、運転手のアトン(樓南光)が薔薇ではなく菊の花を買ってきたため、コオは薔薇でなければ出かけないと言って動こうとしません。
部下たち(陳國權、周文健)からローズ夫人が倒れて寝込んでいるという話を聞いたコオはローズ夫人の友人(許冠英)に自宅へ案内してもらいます。

 

ローズ夫人の友人(梁葆貞)から事情を聞くと、ローズ夫人の娘のブイは上海の富豪のクー(田豐)の息子であるイェン(倪震)と婚約が決まっており、香港へ帰省する予定だと言います。
娘に心配をかけたくないローズ夫人は花売りをしていることは知らせず、お金持ちの男性と再婚したと嘘をついていたので、本当のことをブイに知られてしまうことを恐れています。
友人たちはローズ夫人を助けてほしいとコオに頼み、ルーミンも薔薇の恩に報いるべきだと言います。

 

コオたちはローズ夫人をお金持ちの夫人に仕立て上げ、高級ホテルに住まわせることにします。
次にローズ夫人の再婚相手役を探そうとしますが、候補がおらず悩んでいるとチャウが友人のトンを連れて来ます。
トンは以前コオを騙した男ですが、金のためにトンは再婚相手役を引き受けます。

 

港でクーたちを迎える一行ですがホーもクーを出迎えており、騒ぎを起こしてホーを港から追い払います。
素性を知られては困るので、ホイはクーを取材しようとしていた記者たち(鍾鎮濤、陳友)を連れ去るよう部下に命令します。

 

ローズ夫人はブイたちの幸せそうな様子を見ながら2人を騙していることに心を痛めます。
その後も訪れたクーの友人たち(黃霑、倪匡)も連れ去り、正体が露呈しないようにコオたちは必死に取り繕います。

 

ホーがホテルにやって来たという知らせを聞いたコオはトンにクーのふりをしてもらいます。
すっかりトンをクーだと信じたホーは基金集めの名目でトンから証券を買おうとします。

 

一方、ホテルには別の記者たち(鄭丹瑞、岑建勳)が訪れて記念撮影を行いますが、素性が明かされるのを避けるために彼らも連れ去ります。

 

クーは結婚の記念に友人を招いたパーティーを開きたいと提案するとコオは二つ返事で承諾しますが、有力者をどうやって招待するか頭を悩ませます。
やむを得ず構成員たちに有力者を演じてもらうため、付け焼き刃の作法を叩きこませます。

 

ホーの部下(呂方)がホテルを訪れると本物のクーとすれ違い、トンがクーになりすましていることを知ります。
そんなことも知らずにホーはトンから証券を買います。
部下はトンが偽者であることをホーに知らせようとしますが、失踪した記者たちの捜索に躍起になっているホーは全く話を聞いてくれません。

 

ホーの部下(火星)はナイトクラブに構成員たちが集まっていることをホーに報告すると、ホーはすぐに店へ向かいます。

 

警察が店を包囲していることを知ったコオはホーと話し合いを行うために裏口から外の様子を見に行くと、物置にタイガーの部下たち(朱鐵和、戴志偉)が拘束されているのを発見し、コオは2人を解放します。
コオを陥れようとしているフェイはコオがタイガーの部下を殺害したと嘘をつきます。
フェイの話を信じたタイガーは腹を立て、コオを捕まえます。

 

タイガーは部下を殺したことをコオに詰め寄ると、コオは殺していないと否定します。
そこへ拘束されていたタイガーの部下たちが戻り、フェイが嘘をついていたことが明らかになります。
タイガーはコオを解放し、フェイは因縁のコオと決着をつけることになります。

 

フェイは腹心である工員のサン(周比利) を呼び出し、コオと戦わせます。
サン以外の工員たちも一斉にコオに襲いかかります。
コオは工員たちを退けるとサンと一対一で戦い、コオが勝ちます。

 

サンが敗れてフェイはその場から去ろうとするとタイガーが引き止めます。
コオはフェイを恨んではおらず、コオが和解を持ちかけるとフェイは改心して受け入れます。
腕の立つコオを気に入ったタイガーもコオと和解します。

 

コオはパーティーの計画を成功させるために包囲網を解いてほしいとホーに頼みますが、ホーは手遅れだと言います。
警視総監のロートン(劉兆銘)と指揮官(王偉)がやって来ると、コオは失踪した記者たちの行方を知っていると証言します。

 

コオはルーミンに電話をしてパーティーを中止するように伝えます。
コオは今回の騒動について総督(Louis Roth)や指揮官たちに事情を説明します。

 

これ以上クーたちを騙し続けることはできないと腹を括ったローズ夫人はクーに本当のことを打ち明けようとしますが、総督や各界の有力者たちがホテルへ続々とやって来ます。
コオの話を聞いた総督たちはコオのパーティー計画に協力してくれたのです。
パーティーは無事に終了し、クーたちは上海へ帰って行きます。
一方、クーに扮したトンから小切手を購入する際に公金を使用したホーは横領容疑で指名手配されてしまい、上海行きの船に乗り込んで逃亡を図るのでした。

 

最高の娯楽エンターテイメントです(*^^*)
ジャッキーは本作をとても気に入っていて、私も大好きな作品です(*‘∀‘)
バスター・キートンなどの喜劇作品が好きなジャッキーらしい作品で、あぁこういうのが撮りたかったんだなぁって思いました(*'ω'*)

 

セットも豪華なのですが、カメオ出演も豪華です!!
元彪は超一瞬の出演でした(>_<)
時間にして10秒ぐらいかな?もっと観たい!!
こちらも一瞬なのですが、まさかサイモン・ヤムが出演されているとは思いませんでした(゚Д゚;) 華哥若い!!
全ての方を紹介したいところなのですが、友情出演やゲスト出演、とにかく出演されている役者さんが非常に多いのでここでは割愛させて頂きます。
ぜひ作品をご覧になってお馴染みの顔触れを楽しんで頂ければと思います(*^^*)

 

キャラクターも最高です(^o^)
午馬さん演じる飄々とした相談役のホイ、董驃さん演じる胡散臭さ爆発の詐欺師のトンなど本当楽しい♪♪
運転手役の樓南光(ビリー・ラウ)も地味にいい感じのキャラクターなんですよね(*'ω'*)

 

コオとルーミンが痴話喧嘩でドタバタするシーンやローズ夫人の正体がバレないように皆がてんやわんやする様子も楽しいです(^o^)
このドタバタ感がコメディジャッキー映画の醍醐味ですね☆

 

パクがコオを後継者に指名する序盤のシーン。
パクの本意ではなく勘違いで起こる展開なのですが、これは幹部たちが「胃」の「胃(ワイ)」と「地位」の「位(ワイ)」を聞き間違えて起こったハプニングだと思われます(´∀`)
「我胃(俺の胃)」と「我位(俺の地位)」
ちなみにジャッキーは実際に周りから「ボス」という意味である「大哥(ダイコー)」と呼ばれています。
でもこの場合の「大哥」は「ボス」というよりも「兄貴」に近い感じかな。

 

ジャッキーが元彪みたいな連続回し蹴りをしているシーンがあってカッコ良かった(*‘∀‘)
アクションはもちろん凄いのですが、ジャッキーのアクションってどんな物でもアクションの道具として上手く活用するのが面白いですね。
本作だと人力車や工房のロープなど、道具をいかに面白くアクションとして魅せるか、物凄い思考を巡らせていたんだろうなぁ(・o・)

 

バトルではありませんが、本作ではジャッキーがやたらと帽子を回したり投げたり、サイレント時代のアメリカ映画みたいな動きが楽しいです♪

 

主題歌は劇中のナイトクラブのシーンでも歌われていた梅艷芳(アニタ・ムイ)による「玫瑰 玫瑰 我愛你」です♪
ルーミン役はアニタ姉さん以外には考えられないですね。
当時アニタ姉さん以外にこれだけ存在感のある歌姫役をできる方が思いつかない('◇')