めぐちゃんの香港映画感想ブログ

香港映画が大好きで気ままに感想を書いています。ネタバレありなので観ていない方はご注意下さい。

やがて哀しき復讐者

やがて哀しき復讐者

■原題
報應

■製作年
2011年

 

羅永昌監督、杜琪峰製作のサスペンス・ノワール作品です。
黃秋生と任賢齊の共演という事でとても期待していたのですが、
いくつか引っかかる所があります。

 

今作では時系列に逆らった演出がうまく機能していないような気がします。

 

ストーリーを簡単に説明すると、
不動産会社社長のウォンの娘であるデイジーが誘拐・殺害され、
黃秋生演じる父親のウォンと、任賢齊演じるボディガードのチューが
犯人に復讐をするというものです。

 

冒頭、娘が殺害された所から遡って話が進むのは引き込まれますが、
その後の展開がピンと来ない。
「結果→過程」という技法が悪いというわけではありませんが、
そこには意外性や引き込まれる要素が薄いんですよね。

 

あと所々でウォンが土地買収をしようとするシーンがあり、
それが物語に関係あるのかと思ったら全く関係なかったのが勿体ない。
あれだけ思わせぶりに出て来ると、何かあるのかと思ってしまいます。
ウォンの傲慢さと自己中心的な人物を描写したいだけなら、
土地買収の要素は冒頭だけでも十分伝わると思います。

 

ちなみにウォンの部下であるTK役は
ポリス・ストーリーでお馴染みの曹查理でした(・∀・)

 

あと娘のキャラクターについて、
個人的には不良娘じゃない方がよかったかも。
ドラッグで遊び呆ける不良娘が誘拐されても、正直同情出来ない(^^;)
人間の心理として、いい娘が誘拐された方が感情移入出来ると思う。
もし不良娘の設定で描くなら徐々に娘の心情が
変化していく描写があればいいかも。
なので先程の土地買収のシーンをカットして、
その分、娘の心情の変化のシーンに時間を費やすとか。

 

今作はストーリーの内容よりも人物の心情に焦点を当てた作品だそうで、
人間の心情をテーマにしたドラマ性のある作品にしたかったのなら
もう少しサスペンス要素を薄くして、ストレートに描いた方がよかったかも。

 

黃秋生はそういう複雑な心情を表現する事に長けた
素晴らしい役者さんなので、そしたら絶対ハマってたと思うな。

 

あとウォンの右腕のチューがウォンの代わりに復讐に躍起になるんですけど、
そこまでウォンに忠誠を誓う理由ももう少しハッキリ描写して欲しかったな。
まぁ一応物語の中で、ウォンが前科のあるチューを
雇ってくれた恩があるという説明はあるのですが、
もっとウォンに忠義を尽くすチューのキャラクターを
印象的にして欲しかったかな。