ターゲット・ブルー

ターゲット・ブルー

原題 中南海保鑣

製作 1994年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

元奎(ユン・ケイ)監督、李連杰リー・リンチェイ)主演のアクション作品です。
1992年のケビン・コスナー主演「ボディガード」の香港版という感じでしょうか。

 

中国特殊部隊のSPであるホイ(李連杰)はタイファングループ会長のソン(伍衛國)の恋人であるミシェル(鍾麗緹)の護衛を命じられます。
イーファイグループ会長のチウ(黃錦江)は不正取引の発覚を恐れて会計士を殺害しますが、チウが会計士を殺害する現場に偶然居合わせたヨットマンや警備員が口封じのために暗殺されます。
ミシェルも殺人現場を偶然目撃した証人であり、命を狙われることになります。

 

ミシェルはチウが犯人であると証言し、裁判が始まるまでホイがミシェルの護衛を務めることになります。
香港へやって来たホイは警護を円滑に進めるために他の警察官を解散させます。
不審物の確認や監視カメラの設置など、プライバシーが全く無い状況にミシェルは憤ります。

 

小学校の教師をしているミシェルですが、ホイはミシェルの職場へ行って休職を申し出ます。
外出が禁止され、水道や飲み水までチェックされる窮屈な日々にミシェルはうんざりします。
友人の誕生日パーティーへ行くために自宅をこっそり抜け出すミシェルですが、すぐホイに見つかってしまいます。

 

公判期日を迎えますがチウが入院したため、裁判が延期されます。
我慢の限界を超えたミシェルは甥である小学生のビリー(朱威廉)を連れて憂さ晴らしにショッピングモールへ出かけます。
用心のため、警察官のポー(鄭則士)とキョン(梁榮忠)はミシェルたちを護衛します。

 

ビリーはショッピングモールで友達と遭遇し、友達に本物の銃を見せて自慢するため、ポーの銃をおもちゃとすり替えます。
ミシェルが洋服の試着を行っていると、男がミシェルの命を狙いますがホイは男を射殺します。

 

ビリーからポーの銃を奪った友達はいたずらで発砲するとショッピングモールは騒ぎとなり、パニックになった客たちは逃げ出します。
ホイはミシェルを連れて次々と襲ってくる刺客たちを倒していきます。
ポーが男に撃たれるとホイは男を銃で殺害します。
ポーは防弾チョッキを装備していたため無事でした。
命懸けで自分を守ってくれたホイに対してミシェルは初めて心から礼を言います。

 

人民解放軍のウォン(倪星)は遺体安置室に押し入り、制止する職員を殺害し、義弟(黃凱森)の遺体を持ち去ります。
殺害された職員の傷跡を見たホイは人民解放軍が使用している武器だと断定します。

 

その後ウォンから脅迫のFAXがホイの元に届くと、ホイは中国からウォンの資料を取り寄せます。
ポーを襲った男はウォンの義弟で、ウォンは義弟を殺害したホイを恨んでいるのです。
ホイは一層警戒を強めます。

 

誕生日を迎えたミシェルはソンから食事の誘いを受けます。
ホイも同行しますが、ソンは落ち着かない様子のミシェルを見て違和感を持ちます。

 

帰宅したミシェルはホイに腕時計をプレゼントします。
ホイに恋心を抱いたミシェルは想いを伝えますが、任務に私情は挟めないので揺らぐ気持ちを抑えてホイは立ち去ります。

 

ウォンは仲間を連れてミシェルの自宅へ押し入ります。
刺客からミシェルを守るキョンですが、ウォンに撃たれて瀕死の状態に陥ります。
ホイとポーが駆けつけると、ホイは電気を消して暗闇の中でウォンたちの動きを窺います。
ホイは投げた懐中電灯の光を頼りにウォンの仲間たちを次々と銃撃して行きます。

 

瀕死のキョンはポーの息子の学費に充ててほしいとポーに金を渡し、ミシェルに好意を抱いていたことを告げて息絶えます。

 

ホイは明かりをつけ、室内にガスを充満させます。
発砲すれば爆発してしまうため、銃を使うことができません。
ポーはウォンに突進しますが、ウォンに蹴られて気絶します。
ホイはウォンの仲間を倒し、ウォンと一騎討ちとなります。

 

ホイとウォンの死闘は続き、徐々にホイが優勢となりますが、ウォンは隠れていたビリーを殺そうとしたためホイは割れたガラスの枠をくぐってビリーを救出しようとします。
しかしウォンの銃剣を避け切れずにホイは左胸を刺され、さらにミシェルを人質にされてしまいます。

 

ソンが自宅へやって来ると異常事態に気づいたソンはウォンに金を払うことを提案しますが、ウォンは金の受け取りには応じません。
ウォンはミシェルに銃口を向けると、ホイはミシェルを庇って銃弾を受けます。
2発目の銃弾を受けるとホイは刺さっていた銃剣を抜いてウォンに投げます。
銃剣が首に刺さったウォンは絶命します。

 

香港ではそこまでヒットしなかったそうなのですが、私は大好きな作品です(^ω^)
細かい設定とか「ありえねー!」部分もあるのですが、この作品の魅力は何と言ってもリンチェイ演じるホイ・チェンヨンのキャラクターではないでしょうか。
プロフェッショナルな仕事ぶりと、感情に流されそうになる人間らしい部分のギャップがたまらん(´ρ`)
リンチェイがホイ役じゃなかったら満足度が変わっていたかも。
それぐらいリンチェイが魅力的でした(*'ω'*)

 

ミシェルは最初SPつけるの凄く嫌がっていたのに、すっかりホイに心を奪われて出会った時と全然態度が違う(^▽^;)
でもあんな風に命懸けで助けられたら惚れる気持ちも分かるわ~。
ミシェルがホイに告白するシーンは恥ずかしくて観ちゃおれん(*´艸`*)

 

ケント・チェン演じるポー刑事も良いキャラしてます♪
多忙なポーに妻が愛想を尽かして離婚してしまうんですけど、恋の先輩としてホイに「恋愛はチャンスがある時に行かないと後悔するぞ」ってアドバイスするんですよね(*´з`)

 

私は当初、リョン・ウィンチョン演じる警察官キョンが刺客なのかと思っていましたが、実はミシェルに好意を持っていただけだったんですね(^^;)
だって劇中で不審な行動をしていたからてっきり刺客なのかと思ったわ。

 

最後ホイの生死については表現が曖昧なんですよね。
ホイがハッキリと姿を現さないし、ホイの実直な性格だったら餞別を渡すのならば直接渡していたと思うし、別れの挨拶だって直接すると思うのですが。
生きているとも取れるし、死んでいるとも取れるし、なんか意味ありげな描写だなぁ。
そもそも中国のSPが香港へ派遣されるなんて普通ありえないと思うんですけどね(^^;)

 

そういえばチウ会長は一体どうなったんだろう??
生かしておいたらまた別の刺客を雇って襲って来そうだけど(゚Д゚;)

 

ビリーがドラゴンボールのカードをホイに見せるシーンがあるのですが、まさかドラゴンボールが出て来るとは思わなかった(笑)
ちなみに香港ではドラゴンボールのことを「龍珠(ロンジュー)」といいます。

 

ホイとウォンがガスの充満する部屋で必死に水を飲もうとしていましたが、水を飲むことで苦しさが緩和されるの??
私、これがよく分からない(?_?)

 

サイクロンZの元彪のようにリンチェイがガラスの割れた枠を通り抜けるシーン凄いわぁ。

 

コリン様はまだ「鄒兆龍」ではなく芸名の「倪星」で活動されていたので当時のクレジットで記載しました。

 

ウォンの義弟役の黃凱森(ホアン・カイスン)は劇中でリンチェイの吹き替えも行っているのですが、コリン様演じるウォンがリンチェイのダブルをやっているホアン・カイスンをぶっ飛ばしている様子を見て、「ウォン、義弟ぶっ飛ばしてるじゃん(笑)」なんてツッコミを入れたりしていました(笑)

 

ジョニー・トー作品でお馴染みの黃華和(ウォン・ワーウォー)が遺体安置所の職員役で出演されていました(*‘∀‘)

 

元奎さんはいたずらしている子供たちを注意する通りすがりの役で超一瞬だけ登場します♪
本作では監督の他に武術指導もしています。(元德さんと共同)