ドラゴン怒りの鉄拳

ドラゴン怒りの鉄拳

原題 精武門

製作 1971年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

羅維(ロー・ウェイ)監督、ブルース・リー主演のカンフーアクション作品です。
この作品は結構リメイクされていて、リンチェイやドニー様も陳真役を演じています。
ジャッキー・チェンの「レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳」は本作の続編的な位置づけらしいのですが、あまり続編という感じはしませんでした(^^;)

 

精武門の創設者であるフォ師匠が急死し、突然の出来事にショックで食事も喉を通らない五番弟子のチェン(李小龍)。

 

フォ師匠の初七日を迎えると、日本人が開いている虹口道場で通訳をしているフー(魏平澳)と門下生が現れ、精武門の門下生たちを侮辱して挑発します。
チェンの兄弟子のファン(田豐)が制止して事無きを得ますが、怒りを我慢できないチェンは虹口道場へ乗り込みます。

 

チェンは虹口道場の門下生たちを次々と倒し、顧問の吉田(馮毅)も倒して立ち去ります。
これに腹を立てた虹口道場の鈴木館長(橋本力)は精武門に門下生を送り込みます。
虹口道場の門下生たちは精武門道場を荒らし、チェンの引き渡しを要求して去って行きます。
引き渡せば殺されてしまうので、兄弟子たちはチェンに遠くへ逃げるように促します。

 

出発前日の夜、精武門の料理長のティエン(黃宗迅)がフォン(韓英傑)と共謀してフォに毒を盛ったという話を聞いたチェンは2人を殺害します。

 

チェンの婚約者のユアン(苗可秀)は身を潜めるように説得しますが、チェンの復讐の意志は揺らぎません。

 

吉田の弟であるティエンが殺されると、さらに怒りが増した鈴木館長はついに警察に圧力をかけます。
警察が精武門の門下生を捕まえればきっとチェンが姿を現すと考えています。

 

車夫になりすましたチェンは待ち伏せしてフーを殺害します。
これを知った鈴木館長は日本領事館に連絡をすると言って警察を脅し、吉田は精武門の門下生を皆殺しにすることを提案します。

 

チェンは単身で虹口道場へ乗り込んで門下生と吉田を倒します。
立ちはだかる鈴木の用心棒(勝村淳)を倒し、ロシアから来た武術の達人ペトロフ(Robert Baker)と戦います。
ペトロフを倒したチェンは鈴木館長も倒して復讐を果たします。

 

精武門では仲間である多くの門下生が殺されてしまい、これまで耐え忍んできたファンも我慢の限界に達します。
日本領事(金軍)はチェンを引き渡さなければ精武門を閉鎖すると脅しますが、戻って来たチェンは精武門を守るために自首します。
しかし精武門の外で待ち受けていたのはチェンに向けて銃を構える領事館関係者たちの姿でした。

 

ラストが衝撃でしたね~(゚Д゚;)
内容が抗日的なので気になる人はちょっと不快に感じてしまうかもしれない。
その辺について私は特に気になることはありませんでした。

 

私はこの作品でブルース・リーが大好きになりました(*^^*)
本作はリーの貴重なラブシーンも観れるのですが、モノクロ映画時代にもラブシーンはあったのかな??
昔の作品も観てみたいな~。

 

若きジャッキーもスタントで出演されていて、スタント以外では精武門の門下生役の李英琪(リー・イェンケイ)と稽古をする相手役としてジャッキーが出演されていました☆
DVDの画質だと認識できないかもしれない。
私もブルーレイ版を観て気づいたくらいなので(^^;)

 

虹口道場の門下生の中には、陳會毅(ビリー・チャン)、林正英(ラム・チェンイン)、元奎(ユン・ケイ)、吳明才(ウー・ミンツァイ)などの姿がありました。
元華さんは日本人役で、リーに絡んでぶっ飛ばされていました(;^_^A

 

ペトロフに技をかける門下生の1人が元彪だと思うのですが、違うかな?
ブルーレイ版でも顔がハッキリと映らないので、断言はできないです(;^ω^)

 

精武門の門下生役で成運安(シン・ワンオン)が出演されていました(*‘∀‘)
成奎安(シン・フィオン)のお兄さんですね。
監督の羅維(ロー・ウェイ)も警察官役で出演されていました。

 

日本人キャストは鈴木館長役の橋本力と用心棒役の勝村淳です。
橋本さんってプロ野球選手だったんですね!全然知らなかった!
プロ野球選手を引退した後、勝新太郎の映画会社に所属したそうです。
クレジットでは勝村さんの英語表記が「JUN ARIMURA」になってた(;'∀')
日本人の英語表記がちょいちょい間違っているのは「香港映画あるある」なんですかね(笑)

 

本作はシリアス路線なのですが、リーがおじいちゃんの変装をしたり、修理工の変装をしたりするのがなんかほっこり(笑)
というか、最終的に正面から道場に乗り込むなら修理工になりすまして潜入する必要があったのかな?って思ったりします(^^;)
そして日本人が観たら指摘するであろう、「袴が逆でしょ!」というツッコミ(^^;)

 

田豐(ティエン・ファン)は日本語字幕だと「師範」となっていましたが、広東語音声だと「大師兄(タイシーヘン)」で、「1番上の先輩」という意味です。
道場などで先輩を呼ぶ時に「師兄(シーヘン)」という言葉はよく使われていますね。
ちなみに弟弟子を呼ぶ時は「師弟(シータイ)」といいます。

 

師匠の霍元甲(フォ・ユエンジャ)は実在した人物で、上海精武体操学校を創設した武術家です。
香港映画でよく題材になる方ですね。
広東語発音だと「フォ・ユンカップ」といいます。

 

精武門の主題歌は何とも哀愁があって良いんですよねぇ。
このテーマ曲を聴くと鳥肌が立ちます。
アメリカの刑事ドラマ「鬼警部アイアンサイド」のテーマ曲に似ているという指摘があり、確かに少し似ていると思います。
私はアイアンサイドは観たことがないのですが、アイアンサイドのテーマ曲は日本のバラエティ番組などでよく使われていたり、キル・ビルでも使われていたので馴染みがありますね。