めぐちゃんの香港映画感想ブログ

ネタバレおもいっきりあります。

野獣たちの掟

野獣たちの掟

原題 人民英雄

製作 1987年

めぐちゃんの満足度 ★★★★☆

 

1975年製作のアメリカ映画「狼たちの午後(Dog Day Afternoon)」をモチーフにした爾冬陞(イー・トンシン)監督によるサスペンスドラマ作品です。

 

アサイ梁朝偉)とワイヤン(黃斌)は銀行強盗を目論んでいますが、実行寸前でワイヤンの具合が悪くなります。
閉店間際にクー(狄龍)が銀行にやって来ます。

 

アサイは強盗計画を中止することにしてワイヤンを連れ出そうとしますが、袋に忍ばせていた拳銃が落ちて周囲の人たちの視線を浴びます。
とっさにガードマンのマンソク(Mansook Ahmed)が銃を構えると、驚いたアサイがマンソクに発砲し、マンソクは肩を撃たれて負傷します。
アサイは金を奪って逃げようとしますが、裏口からは逃げられず、他の出口を銀行員に問いただします。

 

他の出口を教えてもらいますが、外は警察によって包囲されてしまいます。
ワイヤンが発作で動けなくなり、立往生するアサイ
警察から電話があり、自首するようにアサイを説得します。

 

そこに銃を構えたクーがやって来ます。
クーはアサイに詰め寄り、殴って銃口を向けると再び電話が鳴ります。
電話に出たクーは特捜課のチェン(梁家輝)を呼ぶように言います。

 

クーはお尋ね者で、逃走資金を得るために強盗を目論みましたが、アサイたちが先に銀行を襲っていたので計画が狂ってしまったのです。
銀行内にいた銀行支店長(田青)、男性銀行職員(林保怡)、女性銀行職員(莫潔玲)、客の女学生(何佩兒)、女学生の母親(黎少芳)、コン(江道海)、イップ(葉榮祖)、リー(李嘉茜)たちが人質となってしまいます。
しかしクーは人質には手は出さないと言い、負傷したマンソクを心配して手当てをします。

 

マスコミも駆けつけ、チャン課長(秦沛)が現場近くに到着します。
クーは警官を殺害しており、チャン課長は殉職した警官の無念を晴らすべく、クーの逮捕に躍起になっています。

 

クーは人質たちと何気ない世間話をします。
クーは警察に電話をし、クーの恋人であるアピン(金燕玲)をここに連れて来るように言います。
アピンは現在服役中で、チェンとチャン課長はアピンを釈放するかどうかで揉めます。

 

銀行の外では狙撃班がスタンバイしています。
チャン課長の強硬姿勢にチェンは同僚の仇を討つために人質の安全を無視するのは許されないと怒りを露にします。

 

クーは逃走用の車を要求し、アサイに運転を頼むことにします。
膠着状態が続き、人質に手を出すことは避けたいクーでしたが、要求が通らなければ人質を殺すことはやむを得ないと告げます。
運転手、ケガ人や病人は除外し、殺す人間を公平に決めます。

 

女学生が選ばれてしまい、泣き出してしまいます。
クーがもう一度やり直すことにするとコンが反論し、コンの態度に腹を立てたクーはコンを殺す対象に決め、銃口を向けます。
するとアピンが釈放されたという連絡が入ります。
しかしアピンはクーと一緒に行くつもりはないと言い放ち、予想外のアピンの言葉に呆然とするクー。

 

警察は裏口に逃走用の車を手配させ、いよいよ逃走の時です。
アサイが最初に外へ出て車に乗り込みます。
その後に人質を盾にしたクーが出て来ます。
クーを射撃したい警察ですが、これでは手が出せません。

 

全員が車に乗り込み、クーは出発する前にチェンを呼び寄せます。
往生するクーを見兼ねてチェンはどうするか頭を悩ませます。

 

クーはアピンを呼んで車に乗るように言いますが、アピンはまともな暮らしを望んでおり、逃亡生活はしたくないと拒みます。
2人の会話を聞いたアサイは自首を申し出ます。
アサイが捕まり、クーは無理やりアピンを車に引きずりこもうとします。

 

納得出来ないクーでしたが、アピンが一緒に行かないのであれば逃げても意味がないのでクーは自首を決意し、アピンを突き飛ばして上空に向けて発砲します。
これを皮切りに警察がクーに向けて発砲します。
銃弾に倒れるクーを見てアピンは泣き叫びます。
逃走用の車にはクーの大量の血が流れていくのでした。

 

私は本作をきっかけにモチーフとなった「狼たちの午後(Dog Day Afternoon)」を観ました。
狼たちの午後はニューヨークのブルックリンで発生した実際の銀行強盗事件を題材にしています。
気迫に満ちたアル・パチーノの演技が素晴らしかったです。

 

お互いにまた違ったテイストとアプローチで私はどちらの作品も結構好きです。

 

狄龍様演じる強盗は決して残虐な人間ではなくて、強盗なんですけど一般人の命は出来るだけ尊重しています。
でも逆に強盗と人質の奇妙なやり取りが緊張感を覚えます(゚Д゚;)
クーは人質には優しいけど、同じ強盗のアサイとワイヤンには冷たいんですよね(^^;)

 

狄龍様の強盗役、見た目がいかにも怖いという感じではないのですが、なんか凄みを感じてしまう雰囲気なのです(゚Д゚;)
男たちの挽歌ではマフィア役を演じられた狄龍様ですが、本当は黒社会系の作品はあまり好んで出演したくなかったそうです。

 

クーが女学生に対して態度と外見に関して説教するシーンがあるんですけど、強盗のあなただけには言われたくないって感じです(^^;)

 

ラストのチャン課長の笑顔が怖かったなぁ…。
チャン課長は殉職した仲間の仇を討つためにクーを殺したがっていましたけど、警察官としてその考えは危険ですよね。