新Mr.BOO! アヒルの警備保障

Mr.BOO! アヒルの警備保障

原題 摩登保鑣

製作 1981年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

許冠文(マイケル・ホイ)監督・主演のコメディ作品です。
日本では「新Mr.BOO!シリーズ」の第1弾として劇場公開されました。

 

ウォン警備会社で働くチャウ隊長(許冠文)はベテラン警備員ですが、傲慢で小言が多いので部下からの人望はありません。

 

警備会社の社長(許世昌)の息子のファン(馮淬帆)は留学先のイギリスから帰国して父親の警備会社で働くことになりますが、ファンは社員の勤務態度を監視するために自分が社長の息子だということを隠して新米警備員として着任します。

 

ウォン警備会社が人材を募集していることを知ったシウロン(許冠英)は警備員になって活躍する夢を抱いて採用試験に臨みます。
規定の身長に達していないシウロンでしたが、チャウをうまく煽てて念願の警備員として働くことになります。

 

チャウは防火グッズや緊急用のパラシュートを使って実演を行い、部下たちに使用方法を教えます。

 

ある日ビルの上層階で火災が発生し、シウロンは先輩のサム(許冠傑)と防火スーツを着て現場へ向かいます。
エレベーターが使えずサムたちは階段を使って上層階の骨董品展示室に到着しますが、火災は発生しておらず、展示室の責任者に火災報知器の性能を誇示するためにチャウがタバコの煙を報知器に近づけていただけでした。
さらにチャウは骨董品の展示室の入り口にある声紋認証付きの最新防犯システムも披露します。

 

現金輸送を行う警備員は常に危険と隣り合わせであり、チャウは武装した強盗と遭遇した時に相手の銃を暴発させる方法を部下たちに指南します。

 

サムとシウロンが現金輸送を行うために銀行を訪れると銀行強盗に遭遇します。
サムたちは逃走する銀行強盗を追い、輸送車両で待機していたチャウは異変に気づいて本部へ連絡します。
銀行強盗は民家へ逃げ込みますが、サムは市民の協力を得て銀行強盗を逮捕します。

 

社長は目の手術を行うためにスイスへ行くことになり、ファンは社長の業務を引き継ぎます。
ファンは隊員たちに正体を明かすと、ファンが社長の息子だと知った隊員一同は驚きます。
銀行強盗を逮捕したサムとシウロンは昇格しますが、チャウを隊長にふさわしくないと判断したファンはチャウを降格します。

 

チャウが隊長の頃は犯罪抑止のためにサムにスリ役をやらせて人前で捕まえるという芝居を行っていましたが、チャウが降格したため、チャウがスリ役を演じることになります。
しかしチャウが財布を盗もうとした女性の連れが運悪く強盗団のボスであるシン(陳星)だったため、チャウは怒ったシンに殴られて両腕を負傷します。

 

翌日は船上パーティーの警備の仕事が入っており、両腕を負傷したチャウはギプスをつけて業務に取り組みます。
チャウとサムは船に乗り込んで来た不法入国者たちを追い払いますが、シウロンは隠れていた不法入国の家族を見つけると、その中のチャン(黃造時)という女性に一目惚れします。
シウロンは空腹の家族のためにパーティーの料理をこっそり持ち出しますが、チャウとサムに見つかります。
チャウとサムはシウロンに話を合わせ、家族を通報することはしませんでした。

 

その後、シウロンはチャンと徐々に親しくなり、互いに好意を持つようになります。

 

次は葬儀場の警備の仕事が入ります。
亡くなった資産家の臓器がプラチナで作られているため、盗難の恐れがあるとして警備を依頼されたのです。
チャウたちが目を離した隙に泥棒たちは資産家の遺体を仲間の男(曾楚霖)にすり替えてプラチナを取り出そうとしますが、チャウとサムは泥棒たちを捕まえます。

 

仕事でホテルに来ていたシウロンはシンとチャンが親しげにしている様子を目撃すると、2人の部屋に乗り込んでシンに殴りかかります。
しかしシウロンは返り討ちに遭い、チャウとサムが仲裁に入るとシンは去って行きます。
チャンの母親には多額の借金があるため、チャンは仕方なく身売りを行っていたのです。

 

チャウは路上にいた女性に目を奪われていると、強盗たち(李海生、魚頭允)が現金輸送車に乗り込んで来ます。
強盗たちはシウロンが持っていた散弾銃を奪って金を出すように脅しますが、サムは講習で習った方法を使用して散弾銃を暴発させます。
片方の強盗は路上にいた仲間の女性の車に乗って逃走し、もう片方の強盗は現金の入ったケースを奪って逃走します。
強盗の男は逃げ切るために途中で現金の入ったケースを落とすと、ケースを発見したシウロンはチャンの母親に借金があることを思い出し、チャンを助けるために現金を横領します。

 

チャウたちを襲った強盗の男たちはシン率いる強盗団の一味で、シウロンとチャンはシン一味に捕まってしまいます。
シンは骨董品の展示室にある翡翠の鎧を狙っていて、犯行の際に展示室の警報装置を切るようにシウロンを脅します。

 

シンは手下たち(李海生、魚頭允、黃鑑波)を連れて屋上からビルの内部に侵入します。
シウロンが警報を切らなかったため、チャウとサムは警報音に気づいてビルの上層階にある日本料理屋へ向かいます。
あっさり武装したシン一味に取り囲まれたチャウとサムは展示室へ逃げます。
シンたちは声紋認証を解除することができず、通気口から展示室に侵入します。

 

競馬場では賭客たち(郭利文、祖尊尼)が万馬券を手に入れるため、賭けている馬が勝つように他の馬を銃撃しようと企んでいます。

 

チャウとサムは翡翠の鎧を着てシンたちを欺こうとしますが見つかってしまい、ビルの屋上へ逃げます。
パラシュートで脱出しようとしますが高所のため尻込みし、躊躇しているとシンたちが追って来たため、チャウとサムは建設中の高層ビルから伸びていたクレーンにぶら下がります。
その間にシウロンは警察に通報し、シンの手下(張浚英)に捕まっていたチャンを救出します。

 

チャウとサムはシンの攻撃を受けてクレーンから突き落とされますが、パラシュートを装備していたため風に流されていきます。

 

競馬場ではイカサマをして万馬券を手に入れようとしている賭客たちが証拠を残さないようにするために氷の弾を使って馬を狙撃しますが、パラシュートで流されてきたチャウとサムがトップを走っていた馬の上に落下したため順位が入れ替わり、賭客たちの万馬券の夢は消え去ります。

 

シン率いる強盗団は逮捕され、功績を称えられたチャウは昇格して功労金をもらいます。
シウロンは横領が露見して逮捕されてしまいますが、チャウはシウロンの告訴を取り下げるために自身の功労金を横領した金の補填に充てます。

 

その後シウロンはチャンと結婚することになり、チャウは防犯の講習内容をまとめた本を会社名義で出版しようとファンに談判しますが、会社の名前を傷つけられたくないファンは個人で本を出版するように促すのでした。

 

楽しい作品です(*^▽^*)
やっぱホイ兄弟は最高♪
実はホイ兄弟は5人兄弟で、次男の許冠武(スタンリー・ホイ)は三兄弟に比べて露出が少ないです。
5人兄弟の中で唯一女性がいるらしいのですが、この方は全然分からないですね。

 

規定の身長に達していないのにお世辞で警備員の採用試験を突破するシウロン(いいのか!?)、声紋認証がなぜか馬の鳴き声だったり(ヒヒーン)、散弾銃に指を突っ込んで暴発させたり(あぶなっ!!)、臓器をプラチナにする資産家、無免許のシウロン(講習後に免許の試験合格したのかな?)、散弾銃でボロボロになったはずの賭客たちの車が復活していたり(新調したの?)、ハチャメチャですが面白くてとにかく細かいことを考えてはいけません(笑)

 

パラシュートの実演講習では先に投げた人形がバラバラになったり、相変わらずのブラックジョークも健在(^^;)
ここでは全て紹介することはできませんが、細かい笑いがいくつもあって楽しめます(^O^)
広東語が完全に理解できればもっと楽しめると思うのですが、ネイティブではないと分からないジョークなどは難しいですね。
日本語吹き替え版はおなじみの広川節が楽しめます♪

 

チャウは傲慢で嫌な性格ですが、本当は仲間想いで自分の功労金を仲間のシウロンのために使うという男気を見せてくれました。

 

リッキー演じるシウロンが健気でカワイイ♪
警備員の採用テストに合格するために缶を使って身長を底上げしようとしたり、銀行強盗が現れた時はパンツ姿であたふたするのが楽しい(笑)
でもあたふたするだけで全然戦力になっていないという(^^;)
難民を見つけた時は食事を持ってきてあげたり、チャンを助けるために奮闘したり、優しくて勇敢なんですよね。
強盗に捕まった時はお尻をダーツの的にされてかわいそうだった( ;∀;)

 

ファン役の馮淬帆(スタンリー・フォン)は福星シリーズのイメージが強くて、髭がないと印象が全く違いますね(´∀`)
私はやっぱ髭があったほうが好き(笑)

 

警備会社の社長役の許世昌(ホイ・サイチョン)はホイ兄弟の実父だそうです。

 

董驃さんが競馬解説者役で登場しますが、董驃さんは実際に競馬評論家として活躍されていました(*‘∀‘)

 

郭利民(レイ・コルデイロ)はミスターブーシリーズではおなじみの役者さんですが、コルデイロ氏は香港のラジオ局「RTHK」のDJとして活動されています。
※本作では「郭利文」とクレジットされていました。

 

主題歌はサミュエル・ホイによる映画のタイトルと同じ「摩登保鑣」です♪
「摩登保鑣(モーダンポウピウ)」とは「先進的な警備」という意味です。
「最新鋭の防犯システムがなんぼのもんじゃい!結局は人間の力が一番じゃい!」という皮肉が込められているのでしょうかね?

 

挿入歌は同じくサミュエル・ホイによる「扮嘢」「人辦」「長春不老」「印象」「我問」「相思萬千重」など。
あとリッキー・ホイによる「我阿英個老婆」も劇中で流れます♪
阿Samのレコード「摩登保鑣」に収録されている曲ばかりなので、音楽も楽しみたい方はぜひ♪
※「相思萬千重」は収録されていません。