スぺシャルID 特殊身分

スぺシャルID 特殊身分

原題 特殊身份

製作 2013年

めぐちゃんの満足度 ★★★☆☆

 

霍耀良(クラレンス・フォク)監督、甄子丹(ドニー・イェン)主演のアクション作品で、中国と香港の合作です。

 

潜入捜査官のロン(甄子丹)はチンピラになりすまして香港マフィアのボスであるホン(鄒兆龍)の組織に潜入して捜査を行っていますが、ロンの弟分らが地元のマフィアたち(盧惠光、吳志雄、田曉龍)と縄張り争いなどでトラブルを起こします。
雀荘に出向いたロンは弟分たちを救出しますが、地元のマフィアと一戦交える事態となります。
ロンがマフィアのパオ(盧惠光)を倒すといっせいにパオの仲間や構成員たちに襲われ、ロンは雀荘から逃げ出します。
ロンの上司であるチャン(鄭中基)は危険を冒してマフィアと争うロンを非難しますが、ロンはたとえチンピラでも窮地に陥った弟分を放っておくことはできないと釈明します。

 

ロンが潜入捜査官であることを知る人間はわずかですが、ロンの母親(鮑起靜)は息子がチンピラではないことを見抜いていました。

 

南海区ではロンの兄弟分のサニー(安志杰)とサニーの仲間のテリー(尹子維)が取引を行うためにホンの手下のクワン(麥長青)と接触しますが、サニーはクワンを殺害してブツを持ち逃げします。
ホンはロンを呼び出してサニーがブツを持ち逃げしたことについて言及します。
6年前に集団暴行されていたサニーを助けたロンは親交があるため、ホンはサニーの様子を探るようロンに指示します。

 

ロンは母親に危害が及ぶことを恐れて潜入捜査官を辞めようとしていますが、チャンはクワン殺しにサニーが絡んでいる可能性があると告げ、ロンに本土での捜査を命じます。

 

本土にやって来たロンは公安のジン(景甜)、レイ隊長(楊志剛)と合流します。
職務に対して実直なジンは行き当たりばったりで動くロンの捜査のやり方に賛同できず、意見が対立します。

 

ロンは火鍋屋でサニーと接触し、ホンのブツを横取りしたかどうか尋ねますがサニーは答えません。
ロンが席を立つと地元のマフィアであるチェン(喻亢)が狙撃されます。
狙撃の関与があると疑われたロンはチェンの組織の構成員たちに襲われます。
ロンは構成員たちを倒して店の外へ出ると、外で待機していたジンが駆けつけて構成員を締め上げ、到着した警察によってサニーたちは連行されます。
しかしロンは潜入捜査官であることが露見しないようにサニーを釈放します。
思い通りに捜査が進展せず、ロンとジンは口論になります。

 

サニーはロンが自分の命を狙っていると疑っていますが、仲裁に入ったホンはクワンの弟である刃(張涵予)がチェンを狙撃したと言い、ロンに刃を始末するように指示します。
しかし裏で刃と結託しているホンはロンがアジトへ向かっていることを伝えて煽ります。

 

ロンは刃が潜伏している場所をジンに伝え、ジン率いる捜査班は刃のアジトへ向かいます。
ジンは潜伏していた刃を追いつめますが、ロンが刃に捕まってしまいます。
ロンは構わず刃を撃つように指示すると、ジンは刃を射殺します。
射撃の腕に関しては一流のジンでしたが、人を殺したのは初めてだったので動揺します。

 

サニーはロンを仲間に誘い入れます。
サニーの商売は恐喝で、アジトにはゆすりに使う大量の資料データが保管されていました。
ホンに資料の一部を渡していたサニーはホンと手を組んで大金を稼ごうとしています。
しかし雀荘で襲撃されて重体だったロンの弟分がロンの正体を目撃していたため、ついにロンが警察官であることが露呈します。
ホンがロンの正体を知ると、ロンとサニーを同士討ちさせるためにサニーに告発します。
ロンの裏切りを知ったサニーは疑心暗鬼になり、自分の周りの部下たちを次々と殺害していきます。

 

香港にやって来たジンは捜査員を引き連れてホンと接触し、ホンを逮捕します。

 

ロンはサニーを裏切ることになってしまったため、香港に戻って来たロンは母親の身を案じ、急いで自宅へ向かいます。
サニーに捕まって暴行を受けた母親を発見したロンは母親を病院へ連れて行きます。
母親に危害を加えたサニーに対してロンの怒りが爆発します。

 

サニーに殺されることを恐れたテリーは金を持ち逃げしようとしますがサニーに見つかり、暴行を受けます。
そこへ車に乗ったロンが現れてサニーを追い回します。
ジンは車で逃走するサニーを追跡し、サニーが運転する車にしがみついて車内に押し入ってもみ合いになりますが、ジンは車から振り落とされます。
ロンとサニーはカーチェイスの末、サニーの車は道路を突っ切って大破します。
寸前でサニーは車から脱出していたため無事でした。

 

車から降りたロンはサニーと一騎打ちとなり、殴り合い、もみ合いの末にロンがサニーを打倒します。
警察が到着してサニーは逮捕されます。
半年後、ロンは潜入捜査官の任務から外れて通常業務に復職します。

 

喧嘩上等アクション炸裂!!ドニーキックも観られてアクションに関しては満足です。
今回のアクションは実践的な動きなので本当に痛そうで(実際痛いと思いますが…)痛みが映像から伝わってくる感じです。
本作は谷垣さんがスタントコーディネーターを務めており、多くの日本人スタントマンの方たちが参加されています。
景甜(ジン・ティエン)は本作で初めて本格的なアクションに挑戦されていて、スタントも使用されていますが実際に自らアクションを行い、体を張っています。
うまく迫力あるジン・ティエンのアクションシーンを演出するために谷垣さんは車内でのアクションを設計されたそうです。
色々考えられているんですね(・o・)

 

カースタントはおなじみの羅禮賢(ブルース・ロウ)で、CGやVFXが主流の時代でありながら実際に車を走らせて撮影しているので迫力があります!!
でも終盤でサニーが乗っていた車が爆発するシーンの炎はCGを使われていましたね。
爆発炎上の許可が下りなかったのかな?

 

ドニー様が活躍してアクションが楽しめれば多少シナリオが荒唐無稽でも構わないのですが、今回はストーリーの不合理さが目立ちます。

 

コリン様が出演されているのはとても嬉しいんですけど、ホンって物語の中核を担っている存在だと私は思うのですが、キャラクターとしての存在感が薄いのが残念。
あっさり警察に逮捕されちゃうし。
コリン様は今回特別出演なので仕方ないのかな。
声も声優さんによる吹き替えでした。
コリン様のアクション期待していたんですけどね。
時と場合によるとは思うのですが、物語の主要人物が特別出演っていうのはどうなんだろう(*_*)??

 

ホンはクワンの弟である刃にロンを殺すように仕向けていたけど、刃が恨んでいるのはサニーなので、ロンを殺しても刃の復讐にはならないと思うのですが(・・;)

 

サニーが恐喝に使う資料をホンに渡すというのもよく分からない。
サニーにとってホンは対立する立場なのに狡猾なホンに商材を渡すなんてリスクが高いと思うのですが(._.)

 

ロンの正体が発覚するのが少し唐突過ぎるかな。
もう少し予兆があればよかったかなって思います。
あとロンとサニーの兄弟分としての絆がもっと強く描かれていたらロンの正体が知られた時にサニーの怒りも一入でドラマティックになると思うんだけどな(*'ω'*)

 

安志杰(アンディ・オン)はいかつくて威圧感があって悪役っぷりが良いですね(*‘∀‘)
私はNEWポリで初めてアンディ・オンを拝見して、その時はまだあどけない印象だったので、こんなに洗練された雰囲気になっていて感慨深いです。

 

個人的には雀荘メンバーがタイ語、広東語、北京語とそれぞれ異なる言語を話すのがツボです(^o^)

 

ちなみに本作は趙文卓(チウ・マンチェク)が出演する予定だったらしいのですが、ひと悶着あったらしく、この一件からドニー様との不仲説が報じられていますが実際のところはどうなのでしょうかね。