ザ・ミッション 非情の掟
■原題
鎗火
■製作年
1999年
監督・製作は杜琪峰、通称「香港ノワール3部作」の第1作です。
3部作の作品は以下の通りです。
第1作「ザ・ミッション 非情の掟」
第2作「エグザイル / 絆」
第3作「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」
ちなみに「杜琪峰ダークトリロジー3部作」と
呼ばれているものは以下の通りです。
第1作「ロンゲストナイト」※監督は游達志
第2作「ヒーロー・ネバー・ダイ」
第3作「デッドポイント ~黒社会捜査線~」※監督は游達志
「ザ・ミッション 非情の掟(鎗火)」は「エグザイル / 絆(放・逐)」の
前身ともいえる作品で、メインキャストもほぼ踏襲。
今の所、私の杜琪峰マイベスト3は、
1位「ヒーロー・ネバー・ダイ」
2位「エグザイル / 絆」
3位「ザ・ミッション 非情の掟」かな。
この3作品は不動かもしれないけど、
まだ観ていない作品があるから順位が変わるかも。
デッドポイントや暗戦も好きですね。
1度聴いたら耳から離れないテーマ曲が特徴的ですね。
インタビューで杜琪峰は黒澤明を尊敬し影響を受けていると
仰っていましたが、題字の書体がそれっぽいのはその為か。
七人の侍をオマージュしたとも仰っていて、
言われてみればそうかも。男達を召集して闘う流れね。
今は堅気の仕事に就く5人の男達。
皆、裏社会で腕を鳴らした練れ者です。
フェイ(林雪)
5人の中で唯一職業不明です。
ダンスダンスレボリューションをプレイするフェイ。
DDR懐かしいわ~!10代の頃めっちゃ踊ってました。
ゲーセンでもやったし、家庭用も持ってました(笑)
ビートマニアとかパラッパラッパーとかもやってたな~。
グヮイ(黃秋生)
美容師をしています。
やっぱ放逐の時の方がシブいな(^ω^)
この頃もかっこいいですけどね☆
マイク(張耀揚)
クラブのボーイをしています。
周潤發の作品を観ていると結構出演されているんですよねロイ兄。
旧作を観てると新しい発見があって本当面白いです♪
ロイ(吳鎮宇)
バーを経営しています。
この方の演技力はもはや狂気を感じるほど素晴らしい。
殺気立った表情を見ると、本当にヤバい奴なんじゃないかと
思ってしまいますが、もちろんそんな事はなく、
普段のフランシスは明るくておおらかな方なのです(^^)
シン(呂頌賢)
ロイの弟分で、5人の中では若手です。
この方は出演されている作品をそんなに観ていないのですが、
「黑社會.com」に出てたな。(李Sirが出てるのよね♪)
ロイをマークしている刑事(艾威)が
暴行された男について問い詰めますがロイは知らないと答えます。
シンがその暴行された男を連れて来ますが、男は何も言いません。
これでロイがヤバい奴だって事が分かりますね(^^;)
一方、こちらは殺し屋が押し入り、緊迫したスーパーボウル飯店
フェイチョン(王天林)
ブンの叔父で、スーパーボウル飯店のオーナーです。
バリー監督のお父ちゃんも杜琪峰作品によく出演されていますね。
ブン(高雄)
マフィアのボスです。
PTUでは日本語版の役名が「ギョロメ」なんですよね(^^;)
私、この方は「チャンピオン鷹」の印象が強いな。
あ~そういえば最近元彪が出演してる作品観てないな~。
役名不明(劉宗基)
ブンの部下です。
殺し屋(佐膝佳次)
向こうだと「佐藤」じゃなくて「佐膝」って表記なんですよね。
ヒーロー・ネバー・ダイやデッドポイントにも出演されてましたね。
この殺し屋の役、雰囲気あってイイ感じだなぁ(・∀・)
殺し屋(易天雄)
殺し屋に命を狙われるブン。
ボスを庇い、殺し屋に向かっていった部下は散ります。
ヤウ(邱萬城)
ブンの部下です。
役名が分からなかったので「ヤウ」と呼ばせて頂きます。
ヤウはブンを残し、自分だけその場から立ち去ります。
果たしてこいつがタレこんだ裏切り者なのか??
真相は後ほど明らかに…
ブンは殺し屋がスーパーボウル飯店にやって来たと弟のナンに連絡します。
ナン達がやってくる前に殺し屋達はその場から逃走します。
ナン(任達華)
ブンの弟です。
あ~、ホントかっこいい(*´Д`)
昔出版されていた写真集(しかもヌード)が欲しいんですけど、
プレミア価格で手が出ない…(*_*)
そういえば今年ショッキングな出来事が…
中山市でイベントに出席した際、
不審な男に腹部を刺されてしまったのです。
幸いにも命に別状はなく無事に退院されたそうです。良かった(T_T)
ブンは冷蔵庫に隠れていた為、無事でした。
ナンはこの件は全て自分達に任せるように言い、
ブンの命を狙う殺し屋を捜します。
風邪気味だと言って神経質そうにハンカチで
鼻を拭う仕草がなんかイイ(^ω^)
ナンはヤウを捕まえ、誰の指示でやったのか吐けと脅しますが、
ヤウは自分は裏切っていないと必死に釈明します。
ナンはヤウをトラックに10分閉じ込め、
生きていたら解放してやれと部下達に命じます。
ブンの妻(施依蓮)
1番右の女性です。
命を狙われるブンは腕利きの5人をボディガードにしようと考え、
すぐにグヮイ達を召集するようにナンに言います。
続々と集まる男達。
放逐の時はガムを食べてた林雪、
この作品では落花生を食いまくってます(笑)
そしてシンだけの挨拶には一切応じないフェイ(^▽^;)
全員が揃った所でブンと対面します。ミッション開始です!
武器を調達するのはフェイの担当。
ホクロ毛が愛らしい♪
ロイは任せている自分の店でトラブルが起きている事を
電話で知らされうんざりな様子。
そして何故かシンは車に乗ってグルグル回っています(^^;)
武器の整備が完了し、各々銃を手に取ります。
マイクは銃のスプリングが弱いとフェイに銃を突っ返します。
でも銃というのは実際に撃たないと
いくら事前にいじっても「撃った感じの感覚」は分からないそうです。
この作品のDVDの特典でガンマニアの方が
銃の解説をされていて、そんな風に仰っていました。
銃の知識に乏しい私でも分かりやすい解説で面白かったですね(*‘∀‘)
しっかりボスを守ります!
実際に街では遭遇したくないなぁ、こんな集団(;'∀') 怖すぎ。
落花生を食べててもブンの妻が来たらキチっと立ち上がるフェイ。
無愛想で一見何を考えているのか分からない感じだけど、
仁義を重んじる男ですね('ω')ノ
みんな通常の業務から離れてボディガードをしてるから
それぞれ自分の店の状況を電話でやり取りしている様子が面白い(^O^)
ロイはただ突っ立ってるだけの仕事にちょっと不満な様子。
車でブン達の帰りを待つフェイとシン。
相変わらずシンの質問には一切答えないフェイ(笑)
ブン達が戻った瞬間、ブンが狙撃されます!
防弾チョッキを着ていた為、軽傷で済みましたが、
敵はライフルでブン達を狙い続けます。
グヮイがマイクに敵の位置を確認するように言い、
マイクはジャケットを脱いで上に投げつけますが、敵の反応はありません。
それでも一瞬の閃光を見逃さなかったマイクが
敵の居場所を見つけ発砲します。
しかし相手はビルの屋上にいる為、
今居る場所からだと拳銃の弾が届きません。
フェイ達は見事な連携プレイで徐々に敵との距離を縮め、
銃弾を撃ち込み、殺し屋を追い払います。
ロイは単身で殺し屋の後を追いますが、
その間にグヮイ達は車で逃走します。
ロイが戻って来ると、銃撃戦があった場所は静まり返っていました。
「置いてけぼりかよ!!」仕方なくロイはタクシーを拾って帰ります。
よくも置いていきやがったな!と言わんばかりにグヮイを暴行するロイ。
フェイ達が何とかロイをなだめます。
でもマジで怒ってないと思う。マジギレしてたら銃殺してると思う(^^;)
ロイの店にちょっかいを出しているシュウが来ていると、
グヮイの知人から連絡を受け、店に向かいます。
飲食店のオーナー(羅永昌)
右の男性です。
杜琪峰の会社で監督や製作スタッフとして活動しておりますが、
演者としても時々出演されていますね。
ロイの店に手を出すなと警告しますが従わなかった為、
グヮイはシュウの首をカミソリで切り殺害。ひぇー!
ブンの妻を送迎しているロイの前に刑事が現れ、
シュウが消えた事で仕事が減って楽になったと嫌味を言いにやって来ます。
嫌気がさしたロイは次からブンの妻の送迎をシンに任せる事にします。
しかしこの行為が後に大きな影響を及ぼす事になります。
敵の目星がつかず、事態は難航。
仲間達が仕掛けた花火入りタバコの餌食になるグヮイ(笑)
クスッとしますね、こういうシーンは♪
放逐では弾丸入りスープを飲んでたなぁ(笑)
ブンが仕事を休みがちになり、
ビジネスにも支障が出ると、商売仲間からも不安の声が…
敵についてはナンが調査中であると伝えます。
商売仲間(黃華和)
杜琪峰作品の常連ですね。
地味に存在感があるんですよね。
フェイチョンは店の売上が落ちているので出資分を引き上げたいと
ブンに相談すると、何とか都合をつけてくれます。
閉店後のデパートのエスカレーターを降りている最中、
突如刺客が襲って来ますが、素早く反応したグヮイ達はこれを阻止します。
そういえばこのデパートはあの懐かしのジャスコなんですけど、
ジャスコって「デパート」と呼ぶべきか、「スーパー」と呼ぶべきか、
はたまた「ショッピングモール」なのか、いまいち定義が定まらない(^^;)
ちなみにジャスコを広東語でいうと「吉之島(ガッジードウ)」になります。
物陰から殺し屋達は執拗にブンの命を狙います。
ドキドキ…緊張感のあるシーンです(゚Д゚)
カートを押す男がやって来て、
カートに映った殺し屋の存在を確認し、撃ちます。
一見普通の男性に見えるカートの男も刺客です。
どっから攻撃されるか分からないからメッチャ怖い!
何とかブンの命を死守し、ジャスコを後にする一行。
ロイに代わってシンがブンの妻の送迎を行います。
帰りが遅いとロイにどやされると、
シンは車が故障したので仕方がないと弁明。
ブンを待つ一行は床に転がっていた丸まった紙でサッカーを始めます。
花火タバコといい、ちょいちょいクスッとするシーンがいいね♪
そしてブンが来た時点でピタッ!とやめる所がまた面白い(^O^)
帰り途中、店内を清掃するヤウの姿が…、ヤウは生きていました。
ブンはナンに現金はあるかと尋ね、その金をヤウに渡します。
ナンも花火タバコの餌食になります(笑)
エレベーターを待っているとホイと名乗る男がグヮイに話しかけて来ます。
するとまたも刺客が現れ、ブンを狙って発砲しますが、
ヤウが庇って銃弾を受けます。
ホイの表情とグヮイの手を引いた様子からするとホイもグルかな。
ヤウは裏切り者ではないけど、撃つ前にブンを庇ったってことは
暗殺の全容を知ってたんだなぁ。
そしてついにグヮイ達は殺し屋のアジトを特定します。
ライフルを使う相手に対して、拳銃で応戦するマイク達。
マイクが使用しているダットサイトレースガンという銃は
ガンマニアの方いわく、これでライフルと互角に闘うのは
ミラクルだそうです。弾の大きさも銃身も全然違うもんね。
マイク達がドンパチしている間にロイとグヮイが建物内に侵入。
このカット、かっこ良過ぎ…
シンが撃たれフェイが介抱しますが、
防弾チョッキを着ていた為、無事でした。
フェイ、初めてまともにシンと口を聞いてくれたね☆
仲間想いなんです(^ω^)
グヮイ達はついに殺し屋を捕まえ、ナンに連絡。
暗殺を企てたのはブンの叔父である
フェイチョンだという事が分かり、ナンに伝えます。
てか暗殺の依頼人の事、案外すんなりバラしちゃうのね殺し屋(;'∀')
ナンはフェイチョンの所に行き、ブンの所に来るように言います。
ブンの暗殺を企てた動機は、兄弟…つまりブンの父とフェイチョンが
必死に築き上げた組織の実権をブンとナンに奪われたからです。
それにしたって甥っ子を暗殺しようとするなんて…( ゚Д゚)
ナンの部下(張志平)はフェイチョンを殺害します。
この前にナンはフェイチョンに対して血圧が高いとか
コレステロール値とか体の心配してたのに、
結局殺すんですね(;´∀`) これが黒社会の掟…
ナンから連絡を受け、殺し屋を始末しろと言われ命令に従うグヮイ。
ここでも殺す前にロイが殺し屋に
タバコを渡して和やかムードだったのにね。
それとも殺す前の最期の情けだったのかしら。
こういう描写も観る側を引きつける魅力がありますね。
任務は完了し、ナンから報酬を受け取るグヮイ。
しかしここで新たな問題が…
なんとシンはブンの妻と関係を持ってしまったのです。
シンー!!何してんのー!!
ナンは直接的に殺せとは言いませんが、目が殺せって言っています。
ナン、怖いなぁ(;・∀・)
放逐の時は粗暴な極悪人、
復仇の時はちょっと嫌味なタイプな悪人など、
華哥は同じ悪役でもタイプの違う悪役を
きっちり演じ分けられるのが凄いですね。
グヮイはフェイに仲間の報酬を渡し、
新たに銃を用意して欲しいと頼みます。
グヮイはフェイから電話を借り、話があるので迎えに行くと伝えます。
グヮイがシンと連絡を取った事を知ったフェイはロイに連絡。
ここで何かに勘付くフェイは鋭いね。
そしてロイ達はグヮイからシンの事を知らされます。
実はロイも送迎の際、ブンの妻に関係を迫られたと告白。
シンはまだ若く、経験も浅いとロイは必死に庇いますが、
グヮイは仕事としてシンを始末すると言います。
シンを叱責するロイ。弟分であるシンを守る為、
ロイは台湾行きの船に乗せるようにマイクに頼みます。
乗船直前、シンに銃を向けるマイク。
ここでお前を逃がせば、自分や仲間の命が狙われると言います。
しかし結局シンを撃つ事は出来ず…
フェイはグヮイに黒い銃を渡していたと言いますが、
グヮイがテーブルの上に出した銃はステンレス製。
店の外には見張りがいる為、シンを逃がす事は出来ません。
フェイはブンと話をつけると言って席を立ちます。
タクシーの中で必死に言い訳を考えるフェイ。
ブンの自宅へやって来るとブンの妻が現れますが、
ナンの部下はブンの妻を殺害します。
食事を続ける一同。
そしてグヮイは時間だと言いシンに銃を向けます。
フェイが戻り、ブンの妻が殺されたと伝えると、グヮイはシンを撃ちます。
直後にロイも銃を連射。グヮイを撃つことはなく、食器が散ります。
静まり返る店内。
ナンの部下はその様子を見届け、去ります。
一同も店内を後にし、グヮイは去り際、フェイに弾を渡します。
実はグヮイが撃ったのは空砲で、シンは生きていたのです。
店主はシンを裏口から逃がし、その後4人は何事も
無かったかのように振る舞うのでした。
劇終。
最っ高…痺れるね…(*´Д`*) なんてかっこいいんだろう…脱帽です。
上映時間が90分も満たない作品ですが、内容が濃くて見応えがあります。
冒頭でマイベスト3をランキングしてみましたが、
放逐と鎗火は両作品とも素晴らしくて甲乙つけがたいですね。
感想ブログを書いておいて身も蓋もないのですが、
実際に観て感じて頂きたいです。
言葉では表せない魅力有り余る作品です。