ブラッド・ブラザース 刺馬

ブラッド・ブラザース 刺馬

原題 刺馬

製作 1973年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

張徹(チャン・チェ)監督のカンフーアクション作品です。
吳宇森(ジョン・ウー)が本作の助監督を務めていて後に梁朝偉トニー・レオン)主演の「ワイルド・ブリット」を撮るのですが、本作に強く影響されているのが分かります。
チャン・チェ監督で、狄龍様が出演されていて、テーマが男の友情と裏切りなら観るしかないだろー!という思いで観ました。

 

清朝末期、マー提督(狄龍)が義弟のチャン(姜大衛)に殺害されるという事件が起こります。
捕まったチャンは裁判官(井淼)の前でマー殺害に至る経緯を書き記します。

 

9年前、チャンは実兄のホアン(陳觀泰)と賊を生業としていました。
チャンたちは山で人が通りかかるのを待ち伏せしていると、馬に乗ったマーが現れます。
金品を強奪するためにチャンたちはマーに襲いかかりますが、賊であっても卑劣なことはしない信念を持っている二人は同時にマーを攻撃することはしません。
しかしチャンたちの予想に反してマーは強く、賊のチャンたちを憐れんだマーは自ら金品を差し出します。
そこへ颯爽とホアンの妻であるミラン(井莉)が現れて、マーの金品を奪って去って行きます。
マーの隙をついてチャンとホアンも逃げ出します。

 

大金を手に入れて喜ぶミランたちの前に再びマーが現れ、はした金で喜ぶミランたちを蔑みます。
マーはいずれ金も地位も手に入れようとしており、成り上がるためにホアン兄弟と義兄弟の契りを結びます。

 

さっそくマーたちは山賊のアジトを襲撃します。
賊の親分であるイェン(樊梅生)を倒すと手下たちは降伏し、マーたちは山賊のアジトを占領します。
マーは賊の手下たちに武術を教え、兵力を増強していきます。
ミランは徐々に野心家のマーに心惹かれていきます。

 

チャンとホアンは町へ出かけ、ホアンはミランのために髪飾りを買います。
賊のチャンたちは政府から目をつけられており、帰り際に大勢の官僚に取り囲まれて襲われ、ホアンが罠にかかって捕まります。
マーが駆けつけてチャンとホアンを救出しますが、逃走の際にマーは左肩を負傷します。

 

マーは科挙に挑むために試験勉強を始めます。
一緒に過ごす時間が長くなり、互いに惹かれ合うマーとミランは相思相愛の仲になります。

 

マーは官職の試験に合格し、念願の官僚になります。
しばらくするとチャンとホアンに縄張りを任せて出て行ったマーは手紙を出します。
チャンはマーからの手紙を読むと、軍に入って一緒に働いてほしいと綴られており、チャンたちは官僚に案内されてマーの陣営へ向かいます。
官僚になったマーはさらなる昇進を目指していますが、義兄弟であるチャンたちを無下にするつもりはありません。

 

戦の途中であるマー軍は長髪賊の要塞へ向かい、頭領のティエンヤン(李修賢)を倒して長髪賊を制圧します。
これによりマーは二省を任される提督まで昇進します。

 

ある晩、ミランがマーの部屋を訪れると二人はついに一線を越えます。

 

マーから手紙を受け取った時からミランの様子がおかしいことに気づいたチャンはミランに不信感を抱くようになります。
チャンがマーの部屋を訪れると床にミランの髪飾りが落ちており、不信感が拭えないチャンは部屋の外で待ち伏せしているとマーの寝室から出てくるミランの姿を目撃します。

 

ミランと関係を持ったマーは恐ろしい決断をします。
マーはホアンを呼び出し、賊の討伐を命じます。
始めは気が進まないホアンでしたが、昇進をちらつかせられると快く命令に従います。
しかし賊の討伐というのはマーの罠で、人妻と関係を持ったことで醜聞を恐れたマーは義弟のホアンを消そうとしているのです。

 

遠征中のチャンは部下(沈勞)からホアンの討伐の話を聞くと、胸騒ぎがしたチャンは急いでホアンの元へ向かいます。
チャンはミランの不貞行為をホアンに伝え、すぐに引き返すように促しますがホアンは全く聞き入れません。
チャンは戻ってマーにホアンを呼び戻すように訴えますが、マーはすでに手遅れだと言います。

 

討伐に向かう途中でマーの部下で親戚でもあるチェンシン(田青)を筆頭に、官僚たちがいっせいにホアンに襲いかかります。
ホアンは抵抗して戦いますが殺されてしまいます。

 

実兄を殺されたチャンはマーに復讐することを誓います。
チャンは観兵式の前日に現場で待ち伏せし、式が始まってマーが姿を現すとチャンはマーを短刀で刺します。
不意討ちで攻撃されたマーはよろめきますが、部下から刀を奪い取ってチャンと戦います。
死闘の末、チャンはマーに刺した短刀を抉り出してマーを殺害します。

 

チャンはマー殺害の全容を明らかにしましたが、裁判官はチャンの話を信用せず拷問にかけます。
その後、死刑の命が下されたチャンは提督府の門前で処刑されてしまうのでした。

 

個人的にはチャン・チェ作品の中で1、2位を争うぐらい大好きな作品です♪
チャン・チェ監督の作品は多いのでまだ巡り会えていない名作があるかもしれないですけど(^^;)
北京語が分かればもっと世界が広がって楽しめると思うんですけどね。
北京語が分からないので日本語字幕だけが頼りです(;^_^A
香港版だと広東語音声が収録されていたりするのかな?

 

馬新貽(マー・シンイ)は実在した清末の官僚で、実際に張汶祥(チャン・ウェンシャン)に暗殺されたそうです。
しかしなぜ暗殺されたのか真意は分からず清末のミステリーとなっているらしいです。
チャン・ウェンシャンに関する資料が残っていたことを孫文が明らかにしていたと作品内では述べられていましたが、私は本作を観るまでマー・シンイは知らなかったです(^^;)

 

もうとにかく狄龍様が美し過ぎる(*´Д`*)
狄龍様が汗を拭いたハンカチ欲しい(変態)
川辺でチン・リーと抱き合うシーンは艶っぽくてドキドキします。羨ましい(T_T)
上半身裸の美しい狄龍様は刺青を入れておられるのでメイクで隠してありますが、よく見るとうっすら分かります。
終盤の衣装も素敵だったなぁ(*´ω`*)
ブルーを基調としている柄で、胸がはだけてるの♪
狄龍様は第11回金馬奨で「優秀演員特別獎」を受賞されていますが、納得です。
本作の狄龍様は本当に好演で、マー役がデビチャだとちょっと違うんですよね。
背の高さと顔の美しさはもちろん、気高くて堂々としていて、少し近寄りがたい雰囲気。
狄龍様の他に演じられる役者さんが思いつかないな。
別格ですね。

 

長髪賊の親分役で李Sirが出演されていました!!
でも出番メッチャ少ない( ;∀;)
ゲスト出演なので仕方ないか…。
もっと観たいよー!!

 

やたら人が地面でゴロゴロ転がるシーンが目についたんですけど、あれって見た目以上にかなりしんどいらしいです(^^;)

 

チャンがマーを殺害した時に短刀がぐにゃりと曲がっていたの怖いわ~(;'∀')
あとチャンの処刑方法が残酷(゚Д゚;)
抉り出すとかやめてー!!

 

一人の女性が原因で義兄弟が殺し合うことになるなんて…(T_T)
でも権力争いにスキャンダルって付き物ですよね。
足の引っ張り合い(;^_^A
自分の夫が愛した男に殺されるって複雑な心境だわ。