イップ・マン 誕生

イップ・マン 誕生

原題 葉問前傳

製作 2010年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

イップ・マン 序章(葉問)」では樊少皇(ルイス・ファン)演じるカム・サンチャウの仲間であるウー・ワイ役を演じ、「イップ・マン 葉問(葉問2)」では洪拳の使い手チェン・ワイケイ役を演じていた杜宇航(デニス・トー)が本作では主演を務め、若き葉問(イップ・マン)を演じております。
監督は邱禮濤(ハーマン・ヤウ)です。

 

イップ(陳之輝)は息子のティンチー(沈艾劼)とマン(文俊輝)を連れて、チャン(洪金寶)の詠春武館へやって来ます。
イップは2人の息子たちに武術を習わせたいとチャンに相談すると、チャンはティンチーとマンの入門を認めてくれます。
しかしチャンは体調が芳しくないため、弟子のツォンソウ(元彪)に武館を継がせようと考えています。

 

1906年
チャンが亡くなり、ツォンソウは詠春武館を引き継ぎます。

 

1915年
元宵節の祭りが行われ、マン(杜宇航)は露店で売られている蓄音機を物珍しそうに眺めていると、ウィンシン(黃奕)という女性に出会います。

 

中国コマの公演を行っていた女性はコマを落としてしまい、公演を見ていた男たちはコマが頭に当たったと因縁をつけて来ます。
ウィンシンが男たちを制止すると、男はウィンシンに手を出そうとしたため、マンと同門のイウツォイ(朱學良)、ケイサン(張馳)が助けに入ります。
マンたちの強さを目の当たりにした男たちは降参します。

 

勇敢で毅然としたマンに心を奪われたウィンシンはマンが詠春武館の門下生だと知ると手紙を書きます。
ウィンシンは妹のウィンワー(馬賽)に手紙を預け、ウィンワーは詠春武館を訪ねると、マンの妹弟子のメイワイ(陳嘉桓)に手紙を預けますが、マンに好意を寄せているメイワイは手紙をマンに渡すことはありませんでした。

 

マンは香港のステファン書院へ留学することになります。
マンからの返事を待つウィンシンは詠春武館を訪れますが、ツォンソウからマンが留学したことを告げられます。

 

留学先のステファン書院で西洋人学生(Andy Taylor)に侮辱されたマンは西洋人学生と対決することになります。
マンは西洋人学生を圧倒し、これがきっかけでマンの名前が香港で広まります。

 

マンは対戦で怪我をした西洋人学生に薬を買うために薬局を訪れます。
薬局の店主のリョン(葉準)はマンが詠春拳の門下生だと知ると手合わせを持ちかけます。
リョンも詠春拳の使い手ですが、チャン派の詠春拳は手技が多いのに対しリョンの詠春拳は足技や関節技を使います。
マンはリョンの柔軟な動きに太刀打ちできませんでしたが、リョンはマンに改良した詠春拳を教えてくれます。

 

1917年
日本商人の北野(澤田謙也)は警察隊長(李國麟)と癒着しており、海関における貨物の申告を免れます。

 

佛山精武体育会のリー会長(梁旭輝)は日本人から寄付を受けることに難色を示しています。
佛山精武体育会の副会長をしているマンの義兄のティンチー(樊少皇)は寄付を受ける必要はないと言及します。

 

1919年
マンは留学を終えて佛山へ帰って来ます。
リョンの元で修行をしたマンと久々に手合わせをするティンチーですが、詠春拳とは違う技に戸惑います。
チャン派の詠春拳を継承するツォンソウはリョンの詠春拳を決して認めようとしません。
マンは流派は違っても良いところは取り入れるべきだと提唱しますがツォンソウは受け入れません。

 

精武体育会に北野と北野の娘である由美(廖碧兒)が部下を引き連れてやって来ます。
由美は対決を申し出ると、ティンチーが戦いに名乗り出ます。
ティンチーは由美と日本人の部下たちを打ち負かすと、北野たちは引き上げて行きます。

 

マンは武館を開いて世界中に詠春拳を広めたいと考えており、ティンチーと夢を語り合います。

 

ウィンシンは市長の息子であるチョウ(張敬軒)から映画鑑賞に誘われ、マンから手紙の返事が一向に来ないのでウィンシンはチョウの誘いを受けます。
すると映画館でウィンシンは偶然マンと再会し、映画が終わると2人の距離が徐々に縮まって行きます。
しかしウィンシンの父親のホウティン(林雪)は武人であるマンとの交際を認めてくれません。

 

マンはホウティンと話をするため、ホウティンの邸宅を訪ねます。
副市長であるホウティンは外国人訪問客と会話をしていますが、通訳(李力持)の誤訳によって会話が噛み合わなくなると英語が堪能なマンは正しい翻訳を紙に書いてホウティンに手渡します。
真面目で英語が堪能なマンを気に入ったホウティンはマンとの話し合いに応じてくれます。

 

メイワイはマンに好意を抱いていましたが、秘めていた想いを伝えることができず、恋を諦めます。
その後、メイワイは自分に好意を持っていたティンチーと結婚することになります。

 

結婚式の日。
由美が式場を訪れ、結婚のお祝い品をティンチーに手渡します。
式は盛大に行われ、一同は2人の結婚を祝福します。

 

結婚式が終わるとマンは酔い潰れたリー会長を精武体育会へ送りますが、マンが帰った後にリー会長が何者かに殺害されるという事件が起こります。
マンはリー会長の首元を見て喉絞めの技で殺されたことを確信し、マンが留学から戻ってティンチーと手合わせした際に使った技なのでティンチーの仕業だと疑ったマンはティンチーを問いつめます。
ティンチーは犯行を否定し、警察隊長からリー会長殺害の容疑があると告げられたマンは逮捕され、佛山警察署に勾留されます。
マンの釈放を求めるウィンシンは嘘のアリバイ証言をしてマンを釈放させます。

 

メイワイは由美からティンチーに贈られたお祝いの箱を開け、入っていた手紙を読むとティンチーがリー会長を殺害した旨を知り、自殺を図ります。
ティンチーが現れ、首を吊ろうとしているメイワイを制止します。

 

ティンチーの正体は日本人の少佐で、北野に命令されてリー会長の殺害に及んだのです。
北野は手紙を持ち出したツォンソウも消そうと企んでおり、ティンチーにツォンソウの殺害も命じます。
ティンチーはもう人殺しはしたくないと命令を拒否しますが、メイワイを人質に取られてしまったため、仕方なく命令に従います。

 

ティンチーは詠春武館へ押し入るとイウツォイとケイサンを襲いますが、ティンチーは2人を殺さずに去ります。
由美が刺客を引き連れてツォンソウを襲い、ティンチーが合流します。
ツォンソウは由美たちに追いつめられるとマンが現れ、棒を使った六點半棍の技を使って由美たちと戦います。
棒を折られても短くなった棒を八斬刀の技で応用して活用し、マンは由美を倒します。

 

ティンチーが立ちはだかり、兄弟で争うことになります。
関節技でマンを攻めるティンチーですがマンはうまくかわし、手技を中心としながらも足技も取り入れてティンチーを倒します。

 

敗れたティンチーは自分が日本人の少佐だということをマンとツォンソウに打ち明け、メイワイが北野に捕まっていることを聞いたマンはメイワイを助けに埠頭へ向かいます。

 

突如現れた北野から小麦をかけられて目が眩むマンですが、心眼で相手を捉えよというチャンの言葉を思い出し、北野の動きを掴んで倒します。
マンはメイワイを無事に救出しますが、ティンチーは自害してしまいます。

 

海関隊長(張繼聰)の指示により北野の貨物が開封されると、中にはティンチーのように密偵にされかけていた幼い日本人の子供たちが入っていました。
幼かったティンチーは北野の計画に利用され、イップの養子になったのです。

 

1929年
ツォンソウはリョン派の詠春拳も受け入れ、幼い門下生たちにマンの武勇伝を語ります。
ウィンシンと結婚したマンは長男のチュンを授かるのでした。

 

アクションは素晴らしいですし、ストーリーもしっかりと作られていてとても楽しめます(*^^*)
マンとウィンシンの恋愛描写もイイ感じなんですよね♪♪
葉問のお兄さんが日本人スパイという設定はかなり衝撃的でしたが、現地ではどう受け止められたのでしょうかね(・_・;)
エンタメ作品としては盛り上がる内容ではありますが(^^;)
ウィンシンに妹がいるのも創作なのかな?
聞いたことないもんなぁ。

 

調べた限り、デニス・トーは本作が映画初主演です。
本物の武術家で、本作やドニー様版の葉問で詠春拳の顧問を行っています。
まだ演技経験が浅いと仰っていましたが、逆に今回は初々しい感じが若き葉問のキャラクターにマッチしていてイイ感じです(*‘∀‘)

 

梁贊(リョン・チャン)のご子息である梁璧(リョン・ペック)を演じているのは、何と葉問のご子息、葉準(イップ・チュン)です!
本物です!!凄い!!
ちなみにリー・マンホウ会長役を演じた梁旭輝(リョン・ヨクファイ)は葉問の本当のお弟子さんです。

 

サモハン演じる陳華順(チャン・ワーソン)は梁贊の弟子で、「ユン・ピョウ inドラ息子カンフー(敗家仔)」の元彪や「燃えよデブゴン10 友情拳(贊先生與找錢華)」で梁家仁が梁贊を演じているのが日本でも知られているかと思います。
元彪演じる吳仲素(ン・チョンソウ)は陳華順の弟子で、吳仲素から葉問へ、葉問からブルース・リー詠春拳が受け継がれて行きます。
あらすじでは日本語字幕に準じて「ツォンソウ」と表記しました。

 

ツォンソウは頑固な性格で、他派の詠春拳を使うマンを破門にすると憤慨していましたが、弟子思いなのでチャンの墓前で必死にマンを擁護していたのがキュンと来る♪
やっぱ元彪いいわぁ(*´▽`*)
アクションも観れて余は満足じゃ(*´з`)

 

澤田謙也さんは「拳也」とクレジットされていましたが、日本語名の「澤田謙也」と記載いたしました。

 

幼いメイワイ役を演じている女の子は「ミラクル7号(長江7號)」で息子役を演じていた徐嬌(シュー・チャオ)でした(・∀・) カワイイ♪♪

 

劇中に登場する揚げパンが美味しそうだったなぁ(´ρ`)

 

気になる点を挙げると、何で北野の娘は日本人が演じていないのでしょうかね(^^;)
日本人役なのに日本語が片言なので、かなり違和感があります。
日本人が演じた方が自然だと思うのですが、大人の事情なんですかね?

 

ティンチーが由美から貰った手紙をいつまでも保管しているというのが不可解。
バレたら一大事なんだからすぐに処分するべきだと思うのですが(゚Д゚;)

 

ティンチーが自害した時にツォンソウがいつの間にかいなくなっていたけど、ティンチーを置いて何処行っちゃったんだろう?

 

本作のマンは西洋系の学校で学んでいるため英語が堪能でしたが、ドニー様版の葉問では英語が話せない描写がありました。
実際の葉問の語学力はどうだったのでしょうかね?