香港国際警察 NEW POLICE STORY

香港国際警察 NEW POLICE STORY

原題 新警察故事

製作 2004年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

陳木勝(ベニー・チャン)監督、成龍ジャッキー・チェン)主演のポリスアクション作品です。
本作は「ポリス・ストーリー」の正式な続編ではありません。
邦題が紛らわしいのですが、以下の3作品もポリス・ストーリーシリーズの作品ではありません。

1993年「新ポリス・ストーリー(重案組)」
2013年「ポリス・ストーリー レジェンド(警察故事2013)」
2017年「ポリス・ストーリー REBORN(機器之血)」

 

正式なシリーズは以下の通りです。

第1作「ポリス・ストーリー 香港国際警察(警察故事)」
第2作「ポリス・ストーリー2 九龍の眼(警察故事續集)」
第3作「ポリス・ストーリー3(警察故事III 超級警察)」
第4作「ファイナル・プロジェクト(警察故事4之簡單任務)」

 

 

チャン(成龍)は正義感が強く、多くの事件を解決した優秀なベテラン警察官ですが、ある事件をきっかけにチャンの生活は一変します。

 

一年前。
若者で構成された5人組犯罪グループのジョー(吳彥祖)、スー(蔣怡)、ファイアー(尹子維)、ティンティン(安志杰)、マックス(葉山豪)は武装して銀行を襲います。
しかし彼らの目的はお金ではありません。
ジョーは銀行支店長(劉以達)に警察を呼ぶように脅します。

 

通報を受けた警察が現場に到着すると路上でジョーたちと銃撃戦になります。
5人は次々と警察隊員を撃ち、挑発しながら去ります。

 

サム捜査員(王傑)は部下のキン(林仲岐)と5人を追います。
途中でスーが現金の入ったバッグを落とすと、サムとキンはスーに近づいて銃を向けます。
しかしキンがジョーに銃で撃たれ、スーは動揺したサムを撃ちます。
スーに撃たれたサムは防弾チョッキを装備していたため一命を取り留め、入院することになります。

 

報道でチャンが3時間以内に銀行強盗の犯人たちを捕まえることを宣言すると、5人はチャンの挑戦を受けます。
チャンは部下のホン(吳浩康)、コウ(盧惠光)、ワー(何華超)、ティンミン(洪天明)、カール(吳嘉龍)、ホイ(連凱)、マン(彭敬慈)、フィリップ(伍允龍)、チウ(洪天照)を連れて5人が潜伏するアジトへ向かいます。

 

余裕を見せる隊員たちですが、アジトには様々な罠が仕掛けられており、隊員たちは次々と罠にかかって捕まってしまいます。
チャン以外の隊員たちが捕まり、9人の部下たちは天井からロープで吊るされます。
ロープを切られたチウが地面に落とされると5人の非情な仕打ちに憤るチャンですが、5人はゲームを楽しむようにチャンを挑発します。
ジョーは銃の組み立ての勝負をチャンに持ちかけますが、わずかにジョーが早く組み立てに成功したため2人の隊員たちが地面に落とされます。

 

次は5人の中で一番腕の立つティンティンがチャンに勝負を挑みます。
ティンティンの激しい攻撃にチャンが突き飛ばされると、さらに2人の隊員たちが地面に落とされます。
次々と隊員たちが殺され、最後に残ったのはホンだけとなります。
ジョーはホンが吊るされているロープに火をつけると、チャンはロープにぶら下がってホンを助けようとします。
5人は時限爆弾を作動させてアジトから立ち去ると、チャンは殺された隊員たちを台車に乗せて爆発するアジトから脱出します。
チャンは助かりましたが、チャンの部下たちは全員死亡が確認されます。

 

この事件がきっかけでチャンから生気が失われ、酒浸りの日々が始まります。

 

酔い潰れて路上で倒れているチャンを見つけたシウホン(謝霆鋒)はチャンを自宅へ運びます。
チャンが目を覚ますとシウホンは新米の警察官であることをチャンに告げ、チャンの婚約者であるホーイー(楊采妮)から預かっていた婚約指輪をチャンに渡します。
再び5人組による強盗事件が起こり、シウホンはタイ警視(廖啟智)から捜査の指示が出ていることをチャンに伝えますが、無気力状態のチャンは指示には従わずに再び酒を飲みに出かけます。

 

シウホンがホーイーの自宅にいることを知ったチャンは彼女の自宅にやって来ます。
この日はホーイーの誕生日で、チャンはホーイーと一緒に食事をします。
亡くなった部下のホンはホーイーの弟で、チャンはホンを助けられなかった自責の念からホーイーとの結婚に踏み切れずにいました。
シウホンは亡くなった部下たちのために犯人を捕まえるべきだとチャンに訴えます。

 

路上でひったくりの少年たち(關智斌、張致恆)に遭遇したチャンは無意識に逃走しようとする少年たちを捕まえます。

 

チャンは久々に警察署を訪れると、捜査員のクワン(于榮光)は部下たちが殉職した事件の過失はチャンにあったと責め立てます。
タイ警視の命令でチャンの相棒として働くことになったシウホンですが、なかなかチャンの意力は戻りません。
シウホンは自身が殉職したコウの弟であることをチャンに告げると、ようやくシウホンの思いがチャンの心に届き、このまま犯人たちをのさばらせておくわけにはいかないと思ったチャンは捜査を開始します。

 

チャンとシウホンはサイバー課のササ(蔡卓妍)に協力してもらい、防犯カメラの映像を確認します。
路地裏の映像を観るとスーの持っていた鞄が途中で無くなっており、不審に思ったチャンは事件当日に路地裏にいたサムが真相を知っていると思い、サムが働くバーへ向かいます。

 

サムは警察官を退職してバーで働いており、事件当日のことは覚えていないと言います。
チャンは根気よくサムを問いただすと、サムはスーから奪った腕時計をチャンに渡します。

 

ササに腕時計を鑑定してもらうと、エックスゲームズというエクストリームスポーツ競技に関係していることが明らかになります。
ササはエックスゲームズが行われるビルを特定し、チャンとシウホンは競技が行われているビルの屋上へ向かいます。
クワンがサムと部下たちを引き連れて屋上に姿を現すと、ジョーは電話ですぐに逃げるようファイアーに指示します。
ファイアーは逃げる前にサムを銃で撃ち、現場にいたスーもサムを撃つと会場は騒ぎになります。

 

チャンが瀕死のサムに駆け寄ると、サムは事件の当日にスーが落とした現金入りの鞄を自身の借金返済に充てるために横領したことを自白します。
5人組に横領のことを知られてゆすられたサムは警察の内務情報を密告することになり、自分の行動によってチャンの部下たちが命を落とすことになったと慚愧に堪えない思いを残し、息を引き取ります。

 

シウホンに撃たれて負傷したスーは地上に降りてジョーが運転する車に乗って逃げます。
チャンとシウホンはBMXバイクに乗って逃走するファイアーを追いますが、ファイアーはバスに向けて発砲したためバスの運転手(李偉良)が意識を失います。
チャンは制御不能になったバスに飛び乗り、埠頭の手前でブレーキを踏み、シウホンが運転するトラックに衝突してバスは停止します。
トラックから湾に投げ出されたシウホンは無事でした。

 

チャンが警察署に戻るとタイ警視が捜査の命令を出していないことが分かり、チャンはシウホンを問いつめるとシウホンは警察官ではないことを自白します。

 

ジョーは瀕死だったスーをやむを得ず殺害します。

 

ジョーたちはチャンの部下たちを殺害する様子をオンラインゲーム化しており、ササに協力してもらってオンラインゲームに参加した際に出るヒントを頼りにジョーたちの出方を窺います。
ササの調べで5人組がみな裕福な家庭の子供であることを突き止めます。
有り余る富とは裏腹に親から愛情を注がれてこなかった子供たちだったのです。

 

ジョーはチャンを装ってホーイーを警察署に呼び出して爆弾の入った箱を手渡します。
クワンは部下に爆弾処理班を呼ぶように命じ、戻って来たチャンはホーイーと保管室へ移動します。

 

ホーイーは今でもチャンを愛しており、チャンもホーイーのことを大切な人だと思っています。
爆弾処理班から指示を受けたチャンは爆弾を解除する道具を取りにいくため、いったん保管室から出て行きます。
その間にホーイーは落ちていた鋏を拾って爆弾の線を切ります。
シウホンからホーイーの行動を知らされたチャンは急いで保管室へ戻りますが、爆発は起こりませんでした。
しかしホーイーの体に引っ掛かっていた線が切れると時限爆弾が再び作動し、チャンはホーイーを連れて爆発する保管室から脱出します。
脱出した際にホーイーは負傷しますが、幸い命に別状はありませんでした。

 

チャンは警察署を危険にさらした罪、シウホンは警察官偽証罪で逮捕されます。
ジョーは仲間と弁護士を連れてチャンが収監されている留置所に現れると、再び銀行を襲うとチャンに予告をします。
看守(黃玉郎)は監獄の鍵を落として留置所から立ち去り、チャンは鍵を拾ってシウホンと脱獄します。
警察隊員たちは事件解決のため、チャンたちの脱獄を黙認してくれます。

 

チャンとシウホンはジョーたちが次に襲撃する場所を特定します。
場所は多くの人が集まる展示施設で、情報を聞きつけたマックスたちの両親が駆けつけます。
両親が現れたため尻込みしたマックスは降伏しようとしますが、ジョーはマックスを射殺します。
チャンは会場にいた客たちを避難させ、ジョーたちを追います。

 

シウホンはファイアーともみ合いになり、シウホンはファイアーの銃を使って彼の脚を撃ちます。

 

チャンはティンティンに素手での対決を提案します。
激しい攻防が続きますが、徐々にチャンがティンティンを押し始めます。
ジョーが現れてチャンに向かって発砲しますが、ジョーは誤ってティンティンを撃ってしまいます。
警察部隊が駆けつけるとジョーは逃走し、ティンティンは落ちていた銃を拾ってチャンに銃口を向けますが、チャンは銃撃されたティンティンの身を案じて隊員に救急車を呼ぶように伝えます。
チャンの行動を目の当たりにしたティンティンはチャンを撃つことはできませんでした。

 

展示施設の屋根に逃げたジョーはシウホンをロープで縛り、屋根から突き落とそうとします。
チャンが駆けつけるとジョーに投降を促しますが、ジョーは聞き入れず、シウホンの命をかけて再び銃の組み立ての勝負を持ちかけます。
今回はチャンが勝負を制し、ジョーは駆けつけた警察部隊に取り囲まれます。

 

警察官僚であるジョーの父親(孫淳)が現れ、事件を起こしたジョーを非難します。
ジョーの両親は仲が悪く、自身の地位や名誉のことしか頭にない父親は家庭を顧みず、ジョーの母親(呂有慧)は息子に金を与えることが愛情だと思っています。
ジョーを凶行に走らせたのは彼の家庭環境が大きく影響していました。

 

絶望したジョーはチャンに銃を向けると、狙撃隊はジョーに向けて発砲します。
さらにジョーは父親に銃を向けたため、狙撃隊は容赦なくジョーに銃弾を撃ち込みます。
ジョーが倒れたため押さえていたロープが動き、ロープで繋がれていたシウホンが屋根から落ちていきます。
チャンは急いでロープを掴みますが、シウホンの重みで引っ張られてチャンとシウホンは屋根から地上に落下します。
幸い捜査員たちが用意していた救助マットに落ちたため、チャンとシウホンは無事でした。

 

ホーイーは退院し、チャンはホーイーにプロポーズをします。

 

警察官でもないシウホンがなぜチャンに協力的だったのか。

 

シウホンは貧しい幼少時代を過ごし、お金が無かったシウホンの父親(伍佰)はお腹を空かせたシウホンのためにコンビニで食べ物を盗みますが、店員から逃げる際にトラックに轢かれてしまいます。
他の警察官がシウホンの父親をこき下ろす中、チャンは救急車を手配させ、着ていたコートを父親にかけてシウホンに寄り添います。
大人になったシウホンはチャンに対しての憧れと感謝の気持ちからチャンのコートを身に着けていたのでした。

 

傑作です!!
個人的には初代ポリスストーリーに匹敵するぐらい大好きな作品です!!
いや、むしろストーリーとドラマ部分は初代より遥かに上です。
本作を観る前は、名作であるポリス・ストーリーの面白さには及ばないだろうなぁと思っていたら良い意味で期待を裏切られ、とても楽しめました(*^^*)

 

ジョーは極悪人だけど、あんな両親だったらグレたくなる気持ちも分かります。
だからといって殺人は絶対に許されるべきではありません。
ジョー演じるダニエル・ウーの演技が素晴らしくて終盤に涙を見せる表情は心が締めつけられます。
ジャッキーの涙を流す表情もグッとくるんだよね(:_;)
シウホンはチャンに出会ったことで道を踏み外さなかったけど、ジョーもチャンに出会っていれば凶行に及ぶことはなかったかもしれない。

 

同僚や上司たちがチャンとシウホンの脱獄を黙認するシーンはちょっとコメディタッチで面白くて好き♪
リウ・カイチーの表情が最高(´艸`*)

 

脚本がとても良くて楽しめる作品ですが、もちろんアクションも楽しめます(*‘∀‘)

 

警察隊員たちがロープで吊るされるシーンはかなりしんどいと思う(゚Д゚;)
最後に落ちる人はずっと吊るされたままだもんね。

 

クレジットにはありませんでしたが、賈仕峰、陳達廣、張華がサムのバーの用心棒役で出演されていました(・∀・)

 

チャンたちが高層ビルから壁を背にして落下するシーンは合成ではなく、ワイヤーを使用して本当に行っています。
CGを使わないで本当にやるところが香港アクションですね(^^;)
ワイヤー付けてても怖すぎるよ((((;゚Д゚))))
でも生身でやるほうがやっぱ迫力がある。
ニコラス・ツェーはアクション俳優じゃないのに自ら危険なスタントに挑戦されていました。

 

暴走するバスが電話ボックスや看板をなぎ倒していくシーンの迫力といったら(((゚Д゚;)))
これって初代ポリスストーリーのオマージュなのかな(^ω^)

 

大量のアヒルのおもちゃ、レゴバケツやボールをぶちまけるシーンは爽快なんですけど、NG出したら大変だな。
片付けるの超大変そう(^^;) 

 

ラストの舞台となっている会場は灣仔にある香港コンベンションセンターで独特の屋根が印象的なのですが、よくあんな危険な撮影の許可下りたな(;'∀')

 

安志杰(アンディ・オン)はまだあどけなくてふっくらしていました(*'▽')
一部ダブルを使用されていますが、やっぱアクション凄い(*'◇'*)
若さ爆発って感じ!!

 

岑建勳(ジョン・シャム)が証券の仲介人役で出演されていました(*‘∀‘)
トレードマークのモジャモジャ頭じゃなくなったのがちょっとさみしい(笑)

 

メイキングでは馮德倫(スティーブン・フォン)の姿がありました(*‘∀‘)
ジャッキーと仲が良いので手伝いとかしていたのかな??

 

于榮光(ユー・ロングァン)演じるクワンのキャラもいい感じ♪
最初はチャンと敵対していましたが、最後はチャンに銃を渡して送り出す男気のある警察官なのです(^^)
彼もプライベートでジャッキーと仲が良いんですよね♪

 

気になった点を挙げると、序盤で5人のアジトに侵入するシーンで、ジャッキー演じるチャンが「リック」という隊員の名前を口にするのですが、「リック」という名前の隊員って存在しないよなぁ。
「リック」って誰???