血戦 FATAL MOVE

血戦 FATAL MOVE

原題 奪帥

製作 2008年

めぐちゃんの満足度 ★★☆☆☆

 

羅守耀(デニス・ロー)監督のノワールアクション作品です。
デニス・ローはジョニー・トーの「黑社會シリーズ」のプロデューサーをされていた方で、監督業ですとわりとホラー作品を撮られているようです。
でも私はホラーが苦手なので観たことはないです(^^;)

 

三合会忠信義のボスであるロン(洪金寶)には妻のソソ(恬妞)がいますが、2人の間には子供がおらず、ロンは愛人のリサ(甄穎珊)に自分の子供を産ませます。

 

ロンの長男の誕生記念パーティーを行っているとパーティー会場に警察がやって来て、ロンの弟であるドン(任達華)は警察官のリウ(李修賢)に挑発的な態度を取り一触即発状態に。
ロンが現れて息子の誕生記念パーティーだと説明するとリウたちは引き上げて行きます。

 

忠信義の幹部で最も腕の立つティン(吳京)は敵対するビリー(寇占文)の組織を潰します。

 

忠信義の資金源は麻薬の密売ですが、麻薬の価格や輸送費の高騰で他の組織と競争が激化し、シマの存続が危ぶまれています。
さらにドンはギャンブル狂いで組織の金に手をつけ始めています。

 

アウ(張耀華)の組織がロンの叔父であるトン(馮克安)のシマを奪おうとしていることを知ったロンはトンを手助けして欲しいとティンに頼みます。
アウとは話し合いにならず、ティンはアウの腕を切り落とします。

 

組の存続のため、ロンはドンに対しギャンブルをやめるように警告します。

 

ドンたちが埠頭で麻薬の積み込みを行っていると警察が現れます。
銃撃戦になる中、ドンたちは逃げ切りますが、忠信義の幹部のウー(盧惠光)が警察に捕まってしまいます。

 

ウーが逮捕されると、日頃からウーに対する組の待遇に不満を持っていたウーの妻のトレーシー(張文慈)はウーが資金用口座を警察に暴露するかもしれないと言ってソソを脅します。
トレーシーはソソに警察への口止め料をせびると、ソソはロンたちに相談をします。
警察に口座が発覚することを恐れたロンはウーを殺すことにします。

 

ドンたちはトレイシーを拉致して拷問し、口座を知っている仲間全員を炙り出して始末しようとしています。
実はウーが口座のことを知っているというのは嘘で、トレイシーは愛人であるチン(姜克成)と共謀して、金を手に入れるために脅迫計画を思いついたと白状します。
この話を聞いた忠信義の構成員のハン(向佐)はチンを殺害します。

 

さらに警察署で勾留されているウーを殺害するため、ティンとハンは警察官であるジャネット(邵美琪)の協力を得て警察署に侵入します。
ジャネットは三合会と関わりがある汚職警察官なのです。

 

幹部のファ(張兆輝)と構成員のチェン(賈仕峰)も警察署に侵入し、ファは勾留されているウーを殺害します。
さらにファは警察官のフェイ(林雪)を殺害。
侵入に気づいた警察が駆けつけると銃撃戦になり、チェンが手榴弾を投げつけようとするとリウはチェンの腕を撃ち、手榴弾が爆発する前にティンとハンは窓から脱出します。
逃走の際ハンは警察に脚を撃たれ、ティンを逃がしてハンは捕まります。
ファは警察官の制服を着て警察署から立ち去ります。

 

ジャネットが三合会と通じていると睨んでいる上司のウォン(歐軒瑋)に対し、リウは彼女をすぐに逮捕せずに利用してはどうかと提案します。

 

ソソとファは2人で密談を行います。
ソソたちは忠信義を裏で援助しているユー(許紹雄)を誘拐し、忠信義に身代金を要求しようと企てています。
ユーを誘拐されたことを知ったロンはユーを救うために身代金を用意します。

 

あっさり金が手に入り、ソソたちの誘拐計画は成功しますが、実行犯の男が金を払えとソソたちを脅迫します。
実行犯の男は電話口でソソの名前を出したため、ユーに聞かれていたらロンに裏切りがバレると危惧したソソはファと共に実行犯の男を殺害し、ユーも殺してしまいます。

 

忠信義を陰で支えていたユーが殺され、警察は忠信義の資金源を断つため次々と商売を閉鎖に追い込みます。
さらに敵対するフラート(譚炳文)の組織は忠信義のシマを狙っており、ロンはフラートの組織と闘うため武器を調達します。
ティンやファたちはフラートの縄張りを次々と潰して行きます。

 

フラートは車いすに隠退したディー(王天林)を乗せてロンの事務所にやって来ます。
フラートはユーの死については何も知らないと釈明しますが、麻薬の情報を警察に密告していたことを認め、ユーの死と痛み分けにして抗争を終結させようとロンに持ちかけます。

 

ジャネットは盗聴を行っており、ソソたちが誘拐犯とグルであることを知り、ユーを殺した犯人はソソとファであることをドンに告げます。
ジャネットには多額の借金があり、警察官でありながらも仕方なく忠信義に協力していたのです。

 

ソソとファの裏切りを知ったロンは2人を呼び出します。
忠信義の内紛が始まり、手榴弾で負傷したファは這って逃げますが、ドンはファを追いつめて殺害します。

 

内部抗争が始まり、警察は三合会に関わっていたジャネットを逮捕します。

 

ロンたちはソソを追いつめるとソソは観念し、金のためにファと組んでユーを殺害したことを認めます。
元娼婦のソソは中絶を経験して子供が産めない体だったため、リサにロンとの子供を産ませましたが、内心は傷ついていました。
ロンはソソを愛していて望むものを与えてきたつもりでしたが、ソソが疎外感を感じていることを吐露すると、ロンはソソには手を出さず、ソソは駆けつけた警察に逮捕されます。

 

辺り一帯を警察に包囲され、逃げ場が無くなったロンは部下たちに投降を命じると、突如ティンはロンに闘いを挑みます。
ロンはティンの挑戦を受け、ティンが剣を持ち出すとロンは金属パイプで応戦します。
ティンはロンの顔や右腕を切りつけますが、ロンは金属パイプを突き出してティンの喉を突き刺します。
ティンは死亡し、ロンは武器を持って包囲する警察の前に現れると、警察は一斉にロンを集中砲火します。

 

ロンが死んだことで忠信義は実質的に壊滅に追い込まれ、忠信義の構成員で服役中のハンは毒殺され、同じく服役中のソソも殺害され、リサとロンの幼い長男と共に逃亡を図ったドンも消されてしまうのでした。

 

後味の悪い最後だなぁ(T_T)
キャストがとても豪華です!!
でも色々と気になる部分があります。

 

ソソがロンを裏切る動機が弱いと感じました。
というより、身勝手過ぎる。
確かに他の女性に子供を産んでもらうことに納得出来ない気持ちも分かります。
でも彼女は自ら極道の妻になることを選んだわけですし、覚悟を決めて三合会の世界に入ったわけなので、夫の恩人を誘拐して殺したり、別の組織と全面戦争の引き金になったりするのはどうかと思うんですよね。

 

最も分からないのが、ラストで何故いきなり幹部のティン(吳京)がボスのロンに闘いを挑むのか。
伏線も無しにいきなり2人のバトルが始まっちゃって「何でやねん!!」って思いました。
闘うならティンのドラマが欲しかったですね。
でも2人のバトルはとても素晴らしいです!!

 

ファがフェイをめった刺しにしてたけど、そこまでする恨みがある描写がないのでちょっと違和感。
猟奇的なキャラクターだったら分からなくもないけど、そういうわけではないですし。

 

フラートとロンが和解するシーンなのですが、警察に麻薬の情報をタレこんだフラートをあっさり許せるものかなぁ??
麻薬の摘発って組にとって死活問題だと思うんですよね。

 

と、ここまで否定的な感想しか書いていませんが、好きなシーンもあります。
前述した通り、ラストのロンとティンの闘いは見応えがありますし、ティンが剣でズバズバ敵を切りつけていくシーンは現実離れしているけど迫力があります。
ただ今回のような作品のテイストだとトレイシーを拷問する時のような生々しい現実感があるバイオレンスシーンの方が合っているかなぁって個人的には思います。

 

華哥(サイモン・ヤム)は相変わらず素晴らしいです。
クラブで女性たちとドラッグを行うシーンで、女性の失言で華哥演じるドンを怒らせてしまうのですが、その時の華哥が女性にキレるシーンがめっちゃ怖い(゚Д゚;)
演技って分かってても戦慄を覚えます。
でも王天林演じるディーからコーラを勧められるシーンでは、ドンが太るからと言ってコーラを断るのですが、結局コーラを飲んでいたのは可愛かった(笑)

 

李Sirはおじさんになっても大好き(*´ω`*)
ベテラン警察官~って感じでめっちゃイイ♪
日本語字幕では「リャオ」と表記されていましたが、広東語読みの「リウ」と表記させて頂きました。

 

僅かな時間ですが馮克安(フォン・ハックオン)や張華(ジョニー・チャン)らが出演されていたのが嬉しかったです♪

 

この作品の時代設定がいつ頃なのかはっきり分かりませんが、林雪演じるフェイのデスクの上にフロッピーディスクが置いてあった(^^;)
今でもフロッピーディスクを使用している所もあるらしいですけどね。

 

広東語で名前の後に「叔」と付くと、例えば「龍叔」だと「ロンおじさん」となります。
「叔」には「叔父」という意味もありますが、血縁関係がない中年男性を呼ぶ時にも使われます。
なので「叔父さん」なのか「血縁関係のないおじさん」なのか聞いただけでは分からないので文脈などで判断する必要があります。
難しいです(^^;)