原題 我在黑社會的日子
製作 1989年
めぐちゃんの満足度 ★★★☆☆
黃泰來(テイラー・ウォン)監督、周潤發(チョウ・ユンファ)主演のノワール作品です。
父に代わって息子のハー(王霄)がフェイイン組のボスに就任すると、ハーは徐々にホンヒン組の縄張りを侵略し始めます。
座視できないと思ったホンヒン組のボスのクワン(田豐)は幹部のシン(陳惠敏)とケン(成奎安)を連れてハーたちと話し合いを行います。
しかし和解することなく話し合いは拗れて抗争になります。
ケンはクワンを連れて逃げようとしますが、フェイイン組の幹部(黃子揚)は刃物でクワンを刺します。
シンは幹部を殺害し、ケンとシンは重傷を負ったクワンを背負って逃げます。
クワンには息子のホー(周潤發)がいますが、ホーは堅気のため、クワンは自分が死んでもホーには組に関わってほしくないと言い残して亡くなります。
シンはアメリカにいるホーに電話をしてクワンが亡くなったことを伝えます。
クワンの葬式に出席するため、ホーは妻のネイ(薛芷倫)と子供を連れて香港に帰国します。
クワンが亡くなり、組員たちは息子のホーに跡目を継がせようと考えますが、生前クワンはホーを黒社会へ入れることを反対していたため悩みます。
警察はホンヒン組のトップが変わることを警戒しており、他の組も動向を窺っています。
ホーはクン(龍銘恩)の組の構成員たちに襲われ、ホンヒン組の構成員であるコン(張耀揚)はホーを守り負傷します。
コンの父親でホンヒン組の幹部であるピン(林蛟)は跡目を継いでほしいとホーを説得しますが、ホーは応じません。
ホーはホンヒン組にとって敵対組織であるクンに縄張りを貸してみてはどうかと提案すると、渋々ながらケンたちは承諾します。
シンたちはクンと交渉し、クンは怪しみながらもホンヒン組の縄張りを借りることにします。
ケンはピウ(林偉雄)が率いる組織にも貸し出しを提案しますが、クンが裏切ってピウの組織を襲います。
シンたちに裏切られたと怒りを露わにするピウに対し、ホーが仲裁に入ってピウをなだめます。
謙虚な態度のホーを気に入ったピウは今回の騒動を水に流してくれます。
帰りの道中でホーたちはクンの組織に襲われ、ピンたちはホーを守りながら何とか逃げ切ります。
ケンはクンの組織を潰そうと考えますが、ホーは暴力では解決しないと言って反対します。
ホーは逃走の際に行方不明になったコンを捜しに行きます。
コンもクンを消そうとしており、構成員の数が足りないので学生のタク(梁榮忠)を組に勧誘します。
これを知ったホーは学生には酷だと言って引き離します。
コンは仲間と共にクンと手下(仇雲波)を拉致し、手下を殺害。
ホーたちが駆けつけるとコンはホーにナイフを渡し、クンを殺害するように促します。
しかしホーはクンを殺しはせず、見逃すことにします。
ホンヒン組の会合が行われ、シンがボスに就任することになります。
コンは組の弱体化を懸念し、年齢の高いシンがボスになることを反対しています。
コンの反抗的な態度を見たピウは危険分子になりかねないとホーに警告します。
シンの妻のキュン(麥潔文)は平穏な暮らしを望んでおり、夫のシンに黒社会を辞めてほしいと訴えています。
組の代表が不在の中、勝手に辞めるわけにはいかないとシンはキュンを説得します。
シンの家にコンが押し入り、シンに暴行を加えて去って行きます。
負傷したシンに対しキュンが粘り強く足を洗ってほしいと訴えると、シンは黒社会から身を引くことを決心します。
病院から帰る途中、シンとキュンは男たちに襲われます。
娘は無事でしたが、キュンが殺されてしまいます。
シンは病院へ搬送され、ホーが駆けつけると警察官のチャン(曾江)からキュンが亡くなったことを知らされます。
コンの仕業だと睨んだケンは病院を飛び出し、コンを襲います。
コンは殺していないと反論しますが、ケンともみ合っているうちにコンはケンを殺してしまいます。
コンがケンを殺害してしまったため、父親のピンはケンの部下が命を狙っているとコンに警告します。
コンは商売人のチャウ(鮑漢琳)に取り入ろうと考えます。
表向きは堅気の商売をしているチャウですが実は黒社会の重鎮で、クンとハーもチャウの傘下に入ります。
チャウはホンヒン組の埠頭を狙っており、ホンヒン組の建て直しを条件に埠頭の引き渡しをコンに持ちかけ、コンが承諾するとチャウはコンに仕事を与えます。
シンを襲ったのはクンの組織だということが分かり、チャウの所へ向かったコンを心配したピンはホーに救出を求めます。
ホーはチャウにコンの引き渡しを頼みますが取り合ってくれません。
コンがコンテナヤードにやって来ると警察が現れ、コンに麻薬所持の容疑があると告げます。
チャウはコンを陥れるため、麻薬の入ったカバンをコンの車のトランクに仕込ませ、カバンを見つけた警察はコンを逮捕します。
チャウは始めからコンに濡れ衣を着せるために利用したのです。
クンがカバンを入れるところを目撃していたホーはコンが無実であることを警察に訴えますが聞いてもらえず、コンは捜査員を気絶させて警察車両を暴走させ、チャウを轢いて殺害します。
コンはクンを追い、トラックに乗り換えたホーとコンはクンとハーの乗った車を追いつめます。
ホーが運転するトラックはクンたちの車に突っ込んで押し潰します。
コンはホーを守るためにクンたちの殺害の罪を被り逮捕されます。
ホーは跡目を継がず、ボスに推薦されたシンは負傷してしまったため、ホンヒン組は衰退します。
悪くない作品なのですが、ちょっと思っていたのと違ってた(^^;)
黒社会の父を持つ堅気の息子が黒社会とどう向き合っていくのかそういう話だと思っていたので(;^_^A
そういう場面も多少あるのですが、如何せんコン役の張耀揚(ロイ・チョン)が目立ち過ぎ!
だからホーが霞んじゃって、もったいないなぁって思いました。
もっとホーに焦点を当ててほしかったなぁ。
本作の抗争シーンは銃ではなく刃物を使用しています。
最後に少しだけ銃が登場しますが、時代劇でもないのに刃物でやり合うというのは珍しい。
黒社会の家族は大変だよね(-_-;)
いつもハラハラして暮らさなきゃいけないなんて辛いよ…。
組員が重傷を負った際、シンは頑なに組員を病院へ連れて行くのを拒んでいたけど、コンが怪我した時は入院させてたよね(^^;)
中盤辺りでシンとケンがホーと言い争いになるシーンがあるんですけど、なぜかこのシーンだけ陳惠敏(チャーリー・チャン)と成奎安(シン・フィオン)の声が声優さんの吹き替えではなくご本人の声になっています。
よく聞いてみると全然声が違います。
劇中で観れるチャーリー・チャンの刺青は本物です。
チャーリー兄貴は本当に強くて、昔、日本人ボクサーを試合で秒殺しています。
途中でドラゴンロードみたいなお祭りのシーンがあったなぁ(*‘∀‘)
饅頭ではなかったけど。
主題歌の「飛沙風中轉」は發哥が歌っています(^^♪
ヘイヨー♪ヘイヨー♪
中国の黒社会の起源といわれている秘密結社「洪門(天地会)」
でも香港の黒社会は洪門と直接関りはないそうです。
※中国共産党が実権を握ってから本土での活動が厳しくなった成員が香港にやって来たという話もあるので、その中に洪門に関りがあった人がいるかもしれません。
香港の黒社会の起源は民間から発生した同業組合などが発展したものだといわれていて、英国が統治する動乱の時代に自警団のような活動をされていたそうです。
60年代の香港は黒社会の全盛期。
警察との癒着もあって、悪徳警察官が蔓延る無法地帯。
潜入マフィアというのもあながちフィクションの世界だけの話ではないというのが窺える(^^;)
近年は黒社会に対する取り締まりが厳しくなっているので、組の存続もなかなか大変そうです。
もちろん私はその筋の人間ではないので、実際のところはどうなのか分かりませんが…。