アンジェラ・マオ 女活殺拳

アンジェラ・マオ 女活殺拳

原題 合氣道

製作 1972年

めぐちゃんの満足度 ★★★★

 

ユイイン(茅瑛)、ユイインの兄弟子であるカオ(黃家達)、ユイインの弟弟子であるウェイ(洪金寶)は中国出身ですが、大韓帝国合気道総館で修行をしています。
1934年の漢城(ソウル)は日本統治下ですが、日本人に挑発されたウェイたちは反撃してしまいます。
そのため日本人の怒りを買い、合気道総館にいられなくなってしまったので、師匠(池漢載)はユイインたちに中国へ戻って武館を開くように言います。

 

合気道の精神は「忍耐」で、流派にこだわらず、弱気を助け、目上を敬い、武術の力で人を支配してはならないと説く師匠。
師匠は日本の統治下ではどんな仕打ちにも耐えるしかないと諭しますが、手紙を渡し、我慢の限界がきたら開封するように言います。

 

ウェイは他の流派の先輩たちに挨拶回りをしていると少林拳の使い手であるシャオフー(金帝)と親しくなり飲みに行くことにしますが、日系の武館である黒熊武館の門下生たちと酒場で出くわします。
ウェイは門下生たちの傍若無人な振る舞いに我慢できず、手を出してしまいますが、この話はすぐに黒熊武館の豊田館長(九段吾郎)の耳に入ります。

 

豊田館長はユイインたちに目をつけ、黒熊武館の総監督(白鷹)と参謀のジャン(魏平澳)はユイインたちの武館へ乗り込み、挑発して去って行きます。

 

暴力や強奪など市場でもやりたい放題の黒熊武館の門下生たちに怒りが収まらないウェイは門下生たちを倒します。

 

カオは黒熊武館へ挨拶へ行きますが、豊田館長はカオが気に入りません。
総監督がカオに襲いかかり、カオは大怪我を負ってしまいます。

 

カオがやられたのは自分のせいだと責任を感じるウェイ。
カオは師匠に貰った手紙を思い出し、開封してみることにしますがそこに書かれていたのは「忍耐」という文字でした。
武館へ乗り込んでも殺されてしまうので、ウェイはシャオフーにかくまってもらい、しばらく身を隠すことにします。

 

ユイインは近況を手紙に書いて師匠に送り、黒熊武館へ向かいます。
豊田館長はユイインの合気道の実力を確かめるため、黒熊武館にいる合気道の達人(楊威)と戦わせます。
ユイインの強さに興味を示した豊田館長はいったんユイインを帰し、合気道道館を黒熊の配下に置くことを目論みます。

 

ウェイが潜伏していたアジトが見つかってしまい、門下生を率いて総監督がアジトに押し寄せます。
シャオフーは殺され、ウェイが門下生たちと戦いますが、総監督が立ちはだかりウェイも殺されてしまいます。

 

黒熊の横暴な振る舞いに先輩たちの我慢は限界に達していました。
ユイインは先輩たちをなだめ、再び単身で黒熊武館へ乗り込みます。
苦戦しながらも門下生と1番弟子(李家鼎)を倒し、武館を後にするユイイン。

 

しかしジャンたちに道館を乗っ取られ、道館へ戻ったユイインは門下生たちを倒し、命乞いをするジャンの息の根を止めます。

 

手紙を受け取った兄弟子(黃仁植)がやって来て、朝鮮では日本人によって多くの人々が殺され、師匠は捕まってしまったと知らされます。
カオも総監督に殺され、ユイインと兄弟子は徹底的に黒熊武館と戦うことにします。
カオとウェイの仇を取るためユイインが総監督と戦い、倒します。

 

兄弟子は豊田館長と戦います。
互角の戦いですが豊田館長は日本刀を持ち出し、兄弟子を追いつめます。
たまらずユイインが助けに入り、苦戦しながらも豊田館長を倒します。

 

本作を一言で表現すると「女性版 ドラゴン怒りの鉄拳」といった感じでしょうか。
何をされてもひたすら耐え忍ぶしかないなんて、辛すぎる…。
そんなん無理じゃ!!

 

それにしてもキャストが豪華ですね(*'▽')
門下生役の梁小龍(ブルース・リャン)や、ジャッキーや洪家班の方々が端役で出演されていてファンにはたまらないのではないでしょうか(*^-^*)
元彪もまだあどけなかったな~♪
香港映画にハマらなかったらジャッキーにこういう時代があったことをずっと知らないままだったんだなぁ。

 

黃家達(カーター・ウォン)は本作が映画デビューだそうで、デビュー作とは思えない堂々とした立ち振る舞いであります。
私はこの作品で初めて拝見して、あまりにイケメン過ぎるので強烈なインパクトがありました。
台湾での作品も多く、日本だと「少林寺への道」が有名かな。
武術の達人でイケメンなのに日本だとあまりソフト化されていないのが残念…。

 

師匠役の池漢載(チー・ハンサイ)は死亡遊戯を観てご存知の方も多いと思います。
(はい、私もその一人です。)
本物のハプキドーの達人で、その実力から大統領のボディガードをされていたこともあるそうですよ。
その大統領というのが朴槿恵(パク・クネ)前大統領の父親の朴正煕(パク・チョンヒ)だそうで。凄いね('◇')

 

劇中で師匠が「合気道は中国の太極拳が変化したもの」だと言っていましたが、韓国の合気道(ハプキドー)は日本の合気道が起源という説が有力。
ハプキドーは日本の合気道と違って足技も結構使うそうです。
私も詳しいことは分からないので、詳しい方がいたら教えてください(^^;)

 

「九段吾郎」のクレジットの読み方がなぜか「YAMANE TERUO」になっていました。
どう考えても「九段吾郎」を「YAMANE TERUO」とは読まんでしょ!
う~ん、謎だ(~_~;)
もしかして本名が「ヤマネ・テルオ」なのでしょうか??

 

魏平澳(ウェイ・ピンアオ)ってもう精武門じゃん(;^ω^)
末路も一緒です(;^_^A

 

黃楓監督のほとんどの作品にアンジェラ・マオが出演されていますが、日本版でソフト化されているのは「アンジェラ・マオ 鬼怒川」「アンジェラ・マオ 暗黒街のドラゴン 電撃ストーナー」「テコンドーが炸裂する時」などなど。
「アンジェラ・マオ 女活殺拳」は廉価版DVDが発売されていますが、上記の作品は廉価版が無いのが残念。
あと「ショウブラ黄金のシネマシリーズ」も廃盤でDVDが高額なので、ぜひ廉価版を発売して頂きたいです(´ρ`)