流星

流星

原題 流星語

製作 1999年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

張之亮(ジェイコブ・チャン)監督、張國榮レスリー・チャン)主演、チャールズ・チャップリンの喜劇映画「キッド(The Kid)」をベースにしたヒューマンドラマ作品です。

 

トレーダーのウェイ(張國榮)は金融恐慌の煽りを受けて株価が暴落し、仕事と恋人を失います。
生きる希望を失いかけていた時、自身のクルーザーに赤ん坊が置き去りにされているのを発見します。
赤ん坊と一緒に出生証明書が添えられており、裏面に赤ん坊を育ててほしいと書かれていました。
一度は赤ん坊を置いて立ち去るウェイですが、赤ん坊を育てることを決心します。

 

4年が経ち、赤ん坊だったミン(葉靖嵐)は健やかに成長します。
ウェイはミンとできるだけ一緒にいる時間を作るため定職にはつかず、裕福ではないものの仕事でお世話になっている雑貨屋さんの姉弟、小言は多いですが真面目で優しい警察官のルン(狄龍)、高齢向け住宅を営む隣人のラン(吳家麗)たちに助けられながら男手一つでミンを育てます。

 

4年前ミンを置き去りにした母親のリャン(琦琦)は過去の罪を贖うため慈善事業活動をしています。
当時リャンは事情があり赤ん坊を育てられず、裕福な家庭に拾われれば赤ん坊も幸せになれるだろうと思っていました。
すぐに過ちに気づき引き返しますが、戻った時には赤ん坊の姿はありませんでした。

 

やりたい仕事の誘いを受けてもミンのことが気がかりで足を踏み出せないウェイ。
安定しない暮らしをしているミンを心配する周りの人たち。

 

リャンがミンの母親だと知った時、ミンと別れる寂しさを感じながらもミンの将来を1番に考えなければならないと、ウェイはミンをリャンに引き渡す決意をするのでした。

 

初めてこの作品を観た時は泣いてしまいましたが、レビューしている時も泣きました(:_;)
こういう作品は私の拙い文章で書いても良さが伝わらないので、今回はあらすじを詳細に書きませんでした。

 

チャップリンのキッドも素晴らしい作品ですが、流星も心を打たれる作品です。
流星はチャップリンのキッドと比べると喜劇要素は抑え目で、人間ドラマを中心に描かれています。

 

私は「はい、ここは泣くところですよ~」と暗示してあるお涙頂戴演出が苦手で、テレビのインタビューなどで人が涙を流した時にカメラがズームアップするのとか実は嫌いです。
でも流星はお涙頂戴的な浅ましさが無くて、本当に自然な感じで演じられているのが素晴らしいです。
丁寧に良い映画を作りたいという気持ちが伝わるような素敵な作品です。

 

民生委員たちが無理やりミンを連れ出そうとしている描写はチャップリンのキッドでもありましたが、あれ切ない(:_;)
確かに法律的には捨て子であっても勝手に連れて帰って育てたら違法ですし、子供には教育を受けさせる義務がありますし、ウェイの行動を手放しで賛成とはいえないのですが、でもそんなことを超越する義父の温かさを感じました。

 

90年代後半というと香港映画界が低迷していた時代で、 観客を動員するのにスター俳優を起用しようとしても予算が足りず、低予算でも良い映画を作りたいという製作者からオファーを受けたレスリーはほぼノーギャラで出演されたそうです。
今までの気品がある役柄の哥哥のイメージとは一変して、無精ひげで気取っていない役柄を演じているのですが、私はむしろ後者の方が好きかも(*'ω'*)

 

ミン役のエリクソンくんが無邪気でキラキラしてて可愛くてたまらんのです(*´ω`*)

 

警察官役の狄龍様も良かった~(*´▽`*)
色々とお節介なのですが、優しくて良い人なのです。
ランさんに密かな想いを寄せていて、でもなかなか伝わらず、もどかしいのです( ;∀;)
実は私、この作品で初めて狄龍様ご本人の声を聞いたんですよね。
インタビューなどではご本人の声を聞いたことがありますが、90年代以前の作品は吹き替えなので映画でご本人の声を聞いたのは「流星」が初めてでした。

 

ミンの母親役の琦琦(キーキー)は任達華(サイモン・ヤム)の奥様で、驚異のプロポーションであります(゚Д゚;) 脚長ぇ!!
お二人の娘であるエラちゃんも脚が超長くて、思わず脚に見入ってしまいました(・o・)
「この親にしてこの子あり」といいますか「瓜の蔓に茄子はならぬ」といいますか、しっかりお二人のDNAを受け継いでいますな。

 

ウェイの元同僚役の林家棟(ラム・カートン)もいい感じなんです(^^)
決して出番は多くないのですが、存在感があって印象に残りますね。

 

プラモデル屋さんのショーウィンドウに日本のプラモデルメーカーのタミヤのステッカーが貼ってありました。
ミンが欲しそうにしている帆船のプラモデルは高くて手が出ないので、ウェイが船を手作りしてプレゼントしようとするんですが、リャンがミンに帆船のプラモデルを買ってあげたから自作の船を見せづらくなっちゃうんですよね(^^;)
でもミンはウェイが作った船も大事にしていました(´ω`*)

 

あえて気になる点をあげるとしたら、リャンがミンをウェイのクルーザーに置き去りにしていましたが、ウェイはクルーザーに鍵とかかけてないんですかね??
いや、そんなことはどうでもいいや!
そんな細かいことはどうでもいいと思えるくらい素敵な作品だと私は思います。