ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇

原題 黃飛鴻之三獅王爭霸

製作 1993年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

徐克(ツイ・ハーク)監督、李連杰ジェット・リー)主演、黃飛鴻シリーズの第3弾です。

 

清末時代、西太后(孟瑾)は水面下で忍び寄る外国の侵略に脅威を感じています。
李鴻章総督(葛存壯)は国力強化の一環として優れた武術家を集めて獅子同士を争わせる大会を発案します。

 

フェイホン(李連杰)は親戚のイー(關之琳)と弟子のフー(莫少聰)と共にフェイホンの父親のケイイン(劉洵)がいる北京にやって来ます。
イーは駅でイギリスの学校で一緒だったロシア人のトマンスキー(John Wakefield)と再会します。
トマンスキーは大使館で通訳をしており、イーとの再会を喜びますが、2人が親しく話している様子を見たフェイホンは機嫌を損ねます。

 

ケイインの広東会館に油屋のチャオ(趙箭)がやって来ます。
館主でもあるチャオは獅子同士が争う大会"獅王争覇"に参加しようとしており、ケイインに参加を辞退するように脅しをかけにきたのです。
車夫のチャ(熊欣欣)はチャオの下で働いており、ケイインはチャの強烈な蹴りを受け、広東会館にある獅子はチャオの門弟たちによって壊されてしまいます。

 

ついにイーと結婚することになったフェイホンはケイインに婚約の話をしようとしますが、なかなか切り出すことができません。

 

ケイインの製薬工場に導入された最新の設備を見学していたフェイホンは外で各流派が争う声を聞いて止めに入ります。
大会に参加するための弟子の奪い合いで起こった騒動ですが、フェイホンの実力を目の当たりにした館主たちは降参し、話し合いが行われます。
大会のせいで争いが勃発することを危惧したフェイホンは朝廷に意見書を提出しに行きます。

 

朝廷から人力車に乗って帰宅しようとするとチャオの一派が現れ、フェイホンたちを襲います。
フェイホンは手下のチャを追い払いながら人力車で連れ去られるイーを追います。
チャオは自身の門派である太平号の一員となって大会に参加しないかと持ちかけますが、フェイホンは断ります。

 

イーを乗せた人力車は馬車に追突し、馬車に乗っていたトマンスキーはイーを助けます。
チャオを退けたフェイホンはイーの元に駆け寄り、チャオ一派は引き上げて行きます。

 

各門派の前哨戦が行われます。
フェイホンは撮影機を持ったイーと露台から観戦し、ケイインの弟子のヤン(黃德仁)から参加を誘われたフーはフェイホンに内緒で参戦します。

 

獅子頭を被ったチャを見つけたフーとヤンはチャを妨害しようとしますが逆に付け狙われます。
獅子同士が奪い合う紅包が入った巨大な球体がフェイホンたちのいる露台に飛んで来ると、フェイホンはイーを抱えて露台から飛び降ります。
その際イーは撮影機を落としてしまいます。
地上に降りたフェイホンはチャオの門弟たちに攻撃されながらも必死で応戦します。

 

チャから追われるフーは馬場にいた馬に乗って逃げ出すと、他の馬が暴走して馬場の柵が倒れ、チャは柵の下敷きになって脚を大怪我します。
フェイホンは馬の暴走を食い止めますが、チャオは強引に勝者の証である紅包を奪い取り、勝利を宣言します。
イーは観戦していたトマンスキーを目撃しますが、深追いはせず落とした撮影機を拾って引き上げます。

トマンスキーたちの一派は前哨戦の現場で日本人の諜報員を殺害していました。
李鴻章はロシアの領土を日本に割譲しようとしており、李鴻章が調印式に出席するのを阻止するため、トマンスキーが所属するロシアの機密組織は李鴻章の暗殺を企てています。

 

チャオは脚を大怪我したチャを見限ります。
道端で倒れているチャを発見したフェイホンは連れて帰って治療を行います。
目を覚ましたチャはフェイホンを敵視し、治療を拒んで這って出て行こうとしますが、フェイホンの厚意に心を動かされ、一転してフェイホンを敬うようになります。

 

撮影機で撮影した映像を鑑賞しているとチャオ一派が広東会館にやって来ます。
チャの引き渡しを要求してきたチャオに対し、フェイホンはチャ自身に身の振り方を委ねます。
チャオはチャの面倒を見てくれたフェイホンを食事に招待します。

 

食事の席にやって来たフェイホンはお茶が硫酸であることに気づきます。
チャオは始めからフェイホンを罠にはめるつもりだったのです。
門弟たちから油の入った壺を投げつけられると床が滑って思うように動けません。
それでもフェイホンは床を避けて門弟の肩の上に乗って攻撃をかわし、剣で攻撃すると門弟たちは怯みます。
これを見たチャオは逃げ出します。

 

イーは撮影機を再生していると、前哨戦の時に男が道端で襲われている映像が収録されているのを目にします。
映像で男が何か隠していたのを見て現場に行くと、李鴻章の暗殺計画の紙を見つけます。
暗殺は獅王争覇の時に決行されることを知り、フェイホンは大会に参加することにします。

 

獅子同士が奪い合う灯籠に仕掛けられた爆竹の音が暗殺の合図になっているので、フェイホンはフーとチャと共に大会に参加しながら警戒します。

 

各門派の獅子たちは多彩な攻撃をしてくる中、フーが脚を槍で刺されて負傷します。
チャオの門派は一際大きな獅子頭で登場し、塔の上でフェイホンとチャオは激しくぶつかり合います。
チャは負傷したフーの代わりにフェイホンに加勢します。
塔から落ちたフェイホンはチャと共に再び塔をよじ登り、チャオの執拗な攻撃をかわしながらチャオの大獅子を破壊します。

 

撮影をするイーを見つけたトマンスキーは暗殺計画を知ったイーを消そうとしますが、フーとヤンがイーを助けにやって来ます。

 

チャオの門弟たちが剣で塔の足場を壊すとフェイホンたちが登った塔は崩壊し、塔のてっぺんに繋がれていた灯籠が飛んで行きます。
チャオが灯籠を捕まえますが、フェイホンは剣を灯籠にぶつけると中に入っていた勝者の証である獅子王の札が飛び出し、かがり火の中に落ちます。
獅子王の札に繋がれていた爆竹が鳴ると、構えていたロシア人が李鴻章に向けて発砲しますが、弾は外れて暗殺は失敗します。

 

すかさずトマンスキーは灯籠の陰から李鴻章を狙いますが、これに気づいたフェイホンは灯籠をどかし、暗殺が露見したトマンスキーは仲間に殺害されます。
仲間たちは保身のためにトマンスキーに罪をなすりつけたのです。

 

チャが獅子王の札を手にするとチャオが札を奪おうと攻撃して来ますが、フェイホンが連続蹴りでチャオを成敗し、フェイホンは獅子王の札を手にして大会を制覇します。
しかしフェイホンは多くの死傷者を出した大会の勝者は真の勝者ではなく、民の知と寛大な心こそが国を強くするものだと言い放ち、李鴻章獅子王の札を投げつけて去って行くのでした。

 

アクションもストーリーも見応えがあって面白いです!!
香港映画の中でも多くの獅子舞が登場する作品ではないでしょうか(=゚ω゚)ノ

 

シリーズはまだまだ続くのですが、4作目と5作目はリンチェイは出演しておらず、アクション俳優の趙文卓(チウ・マンチェク)が主演のフェイホン役を務めています。
本作の撮影後、リンチェイは自身の映画会社を設立したので、そちらに尽力したと思われます。
ツイ・ハークと契約問題で揉めたという噂もありますが、真偽は定かではありません。
6作目である「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」では再びリンチェイがフェイホン役でカムバックしています(*^^*)

 

本作でいよいよフェイホンとイーの結婚話が持ち上がって、なんとついにキスしちゃいます(≧∇≦)
もう奥手なフェイホンが可愛すぎなんです♪
イーとトマンスキーが仲良くしているとフェイホンは嫉妬してあからさまに機嫌が悪くなっちゃうし、抱擁しているところをフーたちに見られると照れてごまかしたり(笑)
イーがフェイホンに英語を教えるシーンでは英語が分からないフェイホンに対してイーが「I love you.」って言うように仕向けたり(笑)
2人のやりとりがキュンキュンします(*´ω`*)

 

フェイホンとイー叔母って結婚できるの?と疑問が湧くと思いますが、日本語字幕では「イー叔母」となっていますが、イーはフェイホンの祖母の兄弟の娘なので叔母ではないです。
なので一応結婚はできます。

 

前作で白蓮教の教祖役だったホン・ヤンヤンが鬼脚七役として初登場した作品で、ヤンヤンといえば七哥っていうぐらいハマり役だと思います(*^-^*)
ちょっと首をかしげている仕草も良いですし、とにかく動きが凄まじいんですよね。

 

この頃はまだCG技術が発達していないので、ワイヤーが見えまくりなのですが、そんなことはどうでもよくなるぐらいリンチェイたちのアクションが凄い。

 

何頭もの馬が暴走するシーン、あれ結構怖かったなぁ。
動物って予期せぬ動きをしたりするから怪我しないように撮影するのが大変そうです。

 

コメディ要素が結構多くてフェイホンとイーのやり取り以外にも、撮影機の映像が横向きになっていて皆が一様に首を横にして映像を観るのが笑える(^o^)

 

西太后は様々な呼び名があるのですが、日本でよく呼ばれている「西太后」と表記しました。

 

李鴻章が日本で調印を行うというくだりは下関条約ですね。
歴史は苦手だけど、これは何とか知っています(笑)

 

なぜ広東会館が北京にあるのか調べてみると、広東会館は佛山だけでなく中国のあちこちにあったそうです。
ドラッグストアのチェーン店みたいね。違うか(笑)