妖術秘伝 鬼打鬼

妖術秘伝 鬼打鬼

原題 鬼打鬼

製作 1980年

めぐちゃんの満足度 ★★★★

 

洪金寶(サモ・ハン・キンポー)監督、主演のホラー作品シリーズの第1弾です。
本作は1985年の作品「霊幻道士(殭屍先生)」の前に製作されたコメディホラー作品で、1982年に「霊幻師弟 人嚇人(人嚇人)」、1984年に「霊幻百鬼 人嚇鬼(人嚇鬼)」が製作されました。
1990年に製作された「鬼喰う鬼(鬼咬鬼)」は本作の続編的な位置付けとなっております。

本作が当時日本でテレビ放映された時は「燃えよデブゴンシリーズ」の第8作目として扱われたそうです。
当時の邦題は「燃えよデブゴン8 鬼打鬼」などと呼ばれていたそうなのですが、ソフト化するにあたり邦題が「妖術秘伝 鬼打鬼」となりました。

本作は廉価版DVDが存在するので比較的手に入り安い作品なのですが、とにかく後の3作品が廃盤で入手困難となっております。
廉価版ブルーレイのリリースを求む!!!
ちなみに「妖術秘伝 鬼打鬼」は「傑作カンフー映画 ブルーレイコレクション」でもリリースされましたが、こちらも廃盤で入手困難です。
でも私は当時購入していたので所有しています。
こちらも廉価版ブルーレイが発売されるとありがたいのですが。

 

人前では度胸が据わっていることを豪語している馬車引きのダイタン(洪金寶)は実は臆病な性格の青年です。
村の名士ダン(黃哈)に仕えるダイタンはダンを馬車で遊郭に送迎して甘味処で帰りを待っていると、甘味屋(張景坡)から妻の浮気話を聞かされて不安になったダイタンは自宅へ戻ります。
なんとダイタンの妻(梁雪薇)はダンと浮気をしており、ダイタンの帰宅に気づいた妻はダンを窓から逃がします。
ダイタンは床に残された片方の靴を拾い、妻に浮気を追及しますが妻は浮気を認めません。

 

名士のダンは醜聞を恐れ、ダイタンを始末しようと企みます。
しかしダイタンは武術の腕が立つため、ラウ師爺(太保)を呼び出して相談をすると、ラウは妖術師のチン(陳龍)に殺しの依頼をしてはどうかと提案します。

 

強欲なチンは高額の報酬を提示されると依頼を引き受けますが、チンの弟子であるチョイ(鍾發)は妖術を私利私欲や犯罪に使うことに猛反対します。

 

チンはファ(午馬)という男を使ってダイタンを寺におびき寄せようと企みます。
ファは大金を賭けた肝試しをダイタンに持ちかけると、大金に釣られたダイタンは申し出を引き受けます。

 

寺に向かう途中のダイタンの前に現れたチョイは、兄弟子のチンがダイタンの命を狙っていると警告します。
妖術を信用していないダイタンに対してチョイが紙をお金に変える妖術を見せるとダイタンは妖術を信じます。
チョイは自分の言う通りに行動するようダイタンに指示します。

 

チンはダンの屋敷で妖術の儀式を行い、遠隔でダイタンの命を狙います。
寺に閉じ込められたダイタンはチョイの言われた通りの行動を取ります。
寺の棺が開くとチンが操るキョンシーが動き、ダイタンを襲います。
しかし夜が明けるとキョンシーを動かすことができず、チンはキョンシーを棺に戻します。

 

早朝にファが様子を見に来ると、再びダイタンに肝試しを持ちかけます。
チョイから大量のニワトリの卵と黒い犬の血と脚を用意するように言われ、これらを用意したダイタンは再び寺で張り込みます。
キョンシーが目覚めるとダイタンはチョイの指示通りに卵を棺に入れて攻撃しますが、卵売りの店主はニワトリの卵が足りずに鴨の卵を混ぜていたため、キョンシーに効かず暴れ出します。
ダイタンは用意していた犬の血をキョンシーに浴びせると遠隔で操っていたチンは吹っ飛んで大怪我をしてしまいます。

 

ダイタンが自宅へ戻ると部屋は荒らされていて血痕がありました。
役人(林正英)に妻殺しを疑われたダイタンは逮捕されてしまいます。
全てダンの策略です。

 

投獄されたダイタンは死刑になると聞いて脱獄します。
脱獄したダイタンは廃墟で横になると隣にいたキョンシーが目覚めて襲われます。
ダイタンを追っていた役人が現れるとキョンシーは役人に突撃し、その隙にダイタンは逃げ出します。

 

廟へ逃げ込んだダイタンはチョイと再会し、チョイはダイタンを棺に入れて隠します。
追って来た役人たちは棺を調べますが、どうにか見つからずにやり過ごします。

 

ダイタンとチョイが食事をしているところを目にしたチンは外からダイタンに術をかけて操ります。
不自然な動きをするダイタンを不審に思ったチョイは妖術だと見抜き、外で術をかけていたチンを見つけて戦います。
チョイに追いつめられたチンは退散します。

 

ダイタンは通報を受けた役人たちに囲まれると、チョイは役人の部下たち(錢昇瑋、吳勉勤、周金江、劉秋生)に術をかけて同士討ちをさせ、その隙に逃げ出します。

 

出生日が分からないと妖術をかけることができないので、チョイはダイタンの出生日を知っているダンが命を狙っているのではないかと疑います。
チョイはダイタンの体に呪文を書いて前掛けを着せます。
これはチンの妖術に対抗するためです。
チンはダンの屋敷から遠隔でお化けを操り、お化けたちがチョイたちの前に姿を現すと、チョイはお化けたちを倒し、お化けを操ってチンの居場所を聞き出します。

 

チンはチョイの妖術を打ち負かすため、高い祭壇を設置します。
チョイとダイタンがダンの屋敷に現れるとチンに対抗してチョイも高い祭壇を作ります。

 

チョイはダイタンに術をかけて操り、チンは弟子(元武)に術をかけて操ります。
操られてパワーアップしたダイタンとチンの弟子が戦います。
ダイタンは猿のような俊敏な動きでチンの弟子を倒すと、続いてチンはダンに術をかけて操ります。
術にかかったダンはチンから剣を受け取り、ラウがダンに話しかけると斬られて殺されます。

 

ダイタンは槍を持ち出してダンと戦います。
ダイタンの前掛けがダンに切られるとダイタンの術が解けてパワーダウンし、窮地に立たされます。
ダイタンは浮気現場に残されたダンの靴を肌身離さず持っていたため、チョイはダンの靴に術をかけてダンの動きを止めます。
ダイタンはダンから剣を奪ってダンを刺して倒します。

 

操る人間がいなくなってしまったチンはチョイに向かって炎で攻撃します。
チョイは体で炎を受け止め、ダイタンはチンの祭壇を崩します。
チョイは均衡が崩れたチンに向かって炎で攻撃すると、チンは火だるまになって息絶えます。
炎攻撃を受けたチョイも力尽きます。

 

屋敷からダイタンの妻が噓泣きをしながら近づいて来ますが、妻の悪事に腹を立てたダイタンは妻を投げ飛ばすのでした。

 

爆発的に面白いとまではいきませんが、楽しくて好きな作品です(^ω^)
アクションは言うまでもなく素晴らしいです。
特に本作で凄いと思ったのが、役人たちが一斉にダイタンに襲いかかるシーン。
1対1でも大変そうなのに複数人が入り混じるアクション動作って非常に難しそうです。
これ気心の知れた関係じゃないとできない動きだと思う。
洪家班の職人技ですね。
あとチンが火だるまになって高い祭壇から落下するスタントもえぐい(;゚Д゚)

 

鍾發(チュン・ファット) が悪役じゃなくて嬉しい(*^^*)
悪役でも嬉しいですけど(笑)
兄弟子がお金にがめつくて苦労する弟弟子役です(´∀`)
チュンさんは若い時も男前ですが、お年を召しても相変わらずの目ヂカラで、イケオジなんです♪

 

元武さんはダイタンの飲茶仲間役だったり、看守役だったり、チンの弟子役だったり、忙しいですね(^^;)

 

午馬さんは出番が少ないのですが、キャラクターが強烈過ぎ( *´艸`)
目尻にテープ貼るの好きだよね(笑)

 

霊幻道士の監督の劉觀偉(リッキー・ラウ)が甘味屋にいる馬車引きの役で出演されていました(^o^)

 

サモがキョンシーとYMCAのポーズやってるのウケた(笑)
元彪がキョンシー役で出演しているという噂があるのですが、キョンシーメイクだと全然分からない( ̄▽ ̄;)

 

チョイが妖術で紙をお金に変えるシーンがありましたが、これは妖術というより手品っぽい(^^;)

 

サモはあれだけ汗をかいているのに体に書かれた赤い呪文がほとんど落ちていないの凄いな。
耐水性のインクなのかな?

 

それにしてもダイタンの妻は悪い女だね。
名士と浮気して夫を殺害しようとするなんて。
そして都合が悪くなると泣き落としなんてムカー(`Д´)
即別れた方がいいですね(-_-;)

 

序盤でダイタンの飲茶仲間(杜少明)が鏡の中に吸い込まれるというシーンがあるんですけど、彼は一体どうなったんでしょうね(;^ω^)