南少林寺VS北少林寺

南少林寺VS北少林寺

原題 南少林與北少林

製作 1978年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

五毒拳のメンバーが再び集結した張徹(チャン・チェ)監督によるカンフーアクション作品です。

 

少林寺には北派と南派が存在し、元々は同門でしたが現在は流派が異なります。
朝廷は武術の力に脅威を感じ、反乱を恐れて民間に武術の使用を禁じていましたが、特に優れた少林寺の武術には一目を置き、官兵に武術を指導する条件下で特例として武術の使用を認めていました。

 

将軍(王龍威)は北派のパウ(鹿峰)、チョイ(孫建)、ヤン(江生)を呼び寄せ、3人に南派と試合を行ってもらい、優れた方に官兵の指導を任せようと考えています。
将軍の話を聞いたチョイは少林寺の同門同士で実力を比べる必要は無いと言いますが、将軍は優れている方を師範に任命しようとしています。
南派三人衆(屠龍、孫新祥、余太平)は意気軒昂で、チョイは本意ではありませんが南派三人衆と手合わせをすることにします。

 

パウは金剛掌と呼ばれる力強い掌法を使用し、チョイは勢いのある足技の旋風脚、ヤンは軽功を使った身の軽さと梢子棍が武器で、南派三人衆を圧倒します。

 

北派に敗れた南派三人衆は将軍府から立ち去ろうとすると、将軍が現れて南派三人衆を殺害します。
将軍は少林寺の武術を煩わしく思っており、北派が南派三人衆を殺害したように装って南派の怒りを買い、北派と南派で同士討ちをさせようと企んでいます。

 

副将(孫樹培)は南派師匠のマック(詹森)の元に南派三人衆の遺体を送り届けます。
3人が北派に殺されたことを副将から知らされたマックは3人の仇討ちを誓います。

 

パウたちは師範として将軍府で働くことになりますが、チョイは南派三人衆の死に疑念を抱きます。

 

パウたちは南派三人衆の葬儀に参列しようとしますが、マックはパウたちの参列を拒否し、新たに弟子のロイ(譚鎮渡)、テン(蕭玉龍)、そしてマックの息子であるユエン(楊熊)を将軍府に送り込んで北派と対決させます。
対決を望まないチョイですが、北派を恨んでいるユエンたちは聞く耳を持ちません。
テンはパウと掌法の突き合いで対決しますが、パウとの実力の差は大きく、テンは力尽きます。
チョイに挑んだユエンも命を失い、ヤンに挑んだロイは命こそ失わなかったものの、ヤンに完敗して去って行きます。

 

武館へ戻ったロイは自害し、マックは勝ち目のない戦いでこれ以上弟子を失わないために武館をいったん閉めることにします。
マックは怪我と病気を抱えていて戦うことができないので、ユエンの弟のフォン(韋白)、弟子のチュー(羅莽)、ホー(郭追)に仇討ちを託します。
しかし今の実力では北派の3人に勝つことはできないので、フォンに詠春の一門である庭師のリョン(王清河)の元で修業をするように言いつけます。

 

フォンはリョンの元を訪れ、マックから預かった手紙を渡して弟子入りを志願します。
チョイの足技に対抗するため、手技に優れた詠春拳の習得に邁進します。
丸太の上で片足立ちをして土台となる下半身を鍛え、慣れてきたら足場の丸太の幅を徐々に小さくします。
品字樁を使った修行も行います。

 

マックは武館にやって来た弟子のチューに対し、北派の金剛拳に対抗するため、蟷螂拳を習得するように指示します。
チューは蟷螂拳を伝授してくれる樵(井淼)がいる南山へ向かいます。
樵はチューに指立て伏せを命じ、腕力を身につけさせます。
背中の上に岩を乗せて負荷をかけ、体を支える指の数を徐々に減らしていきます。
さらに磨盤樁を使って体を鍛えます。

 

もう一人の弟子のホーにはマックが直接棍術を指南します。
棒で丸い的を当てていき、徐々に的を小さくします。
ヤンが操る梢子棍に対抗するために落ちてくる棒を払う修行も行います。

 

一向に北派と南派の争いが起こらないことを不審に思った将軍は副将を偵察に向かわせます。

 

チョイは自分たちが使った技と南派三人衆の死因が一致しないことを突き止め、死因となった内勁を使う将軍府の人間が南派三人衆を殺害したのではないかと推測します。

 

露店で青果売りをしているイエン(妞妞)、シウレン(尤翠玲)と親しくなったパウとヤンは茶楼にいるイエンたちをチョイに紹介します。
ホーが茶楼を訪れると、ヤンたちが北派だと知ったホーはヤンに勝負を挑みます。
軽功を使うヤンに苦戦し、ホーはいったん引き上げます。

 

ホーは再び修行に励み、負荷をかけて棍術を鍛錬します。
フォンは木人樁で手技を鍛え、接近戦に強くなるために四方が壁になった東屋で壁を破る修行を行い、チューは歩法を使ってさらに筋力を鍛えます。

 

ヤンたちはイエンとシウレンを将軍府に連れて行きます。
パウたちの世話係をしている女性サウ(惠英紅)はチョイに好意を抱いていて、2人はいい雰囲気になります。
様子を窺っていた人影に気づいたチョイが攻撃をすると人影の正体は副将で、副将はチョイとサウの結婚を喜びます。

 

副将はチョイとサウが結婚するという話を将軍に伝え、2人の結婚を利用して北派と南派の同士討ちを急き立ててはどうかと提案します。
将軍がチョイの義理の父親になれば南派の恨みは増幅すると考え、将軍はサウを養女に迎えることにします。

 

チョイは副将を攻撃した際に副将の動きを見て南派三人衆を殺害した犯人ではないと確信し、黒幕は将軍ではないかと推測します。

 

修行を終えたホーとチューが武館に戻って来ますが、マックは復讐の時を待たずして病気のため亡くなります。
副将はマックの死を悼むふりをして武館を訪れ、将軍の養女となるサウと北派のチョイが結婚することをフォンたちに伝えます。
チョイが清朝の人間になることに違和感を覚えるフォンですが、ホーは同門の祭壇の前で北派に復讐することを誓ったのでもう後には引けないと言います。

 

フォンたちは将軍府へ乗り込みます。
チョイはフォンたちに話し合いを求めますが、ホーは誓いを守るために戦いは避けられないと言います。
チューは露店で官兵に絡まれているイエンたちを助けた際にパウと対面しており、互いに実力を認め合っていました。
対決の前にパウとチューは酒を酌み交わし、北派と南派の戦いが始まります。

 

負荷をかけて修行した成果で、ホーはヤンの軽功と互角にやり合います。
チューはパウと剛と剛でぶつかり、フォンはチョイの旋風脚に対して間合いを保ってかわします。

 

フォンはチョイの腹部を突いて重傷を負わせると、死を悟ったチョイはユエンを誤って殺してしまった経緯を伝えます。
フォンは南派三人衆やユエンたちが死んだのは北派の陰謀ではないことを知り、チョイは戦いの中止を呼びかけようとします。

 

チューもパウに重傷を負わせ、ヤンはわざと手を抜いてホーの攻撃を受けます。
戦いを止めると将軍はホーを攻撃します。
将軍の技を見たチョイは南派三人衆を殺したのが将軍だと確信します。

 

フォンとチューは将軍に立ち向かいますが、ホーはフォンたちにこの場から逃げて仲間に知らせるように叫びます。
チョイは副将を倒しますが、押し寄せた官兵に斬られて殺されます。
パウも官兵に殺され、フォンとチューが立ち去ろうとすると官兵たちが2人に向けて矢を放ちます。
ヤンはフォンたちを庇って矢を受け、将軍と戦ったホーは相打ちとなり、将軍は死にます。
矢を受けたヤン、相打ちになったホーも死んでしまいます。

 

将軍府から立ち去ったフォンとチューは仲間に将軍の陰謀を伝えに行くのでした。

 

広東語版で観たので登場人物の役名は広東語の読み方で記載しました(・∀・)
やっぱ五毒メンバーは最高です(*'▽'*)
復讐がテーマなのでもっと暗い感じなのかと思いましたが、前作の五毒拳ほど暗い雰囲気ではなかったです。
修行シーンもコミカルな部分があって楽しいです(^O^)

 

江生(ジャン・シェン)演じるヤンが使用している武器は三節棍かと思いきや梢子棍と呼ばれる二節の武器で、中国には本当に色々な武器があるんだなぁって感心します。
ジャン・シェンは本当にカワイイわぁ(*´▽`*)
五毒メンバーの中で私の一番のお気に入り♪
あの身の軽さには惚れ惚れします(*´з`)

 

羅莽さんの前鋸筋が美しくてドキドキ(*'ω'*)
蟷螂拳の修行では指立て伏せをするのですが、失敗すると手のひらの下に置いた卵が割れて強制的に夕食のおかずが炒り卵になります(笑)
指立て伏せといえばブルース・リーが片手で行っていたのは有名ですが、劇中で羅莽さんも両手ですが本当に2本指で指立て伏せをやっていました(・o・)
片手の指で逆立ちするシーンはさすがにフェイクだと思う。
1本指で逆立ちできる释海灯ってやっぱ凄いな。

 

韋白(ウェイ・パイ)演じるフォンは丸太の上でバランスを取るのですが、失敗して落ちて花壇を踏み潰すと花壇の手入れを行うはめになります(^^;)
これも修行のうちかしら?

 

狄威(ディック・ウェイ)はまだ「屠龍」の名前でクレジットされていたのでクレジットに準じて記載しました。
狄龍様が先輩じゃなかったら「狄威」の名前で活動することはなかったんだよなぁ。
まだ20代の若いディック・ウェイ♪
うふふ、イイ男(*´ω`)

 

本作の修行シーンは見どころの一つで、少林寺三十六房のように修行シーンに重きを置いた演出となっています。
少林寺三十六房の方が公開日が先なので、多少なりとも影響を受けているのでしょうかね?
あとこの時期ってジャッキーの酔拳も公開されているからカンフー作品の戦国時代って感じだね。