ドラゴンファイト

ドラゴンファイト

原題 龍在天涯

製作 1989年

めぐちゃんの満足度 ★★★☆☆

 

鄧衍成(ビリー・タン)監督、李連杰リー・リンチェイ)主演のアクション作品です。

 

武術団に所属しているリー(李連杰)とワイ(狄威)は公演のためにアメリカを訪れます。
しかしワイは武術で生計を立てていく意欲をなくしており、不自由のないアメリカの暮らしに憧れていました。

 

公演が終了するとワイは香港へ帰国する直前に逃亡を図ります。
リーはワイを追って事情を聞き、香港へ帰国する意思がないワイの考えを尊重したリーは餞別としてお金の入った財布をワイに手渡します。

 

警察官は挙動不審なワイを発見したため職務質問と身体検査を行うと、ワイは誤って警察官を死なせてしまいます。
ワイのいとこのピン(Victor Chew)が現れたため、ワイはピンの車に乗って逃走します。
殺人現場にワイが落としたリーの財布が発見されたため、リーは殺人容疑で逮捕されてしまいます。

 

ピンはギャングの一味で、ワイをボスのマルコ(方平)に紹介します。
突如襲撃してきたギャングを倒したワイはマルコに気に入られ、ワイはマルコの下で働くことになります。
一方、冤罪で逮捕されたリーは護送中に逃亡します。

 

ピンは姉のキュン(利智)を自宅へ迎え入れます。
直後に2人組のギャング(George Chung、Ernie Reyes)がピンの自宅に押し入ったため、ピンとキュンは逃げ出します。
ピンの自宅近くに居合わせたリーは騒ぎに気づいてギャングたちと戦います。
ピンはギャングに殺され、仲間の男は逃走します。
キュンはピンの死を嘆き、警察に追われているリーは現場から立ち去ります。

 

車で通りかかったヤウ(周星馳)は只事ではない様子のリーを見かけると、リーを商用バンに乗せて自宅へ連れて行きます。
ヤウはリーが所属する武術団の公演を観覧しており、同じ中国人としてリーに親近感を抱いたヤウは追われているリーを匿うことにします。

 

部下のピンを殺されたマルコは敵対する組織への報復を宣言し、報復の命令を受けたワイは敵対組織の構成員たちを次々と殺害していきます。

 

ワイの働きを気に入った大ボス(Tom Spinoza)はワイに麻薬取引の指揮を執らせることにします。

 

ヤウの雑貨店の手伝いをしていたリーはついにワイを発見して自首を促しますが、ワイは聞き入れません。
ワイはリーが香港に帰国できるように偽造旅券の手配を約束しますが、マルコが破談にしたため結局偽造旅券は手に入らなくなります。

 

リーはマルコの愛人になったキュンと再会します。
自由を求めてアメリカにやって来たキュンは現実と理想の相違に落胆している胸中をリーに打ち明けます。

 

ワイが采配を振って麻薬の取引が行われますが警察の手入れを受け、路上で銃撃戦が勃発します。
ワイの昇進を妬んだマルコが警察に取引の情報を流していたのです。
銃撃戦の現場に居合わせたヤウは落ちていた麻薬を持ち去ります。
ヤウには博打で作った借金があるため、麻薬を売って金を手に入れようと企みます。

 

ヤウは持ち去った麻薬を洗剤の箱に入れて隠し、リーを連れて売人の男と接触します。
ヤウは麻薬のサンプル品を売人の男に渡し、大金が手に入ることが分かると有頂天になります。
しかしヤウの叔父のマン(高宏)が麻薬入りの洗剤を知らずに使用し、余った麻薬を流しに落として処分してしまい、麻薬が無くなったことを知ったヤウは動揺します。

 

売人の男はワイに麻薬の取引の話を持ちかけた後にヤウの雑貨店を訪れますが、麻薬が無くなってしまったためヤウは店から逃げ出します。
ワイはヤウが麻薬を持ち逃げしたことを知り、リーを呼び出して麻薬を返すように詰め寄りますが、リーは麻薬の件は全く知らないと言います。

 

大ボスは取引を妨害したマルコを粛清し、何としても麻薬を取り戻すようワイに命じます。

 

リーが店に戻るとワイと部下たちが待ち受けており、人質にされたマンが殺害されます。
リーはワイたちと戦い、叔父を殺されて激高したヤウもワイに立ち向かいます。
ワイはヤウに麻薬を出すように脅しますが、ヤウが口を割らなかったためワイはヤウを殺害します。

 

粛清される前のマルコの会話を聞いてリーが麻薬に関わっていることを知ったキュンは負傷したリーを車に乗せて救出します。

 

世話になったヤウとマンを殺されたリーは復讐のために兄弟子であるワイと戦う覚悟を決めます。
リーとワイの一騎打ちとなりますが、大ボスは麻薬を回収できないワイの殺害命令をボディガードの男(Mark D. Williams)に出しており、ワイは命を狙われます。
リーとワイは大ボスが送り込んだ刺客たちと戦い、リーは刺客を倒しますが銃で撃たれたワイは命を落とすことになるのでした。

 

ダークサイドに堕ちた兄弟子と戦う弟弟子というシナリオで結構楽しめるのですが、私が残念に思ったのはラストバトルが「李連杰 VS 狄威」ではないことです。
本作のディック・ウェイは脇役ではなくメインキャストであり、アクション俳優であるリンチェイとディック・ウェイの戦いはとても貴重で香港映画ファンにとって垂涎ものであり、最も盛り上がるシーンだと期待していました。
しかしこの兄弟弟子対決の後にボディガードたちと戦う展開になってしまうのです。
これには正直興ざめです。
ゴールデントリオが強敵の海賊を倒した後に格下の敵が出てくるようなものです(._.)

仮にディック・ウェイより強い相手が登場するのなら納得できますが、ディック・ウェイってアクションが凄いだけではなく悪役としてのカリスマ性があるので、彼以上にアクションができて強烈なインパクトがある悪役ってなかなかいないと思うんですよね。
ボディガードたちと戦う設定にするなら、兄弟弟子対決の前に登場すればよかったかもしれません。
舞台がアメリカだから忖度とかあったのかな…??

ディック・ウェイはわりとボスより強い部下役を演じることがありますが、これはディック・ウェイがメインキャストではないから成立している要素が大きいと思います。
(あと香港映画特有の勢いのおかげもあるかも)
配役やキャラクターの立ち位置って大切ですね。

 

リーは警察官殺しで指名手配されるのですが、あまり逃亡している感じがなくて緊張感が無い(;'∀')

 

李連杰、狄威、周星馳の共演がとても貴重ということで、私が大好きなお三方の共演が観れたのでこの点に関しては大満足です(*^^*)
これでリーがワイを倒してスカッとエンディングだったら最高だったのになぁ(._.)

 

まだ大ブレイクする前のチャウ・シンチーですが、劇中での彼の存在感は主役のリンチェイを脅かすレベル(゚Д゚;)
やっぱシンチーってすごいなぁ(・o・)

 

リンチェイは妻の利智(ニナ・リー)と本作で初共演。
当時リンチェイは既婚者でしたが、ニナ・リーと出会っていわゆる不倫関係に発展します。
よほど彼女にビビッと感じるものがあったのでしょうね('◇')