港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

ゴッド・ギャンブラー

ゴッド・ギャンブラー

原題 賭神

製作 1989年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

王晶(ウォン・ジン)監督、周潤發(チョウ・ユンファ)主演のゴッド・ギャンブラーシリーズの第1弾です。
以前も書きましたが、「ゴッド・ギャンブラー」と名前の付く邦題が多く存在します。
しかしチョウ・ユンファ主演の「ゴッド・ギャンブラー(賭神)」の正統な続編は「ゴッド・ギャンブラー 完結編(賭神2)」だけです。

 

賭神の異名を持つ凄腕ギャンブラーのコウ(周潤發)は日本を訪れ、上山(鹿村泰祥)とギャンブルで勝負をします。
コウが勝負に勝ち、上山は約束の金をコウに渡しますが、上山の目的は別にあります。


上山の父親は別の組と賭場を争っていましたが、相手の組はシンガポールの賭博王チャン(鮑漢琳)と手を組みます。
父親はチャンとギャンブルで勝負をしますが、チャンのイカサマによって大敗した父親は自殺に追い込まれます。
父親の仇を討つためにチャンと勝負をしたい上山ですが勝てる見込みがなく、賭神のコウに勝負をしてほしいと頼みます。
コウの弟分であるイー(龍方)はチャンの狡猾さを警戒して慎重に判断するように促しますが、上山の覚悟を感じたコウは頼みを引き受けます。

 

コウの身の安全を確保するため、上山は元特殊部隊の隊長であるロン(向華強)を用心棒につけます。

 

ギャンブラーのトウ(劉德華)と恋人のザン(王祖賢)が道を歩いていると、土地の所有者であるクウェート人男性(Mansook Ahmed)は私有地に侵入したトウたちを注意します。
男性に憎まれ口を叩かれて腹を立てたトウは憂さ晴らしに男性がいつも使用する手すりに細工をして地面に落とし穴を仕掛けます。

 

コウは友人であるダイゴ(陳耀光)のカード勝負を見守ります。
ダイゴの対戦相手のナム(楊澤霖)はイカサマを使ってダイゴに勝ち、ナムは手持ちが無くなったダイゴを挑発すると、挑発に腹を立てたコウがナムと勝負をすることになります。
ナムのイカサマを見抜いているコウは、イカサマカードを配っているナムの付き人ではなく給仕の女性にカードを配らせます。
コウに完敗したナムは金が足りないので小切手をコウに渡します。

 

負けた腹いせにナムが襲ってくることを予見したコウはイーとダイゴを徒歩で帰します。
ナムの手下たちは電車に乗車しているコウを襲おうとしますが、用心棒のロンが手下たちを倒します。

 

電車から降りたコウが道を歩いていると、コウはトウが仕掛けた落とし穴にはまって崖から転落して頭部を強打します。
音に気づいたトウはザンと弟分のウーグヮイ(黃斌)を連れて様子を見に行くと、意識を失っているコウを発見します。
いたずらが露見することを恐れたトウたちはコウを病院には連れて行かず、家へ連れて行きます。

 

トウたちはトウの祖母(陳立品)の助けを借りてコウの手当てをするとコウは意識を取り戻しますが記憶を失っており、言動や行動がとても幼くなっていました。
コウは自分の名前すらも忘れてしまっていたため、コウがチョコレートを食べていたことからトウたちはコウを「チョコレート」と呼ぶことにします。

 

トウは賭博場を営んでいるガウ(成奎安)に借金がありますが、ガウを騙して金を作ろうと企てます。
コウをガウの賭博場へ連れて行きますが、コウのカードテクニックを目の当たりにしたトウはコウを利用してギャンブルで稼ぐことを思いつきます。
トウの思惑通り勝って大金を稼ぎますが、豪遊して手持ちの金が無くなると闇金に行って金を借ります。

 

闇金から借りた金でギャンブルをしようとしますが、コウの大好物である高級チョコレートが手に入らなかったため、やる気を失くしたコウはギャンブルで負けて借りた金を失います。
怒ったトウはコウを見捨てようとしますが、結局心配になってコウの元へ戻ります。

 

トウたちはコウを病院へ連れて行くと、コウが記憶喪失になっていると医師(陳國新)から告げられます。
手術をすれば治る可能性があると言われますが手術費用が高額なため、トウたちは金を工面するために車や土地を売ることにします。
しかし闇金から借りた借金にまで手が回らず、取り立てから逃げるためにトウたちはホテルに身を隠すことにします。

 

再びコウを病院へ連れて行くと、トウは病院のトイレで闇金のシン(吳孟達)と遭遇したため逃げ出します。
トウはシンの一味に捕まってしまい、ザンはトウを助けるために働いて金を工面しますが借入金の返済には足りません。
ザンとウーグヮイはコウを賭神に仕立て上げてシンの会社へ連れて行き、シンを脅してトウの借金を帳消しにさせます。

 

コウの恋人のジャネット(張敏)は行方不明になったコウの身を案じています。
ジャネットの心配をよそにコウの弟分のイーはコウの不在をいいことにジャネットに手を出そうとします。
イーはジャネットに好意を持っており、兄貴分のコウに嫉妬していました。
ジャネットは抵抗しますが、イーともみ合っているうちに手すりを乗り越えて転落死してしまいます。

 

ジャネットは死の直前にイーの裏切りの会話をテープレコーダーに録音していましたが、テープレコーダーを発見したイーは証拠を消すためにテープを燃やしてしまいます。
吹っ切れたイーはナムと手を組んでコウを消すことを企てます。

 

コウたちが潜伏しているホテルにロンがやって来ます。
ホテルで待っていたコウは自分の背広からロンの名刺を見つけ、書かれていたロンの電話番号に電話をかけていたのです。
しかし記憶喪失のコウはロンのことを思い出すことができません。
トウたちはコウが賭神であることをロンから聞いて驚きますが、すぐにイーたちが送り込んだ刺客たちが現れたためホテルから逃げ出します。

 

賭神を尊敬しているトウはコウが賭神だと知るとコウを師匠と呼んで敬います。
イーが現れてコウを殺そうとしている現場を目撃したトウはコウを逃がし、イーを殴って気絶させます。

 

ロンは次々と刺客を倒していきますが、刺客の男に体を拘束されて身動きが取れなくなります。
窮地に追い込まれたコウは敵が落とした銃を拾い、次々と刺客を銃で倒していきます。
刺客を倒したコウは我に返り、怖くなって現場から逃走しますがビルの入り口で転んで頭部を強打し、タクシーに轢かれて意識を失います。

 

コウは病院へ搬送され、一命を取り留めます。
目を覚ましたコウは記憶が元に戻っていました。
イーはコウを心配しますが、イーが裏切者であることを知っているトウはイーに掴みかかります。
崖から転落した後の記憶が無いコウはトウのことをすっかり忘れてしまいます。

 

ジャネットが亡くなったことをイーから聞いたコウは退院後にジャネットがいた別荘へ行きます。

 

コウを殺そうとしていたイーは作戦を変え、コウと賭博王のチャンをギャンブルで対戦させてコウを負かそうと考えます。
イーはコウが勝負をしている時の映像をチャンに見せると、チャンはコウが勝負をかける時に指輪を触る癖があることに気づきます。
さらにイーはアメリカから取り寄せた特殊な眼鏡を使って肉眼では見えない印をカードにつけてイカサマを図ろうとしています。

 

勝負を挑まれたコウはチャンの旅客船へ向かいます。
給仕として侵入したトウはコウとチャンの勝負を見守ります。

 

両者はポーカーで対決しますが、特殊眼鏡をかけているチャンはコウのカードが分かるため、第一戦目はチャンが勝ちます。

 

賭けた金を多く失ったコウは次に賭けられる現金がわずかとなり、小切手も賭けます。
コウのカードが分かっているチャンはクイーンの4カードで勝負します。
しかしコウが出した手はエースの4カードで、コウが勝ちます。
なんとコウはチャンと同じ印を透視するコンタクトレンズを装着していて、コウもチャンのカードを全て把握していたのです。
チャンがカードの印を透視していることを知っていたコウはエースのカードの印をキングのカードの印に書き換えてチャンを見事に欺きます。
コウが指輪を触るのも欺くための作戦のひとつです。

 

イーが燃やした録音テープは燃え切っておらず、証拠のテープを発見したコウはイーの裏切りを知りながら騙されたふりをしてチャンとの勝負に挑んでいました。

 

負けて逆上したチャンは銃を取り出してイーを撃ちます。
海上で犯した罪は船の法律が適用されることを知っているチャンは、友人がいる国の船に乗船し、これまで犯罪を犯しても立件されることはありませんでした。
これを知っていたコウは事前に船の針路を変え、船は公海上ではなく香港の領海だったためチャンは殺人罪で逮捕されます。
復讐を果たせた上山はコウに礼を言います。

 

トウはコウが自分を忘れてしまったことに淋しさを感じていましたが、コウはトウたちのことを忘れてはおらず、これも敵を欺くための作戦であったと告げます。
その後、コウはトウを相棒に指名してラスベガスのカジノを荒らしに行くのでした。

 

新年一発目のレビューは明るめのコメディ作品「ゴッド・ギャンブラー」を選択してみました(^-^)
2023年もよろしくお願いいたします。

 

ハチャメチャだけど面白くて大好きな作品です(^O^)
私はゴッド・ギャンブラーのテーマ曲が大好きで、曲が流れると高揚感ハンパない(*‘∀‘)

 

最後チャンがクイーンの4カードを出した時「どうやって勝つの!?」って超ハラハラしたけど、まさかのコンタクトレンズで透視返し!!さすが賭神!!!
序盤でコウが西脇美智子演じるレイコとツボ振りで対決するシーンではレイコより小さい目を出すためにサイコロを破壊するという強引さが凄い(笑)

 

華仔演じるトウはクウェート人男性を罠にハメるために落とし穴を掘っていたけど、落とし穴掘って崖から突き落とそうとするなんてひでぇ(゚Д゚;)
コメディな作風だから許せるけど、なかなかの残酷な行為だよね(;'∀')
王祖賢(ジョイ・ウォン)演じるザンも可愛い顔してシンの脚にナイフを刺すという…。
肝が据わっているなぁ(^^;)

 

發哥はホントいい男だわぁ(*´▽`*)
賭神というプロフェッショナルな役柄のためか風格があってますます魅力的に見える(*´ω`*)
記憶を失ってからは幼い言動や行動を取るようになるのですが、これもまたカワイイ♪
チョコレートを食べる仕草がもうたまらなく愛おしい(*´Д`)
でもファンとしては發哥が張敏にチョコレートを口移しするのは複雑な気持ち(-.-)

 

プロデューサーの向華強(チャールズ・ヒョン)は用心棒役で出演されています♪
本作の正式な続編である「ゴッド・ギャンブラー 完結編(賭神2)」、以前レビューした「ゴッド・ギャンブラーII(賭俠)」、賭俠の続編である「ゴッド・ギャンブラー3(賭俠II上海灘賭聖)」にも出演されています。
私は未見なのですが「賭城風雲III(日本語版なし)」にも出演されているらしいです。
「ゴッド・ギャンブラー レジェンド(賭城風雲)」は観たんですけどね。
ヒョンさん用心棒役、似合いすぎるわ(*´ω`)
クールでとても魅力的なのら~♪
その筋の方というだけあって醸し出されるオーラが凄い。

 

この頃から徐々にコメディ路線になっていく達哥♪
本作ではまだコメディ度は控えめだけど、シンチーとタッグを組んだ達哥はホント面白い(^O^)
劇中では金貸し屋の役なのですが、会社の名前が「一定發財(必ず儲かる)」っていうのが笑える(´艸`*)
ちなみに日本語字幕だと「モウカル金融」って表記されていました(笑)

1980年代に売れ始めてから私生活が荒れていた達哥は豪遊して借金を作ってしまい、發哥にお金を借りようと頼んだところ断られたため2人の関係は冷え込んでしまいます。
でも後に改心した達哥は發哥とちゃんと仲直りしたそうです。
そんな達哥がもうこの世にはいないというのが本当に残念です。

 

70年代はカンフー映画の出演が多かった龍方(ロン・フォン)ですが、80年代後半以降はアクション・黒社会系の作品で悪役を演じることが多く、現地では「奸神(カンサン)」と呼ばれていたそうです。
日本語でいうと「悪役の神」みたいな意味かな。
確かに悪役が似合うルックスですよね(・∀・)
ご病気で若く亡くなられていて残念です。

 

ジョイ・ウォンの役名は日本語字幕で「ザン」と表記されていましたが、広東語発音だと「チャン」に近いです。
しかし「チャン」と表記してしまうと鮑漢琳(パウ・ホンラム)演じる「チャン」とカタカナ表記が被ってしまうので、「ザン」になったのかと思われます。

 

上山がコウにチャンと勝負をしてほしいと頼むシーンで、日本語字幕では「先代組長」と表記されていましたが、広東語音声だと「家父(父親)」と言っていたので「父親」と表記しました。

 

本作ではMansook Ahmed演じるクウェート人男性はインド人という設定なのですが、実はインド人ではなくクウェート人男性だったという設定が賭俠で明らかになります。
当時湾岸戦争があったので時事ネタを取り入れたそうです。

 

バリー監督はラブホテルにいるお客さん役で出演されていました。
監督は毎回ちょいちょい出るね(笑)