港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘

燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘

原題 打擂台

製作 2010年

★★★★★

 

郭子健(デレク・クォック)と鄭思傑(クレメント・チェン)の共同監督によるカンフーアクション作品です。

 

不動産会社で働いている青年チョン(黃又南)は不注意で上司の機嫌を損ねてしまい、土地回収の仕事を押しつけられます。
チョンは回収を命じられた土地へやって来ると子供におもちゃの銃で撃たれ、腹を立てたチョンが子供に詰め寄ると、子供の兄であるガイ(羅永昌)が弟をいじめられたことに腹を立て、仲間と共にチョンを袋叩きにします。
そこへ脚を引きずる武術家のソン(梁小龍)が通りかかって喧嘩の仲裁に入りますが、ガイに門派を侮辱されたソンは怒ってガイたちをやっつけます。
ソンの強さを目の当たりにしたチョンは感銘を受けます。

 

チョンはひと休みするために羅記茶館を訪れます。
茶館の厨房でソンを見かけたチョンは弟子入りを志願しますが断られてしまいます。
ソンにやられたガイは仕返しをするために兄貴分のケイロン(羅莽)を連れて茶館に押し入ると、ソンの兄弟子であるセン(陳觀泰)は警察のヨン(顧冠忠)に通報します。
店内は一触即発状態となりますが、ヨンとクワイ(賈曉晨)が駆けつけると、警察官のヨンを見たケイロンたちは萎縮し、茶館から去って行きます。
チョンは助けてくれたクワイに礼を言おうとしますが、誤ってクワイを怪我させてしまったため怒ったソンに追い出されます。

 

チョンは本来の目的である土地回収のために地主と話をつけに行きますが、かつてチョンがいじめていた同級生のマン(歐陽靖)が地主であることを知ります。
成人した現在のチョンは虚弱ですが、幼少期は喧嘩に明け暮れる毎日で同級生のマンを倒して優越感に浸っていました。
マンはチョンにやられた怪我が原因で現在も首にコルセットを装着しています。
マンは武術を習っていてチョンに手合わせを申し出ると、嫌がるチョンを完膚なきまでに叩きのめします。

 

センは羅記茶館の土地を売却しようと考えていますが、ソンは師匠のロー(泰迪羅賓)が目覚めるまで土地を売ることはできないと反対します。
ソンとセンの師匠であるローは30年間眠り続けていて、ローを慕っているファン(邵音音)は毎日ローの身の回りの世話をしています。
しかしファンはローがこの先長くもたないことを懸念しています。

 

羅記茶館の土地は当時マンの父親がローに貸したものですが、マンは土地を取り返そうとしています。
マンは地上げの手伝いをしているガイや手下たちを連れて茶館へ乗り込み、チョンを脅して土地の契約書を奪ってくるように指示します。

 

異変に気づいたソンたちはマンの手下たちと戦いますが、センの前に強敵のケイロンが立ちはだかります。
この隙にマンの手下たちはローの寝室に押し入って土地の契約書を探しますが、体に衝撃が加わったことでローが目を覚ますと、暗闇の中で驚いたマンの手下たちはローをお化けだと勘違いして逃げていきます。
ソンたちはローを病院へ連れて行きます。

 

30年前、羅新門を創設したローは無敵の武術家でしたが、挑戦してきた男に敗北します。
羅新門には多くの門弟がいましたが、ローが敗北したことで多くの門弟が羅新門から去っていきます。
それでもソンとセンは武館に残り、眠り続けるローが目覚めるのを待ち続けています。
いつしか武館は茶館となりますが、茶館に暴漢が押し入った時にソンは脚、センは腕に重傷を負います。
クワイは当時茶館で働いていた女性の娘なのです。

 

病院へ搬送されたローはついに目を覚ましますが、長い間眠り続けていたので記憶を失っており、チョンを弟子だと思い込んでいます。
ソンとセンはローが自分たちを忘れてしまったことに落胆しますが、弟子だと勘違いされているチョンにローの面倒を頼むことにします。
センはローが目を覚ましたことをファンに伝え、ローに悟られないように急いで武館を復活させます。
ローは妻が作ったアヒルの燻製をとても大事にしていましたが、紛失してしまったのでセンはファンと一緒に新しく作り直します。

 

退院したローが武館に戻って来ると、トレーニングジムを経営しているポン(陳惠敏)が挨拶をしにやって来ます。
ポンのジムで武術を習っているマンも同行し、ローに対して土地の返還を要求しますがローは応じません。
ポンは武術大会の挑戦者を募集しており、挑戦募集のテレビ広告を観たローは弟子たちを参加させることにします。
チョン、ソン、センは大会に出場するために地獄の修行が始まります。

 

高額な武術大会の参加費用を工面し、大会規定の白いTシャツも用意してローたちはポンのジムを訪れます。
練習をしていたマンがチョンに手合わせを申し出ると、厳しい修行の成果が出てチョンはマンを倒します。

 

チョンとクワイは帰り道でガイたちに襲われ、クワイはローたちに助けを求めます。
ガイと一緒にいたマンは再びチョンに勝負を挑みますが、チョンは断ります。
マンが強くなろうと決めたのは幼少期にチョンにいじめられた復讐心が根底にあります。

 

ローたちが駆けつけて争いを止めようとしますがケイロンが現れます。
ローはケイロンと戦おうとしますが、ローが意識を失ったためセンがケイロンと戦います。
センはケイロンを倒しますが、大会外での私闘は禁じられているため、チョンたちは試合に参加する資格を失います。
ポンはチョンたちを試合に参加させないようにマンたちを使って私闘を仕向けたのです。

 

目を覚ましたローは記憶を取り戻し、ソンたちを思い出します。
センは大会の出場が失格になったことをローに伝えますが、ローは武術に形式的な場所など必要ないと言います。
弟子たちを奮起させるローですが、ローは戦いの日を迎える前に亡くなり、糸が切れたように気力が無くなったセンは土地の契約書をチョンに渡します。
チョンは本来の目的であった土地回収に頓着せず、ローの言葉通り戦う意志を貫こうとしているチョンはポンのジムに行ってマンに挑戦状を渡します。

 

ポンはマンを連れて羅記武館に向かい、マンの兄弟子のクワン(李海濤)と合流して武館へ入ります。
チョンはクワンと戦います。
チョンは修行をして入門前よりは強くなりましたが、それでも強敵のクワンにはとても敵いません。
そこへ同じく挑戦状を出していたソンが現れてチョンの代わりに戦うことを宣言すると、ポンは喪章をつけてローの死を悼みます。

 

クワンは強く、かつては羅新門最強の門弟だったソンでもクワンに苦戦します。
センとクワイが武館にやって来ると、センはソンに喝を入れて奮起させます。
ソンは古傷とクワンに攻撃された痛みを堪え、反撃を開始します。
限界を超えたソンは渾身の飛び蹴りをクワンに浴びせて倒れ、力を使い果たします。
ソンは勝つことはできませんでしたが、圧倒的な強さの前に立ち向かう武術の精神を取り戻すのでした。

 

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面白くて大好きな作品です(*^^*)
現代劇なのですがノスタルジックを感じます。
面白さもあるのですが、なによりカンフー愛がある作品だなぁって感動しました(T_T)
やっぱり香港映画といえばカンフー、カンフーといえば香港映画なのだと再認識させられます。

 

往年のカンフースターの出演がめっちゃ嬉しいです!!
陳觀泰(チェン・カンタイ)VS 羅莽(ロー・マン)のイケおじ対決最高(*´▽`*)
顧冠忠(クー・クウンチョン)は一瞬ですが警察官役で出演されていました♪
こちらもイケおじ(*´з`)
もちろん陳惠敏(チャーリー・チャン)も♪♪
もうイケおじ祭りじゃないか(*>_<*)

 

そして大好きな梁小龍(ブルース・リャン)!
限界を超えて戦うクライマックスシーンは最高に熱い!!
年を取っても彼らのカンフースピリットが衰退することはありません!!!
ちなみにブルース・リャンが序盤で着ている黄色のTシャツに書かれているのは「維他奶(ビタソイ)」で豆乳を中心とした飲料メーカーの会社名なのですが、香港映画を観ていると結構目にする機会がありますね。

 

原題の「打擂台(ダーロイトイ)」とは現在でいう「リングの上で戦う・争う」といった意味です。
それにしても邦題のインパクトがすごいね(笑)
じじぃドラゴンって(^^;)
個人的には「じじぃ」というより「おっさん」のほうがイメージに合うんだけど、語呂的には「じじぃドラゴン」のほうがいいのかな(笑)

 

オープニングのテーマ曲がドラゴン怒りの鉄拳風なのも良いなぁ(*'▽'*)
こんなの嬉し過ぎるし、もう心躍りまくり♪♪
元德さんが本作のアクション監督を務めているのですが、オープニングクレジットでカンフーしている人って元德さんっぽいけど違う?
もう一人の方は分からないなぁ。

 

黃又南(ウォン・ヤウナム)のヘタレぶりが好演でした(^-^)
ウォン・ヤウナム演じるチョンは本作の主人公なのですが、彼はアクション俳優ではないのでアクションパートに関してはベテランのアクション俳優さんたちが脇を固めます。
チョンは物語の中で成長もしていますし、こういうアプローチの仕方もありだと思います。
でも幼少期に同級生の首に障害を負わせたというエピソードはなかなかヘビーだよね(゚Д゚;)

 

ロー師匠役の泰迪羅賓(テディ・ロビン)もアクション俳優ではないですが、彼の師匠役は意外としっくりきます(・∀・)
女たらしの師匠ですが、強い信念を持っていて武館を大切にしています。
物理的な武館そのものだけではなく、カンフースピリットを重んじています。
カンフーは師匠の人生そのものなんですよね(*^-^*)

 

チャーリー・チャン演じるポンはジムの経営のためにやむを得ず商業主義に走っていましたが、内に秘めていたカンフースピリットがちゃんと生き続けていたので嬉しい(*^^*)

 

杜琪峯(ジョニー・トー)作品でおなじみの羅永昌(ロー・ウィンチョン)が出演されていましたが、トー作品以外に出演してるのって珍しいかも。
チンピラ役でいいキャラしていました(^ω^)

 

本作は第30回香港電影金像奨で「最佳電影(最優秀作品賞)」を受賞されていますが納得。
カンフー映画好きなら観て損はない…はず!!