港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

ギャンブリング・ゴースト

ギャンブリング・ゴースト

原題 洪福齊天

製作 1991年

★★★★

 

高志森(クリフトン・コウ)監督、洪金寶(サモ・ハン・キンポー)主演のアクションコメディ作品です。
孟海(マン・ホイ)が亡くなられたので追悼といたしまして出演作品を取り上げてみようかと思います。

 

ポウ(洪金寶)とシウホイ(孟海)はホテルでバレーパーキングの仕事をしている悪友です。
ある日、ホテルへやって来たリリー(利智)という美しい女性に魅了されてしまうポウですが、リリーは連れの男性のロン(黃霑)の高級車を奪って逃走します。
車を奪われたロンは激高してポウに詰め寄り、騒ぎに気づいた支配人(劉良發)が駆けつけるとポウの過失によって客の車が盗まれたことを知った支配人はポウを叱責して謝罪するように命じます。
しかし非を認めないポウはロンへの謝罪を拒否して仕事を辞めてしまいます。

 

ポウは仕事を辞めたことを父親(洪金寶)に伝え、新たな事業を立ち上げるためのお金を借りようとしますが、生真面目なポウの父親はポウが提唱する地に足がつかない事業に対して怪訝に思い反対します。
ポウの父親は他に新しい仕事を探すように促してポウに就職資金を渡します。

 

ポウは一緒に仕事を辞めたシウホイと賭博場で遊んでいると、再び男性と一緒にいるリリーを目撃します。
リリーは忘れ物をしたと言って連れの男性の車へ向かうと、ポウとシウホイはタクシーに乗ってリリーが運転する車を追跡します。
リリーは盗んだ高級車を密輸業者に売りさばいており、取引の現場へやって来たポウとシウホイはリリーを問い詰めますが逃げられてしまいます。

 

ポウとシウホイは別のホテルでバレーパーキングの仕事を始め、三度リリーが男性と一緒に姿を現します。
ポウは二人が下車した後の車からガソリンを抜き、ポウの細工に気づかないリリーはいつもの手口で高級車を盗みます。

 

途中でガス欠により停車してしまったリリーのもとに変装したシウホイが現れて立ち往生していた彼女を車に乗せて助けます。
その間にポウは盗難車にガソリンを入れて走らせ、リリーの代わりに盗難車を密輸業者に売り飛ばそうとします。
しかし取引現場にロンが手下を従えて待ち伏せしており、ポウは駆けつけたシウホイの車に乗って逃走を図りますがエンジンがかからず、二人は車を乗り捨ててロンの一味と戦います。
隙を突かれたシウホイはロンに捕まり、ロンはシウホイを人質にして身代金を3日以内に払うようポウに要求します。

 

文無しのポウはお化けのふりをしてタクシーに無賃乗車しますが、不審に思った検問所の警察官たち(吳耀漢、程守一)はポウを追います。
ポウは茂みの中に逃げ込むと、そこには亡くなったポウの祖父であるガウ(洪金寶)の墓があり、ガウの亡霊が現れると驚いた警察官たちは逃げ出します。
シウホイを助けるために多額の金を用意しなくてはならないプレッシャーとうまくいかない生活に嫌気が差したポウはガウの墓石に八つ当たりします。

 

帰宅したポウは機嫌が悪く、父親と口論になります。
そこへガウの亡霊が現れて二人の喧嘩を制止します。
ガウは生前ギャンブルで生計を立てており、多くの貧しい人たちを救っていたと豪語します。
ポウはガウからギャンブルのテクニックを学んで儲けようと企み、賭博場へ向かいます。

 

ポウはガウの特殊能力を駆使してギャンブルで勝ち続け、さらに宝くじで見事高額当選を果たします。
するとガウは復讐のためにある人物を殺してほしいとポウに依頼しますが、ポウは捕まっているシウホイを助ける必要があると言います。

 

ポウはギャンブルで稼いだ大金を持ってシウホイが捕まっている埠頭へ向かいます。
しかしポウはロンに金を渡さず、ガウのパワーを借りてロンの手下たちを次々と倒していきます。
追いつめられたロンは銃器を持ち出しますが、ポウはバズーカの弾を跳ね返すと怯んだロンと手下たちは逃げ出し、ポウはシウホイを救出します。

 

ポウはガウの復讐を引き受けるつもりはなく、ガウを成仏させるために道士(林正英)を呼びます。
ガウの怨みは根深く、復讐を果たすまでは成仏しようとしません。
道士はガウを焼き払おうとしますが、帰宅したポウの父親が火災に気づいて道士に向けて消火器を噴射し、怒った道士は帰ってしまいます。

 

ポウとシウホイはギャンブルで稼いだ金を使って豪遊します。
復讐を諦めきれないガウはポウを説得しますが、殺人を犯したら逮捕されてしまうのでポウは渋ります。
ガウは復讐に応じないポウを気絶させ、ガウの過去の記憶をポウに見せます。
ガウにはモウリョン(葉榮祖)というビジネスパートナーがいましたが、モウリョンは手に入れたゴールドを独り占めするためにガウを裏切って殺害します。
ポウはガウが無残な死に方をしたことを知ると復讐を決意します。

 

ポウとシウホイはモウリョンの孫のダイセン(伍小平)と接触します。
石油関係の仕事をしているダイセンはポウにビジネスの話を持ちかけ、邸宅へ招きます。
ダイセンの邸宅にはビジネスで訪問していたリリーの姿がありました。
モウリョンはポウがガウの一族であることを見抜いており、用心棒たち(周比利、Robert Samuels、田俊)にポウの殺害を命じます。

 

ガウはポウに憑依し、モウリョンに対して金と命を頂くと宣告します。
ポウは用心棒の一人を倒すと苦戦しているシウホイに加勢します。
用心棒たちは手強く、ポウとシウホイは苦戦を強いられますが、駆けつけたポウの父親が残りの用心棒たちを倒します。
ポウの父親はカンフーの達人だったのです。
用心棒が倒されるとダイセンは祖父のモウリョンを裏切り、これに腹を立てたモウリョンはダイセンに掴みかかりますがダイセンはモウリョンを突き飛ばします。
突き飛ばされたモウリョンは死亡し、リリーはダイセンをプールに突き落とします。

 

ガウがダイセンの金を拾おうとするとポウの父親は汚い金に手をつけるなと咎めます。
復讐を果たしたガウは姿を消し、一同はモウリョンの邸宅を後にするのでした。

 

-------------------------

 

相変わらずのハチャメチャぶり(笑)でも面白いです(^O^)
内容的に「燃えよデブゴン」の邦題をつけても良さそうな感じ(笑)
燃えよデブゴン ギャンブリング・ゴースト」でもいいんでない?

 

本作は日本だとVHS版しか存在しないのが残念。
私は香港版で観ました。
面白いので日本でもブルーレイを出してほしいなぁ(´ω`)
ちなみにサモハンホラー三部作の「鬼打鬼」「人嚇人」「人嚇鬼」がブルーレイで発売中です。
特に「人嚇人」と「人嚇鬼」はプレミア化していて入手困難だったのでファンにとって待望のリリースだったのではないでしょうか。
さらに来月には「レディ・ハード 香港大捜査線」「皇家戦士」「チャイニーズ・ウォリアーズ 中華戦士」がブルーレイで発売されます。
ミシェール姉さんがアカデミー賞を受賞した効果ですかね??嬉しいです(*^^*)

 

「ギャンブリング・ゴースト(洪福齊天)」はサモハンが長年在籍したゴールデン・ハーベストを離れて製作された作品です。
90年代に入るとさすがのサモも時代の波には逆らえず、徐々に低迷を迎えます。
思うような作品作りができず、会社と意見の相違や対立などのトラブルがあってゴールデン・ハーベストと決別したといわれています。
アクション映画が下火になったというのもありますが、90年代は映画界自体が不景気に陥った時期でもあります。
新たなジャンルの作品が台頭してきて、あと何といっても90年代はチャウ・シンチーの活躍が目覚ましいですよね。
私はチャウ・シンチーが大好きですが、サモのアクションコメディも大好きです(´ω`*)
これは比べるものではないですね。

 

今回サモは一人三役です。
大変そう(^^;)
オープニングから賭神のパロディ面白過ぎる(笑)
リリーにデレデレするサモの顔も面白い( *´艸`)
再就職先のホテルで上司から賭け事は禁止だって言われた直後に賭け事してるし(笑)
ポウはリリーが盗んだ車を取り戻すのかと思いきや、横取りして売り飛ばすんか~い(;'∀')

 

洪家班メンバーがちらほらゲスト出演されていますが、道士役がラム・チェンインだったのは嬉しい♪
やっぱ道士といえば九叔だわ(^O^)

 

ジェームス・ティエンは何で袈裟を着ているんだろう??
キャラ設定がよく分からない(^^;)

 

劇中で登場する「マーク・シックス」は日本でいう「ロト6」のようなものです。
広東語だと「六合彩(ロッハッチョイ)」といいます。

 

マン・ホイは本当にカワイイ(*´▽`*)
この頃30代なんですけどもっと若く見えますね。
京劇出身なので可愛い見た目とは裏腹に動きはキレキレで、小柄ですが激しいアクションもこなします。
可愛くてアクションできるって最高(*´з`)
本作の武術指導も担当されていて、劇中では周比利(ビリー・チョウ)と戦うシーンがあるんですけど体格の差バトルが萌える(*´Д`*)
相変わらずビリー・チョウのキックはえぐいっすわ~。

マン・ホイは主役より助演で光るタイプで、演者以外でも洪家班で活躍し、サモハンを支えたプロフェッショナルです。
調べてみると映画での遺作は「カンフー・ジャングル(一個人的武林)」だったんですね。
鬼籍に入るには早すぎて本当に残念です。
謹んで哀悼の意を表します。