男たちの挽歌III アゲイン/明日への誓い

男たちの挽歌III アゲイン/明日への誓い

原題 英雄本色III 夕陽之歌

製作 1989年

めぐちゃんの満足度 ★★★★

 

香港ノワールの傑作「男たちの挽歌(英雄本色)」シリーズの第3弾です。
男たちの挽歌シリーズの正統な続編であり、完結編となっております。
邦題の挽歌率の高さと紛らわしさといったら(笑)

 

1974年
マーク(周潤發)は華僑の親戚に会うために香港からベトナムにやって来ますが、税関で足止めを食らいます。
マークは所持していた大金を没収されそうになり、たまたま居合わせたキティ(梅艷芳)という女性の計らいによって事なきを得ます。

 

空港を後にしたマークは刑務所に収容されていた従弟のマイケル(梁家輝)を出迎えます。
マイケルの父親で中医師のチョン(石堅)はサイゴンで薬局を営んでいますが、情勢不安のベトナムの現状を危惧したマイケルはチョンを連れて出国しようと考えています。
しかし出国の資金を調達する際に裏取引が露見し、マイケルは刑務所送りとなってしまったのです。
釈放されたマイケルはマークを連れて帰宅します。
マイケルの自宅には父親のチョンとベトコンの侵攻によって両親と離れ離れになったベトナム人の孤児のパット(鄭偉倫)が住んでいます。

 

マイケルは出国の資金を手に入れるため危険を顧みず政府軍のボン(林領南)と取引をすることを決断します。
マークとマイケルは取引の買い手を見つけるために裏社会を牛耳るチャウに会いに行きますが、チャウの正体は税関でマークを助けたキティでした。
女ボスとして裏社会で生きるキティは用心深く、ボンと取引をするのは危険だとマークたちに警告しますが、二人は出国するためにどうしても資金が必要だとキティを説得します。
マークたちに説得されたキティは承諾し、キティは改めて取引の場所や日時を二人に伝えます。

 

兵を引き連れたボンが取引現場に姿を現し、直後にマークとマイケルも到着します。
しかし金に目が眩んだボンはマークたちを裏切って金を奪おうとしたため、キティは隠し持っていた銃で応戦します。
銃撃戦となりますが、汚職が露見したボンは駆けつけた政府軍によって逮捕されます。

 

出国の資金を手に入れたマークとマイケルは香港へ行くためにチョンを説得します。
チョンはサイゴンに残るパットに薬局を託して三人は出国手続きへ向かいます。

 

税関の職員と顔見知りのキティですが、居合わせたのは彼女の知らない職員だったのでマークたちは荷物検査を受けることになります。
職員によってドル紙幣が没収され、心臓が悪いチョンは薬局の看板を壊されたショックで発作を起こします。
幸い持っていた薬をチョンに飲ませると大事には至りませんでしたが、マークは出国するために警棒を持ち出して強硬手段に出ます。
直後にキティが顔見知りの職員と共に現れ、ドル紙幣を横領しようとしていた職員は逮捕されます。
キティはベトナムに残り、マークたちは香港へ向かいます。

 

香港で新たな生活を始めたマークとマイケルは整備工の仕事に就き、のちにキティが香港にやって来ると彼女と再会を果たしたマークとマイケルは喜びます。
出国の協力をしているうちにマークとキティは互いに好意を抱くようになりますが、キティには長い間行方不明になっている恋人がいます。
キティの恋人は黒社会を牛耳るホー(時任三郎)で、命を狙われていてずっと身を潜めていましたが、突如キティの前に姿を現します。

 

ホーは身内の裏切りによって命を狙われることになったため、情報を流した仲間のサップ(傅宏達)を粛清します。
さらにホーはキティに関わったマークたちの元に開店祝いと称して爆弾入りの花を送りつけ、爆発に巻き込まれたチョンが死亡します。
目障りなマークとマイケルを殺害することができなかったため、ホーは二人に香港から立ち去るように脅します。

 

香港を発つ前の晩、キティはベトナムで購入したコートをマークにプレゼントします。
自分の恋人のせいでチョンが亡くなり、マークたちの居場所も奪ってしまったことに責任を感じたキティはひとつの計画を企てます。

 

ホーは保管してある財産を回収するためにキティを連れてベトナムへ向かいます。
マークとマイケルも再びベトナムを訪れ、チョンの薬局に戻ると軍に入隊したパットと再会します。

 

情勢不安のサイゴンでは検問が行われており、ホーたちは政府軍に捕まります。
服役を終えたボンがホーの前に現れると、ホーはボンを買収しようと目論みます。

 

パットがキティを発見するとすぐにマイケルに伝え、マイケルとキティは再会します。
しかしベトコンに襲撃され、パットが加勢して三人は廟堂から脱出しますが、マイケルが爆発に巻き込まれます。

 

キティの居場所を知ったマークは彼女の元を訪れると、ホーと一緒に不可解な行動を取る彼女を不審に思って問い詰めますが、キティは事情を話そうとしません。

 

ボンと手を組んだホーはキティの店の金庫に保管している金を取りに行きます。
しかし狡猾なボンは金を独り占めしようとしたためホーとボンは敵対し、銃撃戦が始まります。
キティは鞄に時限爆弾を仕込んでおり、命をかけてけじめをつけようとしていましたが、爆弾の存在をホーに気づかれてしまい不発に終わります。

 

マークはチョンの死の落とし前をつけさせるためにホーの前に姿を現します。
キティは争う二人を制止しようとしますが収まらず、控えていたホーの部下(金揚樺)はホーの身を最優先に考えてキティを銃で撃ちます。
すぐさまホーは部下の男を撃ち、キティを介抱するマークに銃口を向けますが、ホーはキティを本気で愛するマークを撃つことはできませんでした。

 

瀕死の状態の部下の男が人影に気づいて銃を手に取ると、ホーは反射的に部下の男を射殺しますが、潜んでいたボンがホーに向けて銃を乱射します。
マークはボンを撃ち、重体のホーはキティを助けてほしいとマークに頼んで息絶えます。

 

ボンは逃走を図りますが、路上ではマイケルが待ち構えており、パットも駆けつけて加勢します。
追いつめられたボンは戦車に乗ってマイケルたちを襲います。
マークは銃弾を受けたキティをマイケルに預けると爆弾の入ったケースを引きずりながらバイクごとボンの戦車に突っ込みます。
衝突の寸前にマークはバイクから投げ出され、ボンは戦車ごと爆発します。

 

マークたちはすぐにキティを病院へ連れて行きますが、病室には戦争で負傷した大勢の人たちで溢れていてとてもすぐに診てもらえる状態ではありませんでした。
キティはマークたちの身を案じてすぐにベトナムから避難するように告げ、パットは行方不明の両親を捜すためにベトナムに残ります。
マークはキティを連れてマイケルと軍用ヘリコプターに乗り込みますが、重体だったキティは息を引き取ります。

 

 

本作は吳宇森(ジョン・ウー)ではなく徐克(ツイ・ハーク)が監督を務めています。
そもそもジョン・ウー男たちの挽歌の続編を作る気はなかったそうなのですが、続編の製作を熱願されたジョン・ウーは2作目の監督を引き受けて興行的成功を収めます。
噂によると当時ジョン・ウーツイ・ハークは作品の方向性などの隔たりがあったらしく、
ジョン・ウーは「狼 / 男たちの挽歌・最終章(喋血雙雄)」の製作が終わるとツイ・ハークの映画会社「電影工作室」を離れます。
3作目の監督をジョン・ウーに依頼していたそうなのですが結局実現せず、ツイ・ハークが監督を務めることになったそうな。

 

男たちの挽歌を観た私は瞠目し、続編も大変気に入っている作品なので3作目の本作を観賞するにあたり、監督はジョン・ウーじゃないし、狄龍様は出てないし、当初は正直懸念を抱いていました(^^;)
観賞後、そんな懸念は吹っ飛びました。
結構好きです(*'▽'*)
これまでのシリーズとは作風が異なりロマンス要素が強く、前2作の男くさい感じは控え目です。
でも激動の時代を生き抜いたマークの過去を描いた本作は見応えあり('▽')ノ

 

マークのトレードマークのサングラスやコート、銃の使い方もキティが関わっていたのね。
きっと後付けだけど、こういう設定は嬉しい(*^^*)
欲を言うと、マークがなぜ黒社会の道へ進むことになったのかもう少し明確な動機の描写があれば良かったかなって思いました。

 

アニタ姉さんはコメディエンヌとしても最高だけど、ガンアクションもかっこいい(*‘∀‘)
日本語版だとアニタ姉さんの役名は「キティ」なのですが、オリジナル版の役名は「英傑」です。
名前のイメージが全く異なるね(笑)

 

劇中でマークのテーマ(ジョセフ・クー作曲)が流れてちょっと「おっ!」となったのですが、今回の作品の雰囲気から少し浮いたような印象も否めないかも。

 

マークとマイケルは恋敵になっちゃってマークが身を引こうとするのが切ない( ;∀;)
マイケルは優しくて思いやりがあって死をも恐れない勇気のある青年なのです。
最後眼鏡がボロボロになってたな(^^;)

 

パット役の鄭偉倫(チェン・ワイロン)も凄く良かった(*'ω'*)
両親と離れ離れになってつらい思いをしているのに入隊後は勇敢な青年になっていて、命をかけてマークたちを助ける姿にほろり…(:_;)

 

序盤のボンとの銃撃戦シーンは九龍で撮影されています。
そういえばボン役は林嶺東(リンゴ・ラム)のお兄さんの南燕(ナム・イン)だった!
ここでは本作のクレジットに準じて「林領南」と記載しました。

 

本作には時任三郎氏が出演されていますが、ホー役が日本人である必要性があまり感じられないのですがどうなのでしょう(^^;)?

 

税関のシーンはハッキリ言って胸糞悪いね(`Д´)
職員が親父さんの命ともいえる薬局の看板を壊しちゃうシーンは怒りを通り越して悲しくなっちゃったよ…。

 

日本版ブルーレイの特典映像に「撮影現場潜入&チョウ・ユンファインタビュー」が収録されているのですが、とにかくツッコミどころ満載!!!
ナレーションの人が国民的歌手のアニタ姉さんに対して「女優がちょろっとCDを出しちゃって~」という妄言があったり、もっと香港に精通しているスタッフに製作してもらいたかったなぁ(~_~;)
実はこの特典映像の内容は昔VHS版で発売されたドキュメント映像を編集したものらしく、私は観たことがないのですが、「ず~っと、香港映画漬け!?」のブログでこのドキュメント映像に関しての記述があって大変興味深くて面白いです(^^)
気になる方はぜひご覧ください。

ドキュメント男たちの挽歌 香港ノアールの戦士達

 

主題歌はアニタ・ムイによる「夕陽之歌」で、ご存じの方も多いかと思いますがこの曲はマッチこと近藤真彦の「夕焼けの歌」のカバー曲です。
この曲が発売された当時の私はまだ幼かったので記憶にないのですが、改めて聴いてみると名曲ですね。
オリジナル版も非常に素晴らしいのですが、アニタ姉さんの歌声が沁みる(ToT)

 

当時アニタ姉さんはマッチと恋人関係だったという話がありますが、どうやら事実である可能性が高いようで。
でもマッチは人気と比例するようにスキャンダルも多かったので、成就しても苦労が絶えなかったかもしれませんね(^^;)

 

話は全く変わりますが、最近李SirがTikTokを始めたようでちょいちょい覗いています(笑)
でも会話がほとんど普通話なんだよなぁ。
我希望佢講廣東話喎(-з-)