港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

ドラゴン・キングダム

ドラゴン・キングダム

原題 The Forbidden Kingdom / 功夫之王

製作 2008年

★★★★★

 

Rob Minkoff(ロブ・ミンコフ)監督によるカンフーアクション作品です。
アメリカと中国の合作で、ジャッキー・チェンジェット・リーが初共演した作品です。

 

4月7日はジャッキーの70歳の誕生日なので出演作品をレビューしてみました♪
生日快樂、大哥(*^^*)
ネットでは白髪のジャッキーを見た人たちが「老けた」とか「年を感じる」とか反応してたけど、わたし的には白髪のジャッキーめっちゃ好みです(*´▽`*)
酔拳をリメイクしてこの雰囲気のままジャッキーが師匠役をやったら最高じゃない??

 

サウスボストンに住むジェイソン(Michael Angarano)はカンフー映画好きで、チャイナタウンにある質屋の常連です。
店内でカンフー映画のDVDを購入しようとしていたジェイソンは店の奥の床に落ちていた棒を発見すると、質屋の店主ホップ(成龍)は祖父の代からある預かり物だと説明します。

 

ジェイソンのクラスメイトの不良グループはジェイソンが購入したDVDを奪うと、強盗をするためジェイソンを脅してホップの質屋へ案内させます。
不良グループが店内で金銭を物色しているとホップが現れたため、不良グループのリーダーのルーポ(Morgan Benoit)は持っていた拳銃でホップを撃ちます。
撃たれたホップは預かり物の棒を持ち主に返してほしいとジェイソンに託します。

 

ジェイソンは棒を持って逃げますが、口外されることを恐れたルーポたちはジェイソンを追います。
ルーポたちに追いつめられたジェイソンは棒を持ったまま屋上から落下してしまいますが、意識を取り戻すと雄大な自然が目に飛び込んできました。
見知らぬ土地で目を覚まして混乱するジェイソンですが考える間もなく大軍が村に押し寄せ、兵に見つかったジェイソンは逃げ出します。
酒に酔った旅の学者ルー(成龍)は兵に取り囲まれていたジェイソンを救出して村から脱出します。

 

ジェイソンが持っている棒は孫悟空李連杰)の如意棒で、ジェイソンは導かれし者として時空を超えて古代中国へやって来たのだとルーは説明します。
孫悟空はとても強く、彼の噂は五行山まで伝わるようになります。
玉帝(王德順)は五百年に一度長寿を祝って蟠桃会を開き、不老不死の薬を飲みます。
勝手気ままな孫悟空蟠桃会へ現れると、軍の長であるジェイド将軍(鄒兆龍)は孫悟空の無礼な態度に腹を立てます。
玉帝は天界の統治をジェイド将軍に任せて瞑想に戻ると、孫悟空の存在を疎ましく思ったジェイド将軍は彼に決闘を挑みます。

 

決闘は五行山にあるジェイド将軍の宮殿で行われ、孫悟空は妖術で髪の毛から分身を作り出してジェイド将軍を翻弄します。
このままでは孫悟空に勝てないと思ったジェイド将軍は素手のみの戦いを持ちかけ、孫悟空は承諾します。
しかしすぐさまジェイド将軍は孫悟空に向かって気を放ったため、危機を感じた孫悟空は如意棒をはるか彼方へ飛ばします。
ジェイド将軍の気を食らった孫悟空は石になってしまいますが、不老不死の孫悟空は死ぬことはなく、如意棒を持った者が現れるのを待ち続けています。
ジェイソンが元の世界に戻るには孫悟空に如意棒を返して石の封印を解くしかありません。

 

客桟にジェイド将軍の兵たちが現れて如意棒を渡すようにジェイソンたちを脅します。
ジェイソンはルーに如意棒を投げるとルーは兵たちと戦いますが、次から次へと押し寄せる兵たちに埒が明かず退散します。
逃げようとするジェイソンが襲われそうになっているところを客桟にいたスパロウ(劉亦菲)が援護し、三人は客桟を後にします。

 

スパロウは五行山を目指していますが、ルーは途中の砂漠を超えるのは困難だと言って引き返そうとします。
過酷な旅になると予見したジェイソンはルーに武術を教えてほしいと頼みます。

 

如意棒を持った者が現れたことを知ったジェイド将軍は白髪魔女(李冰冰)を呼び寄せます。

 

旅の途中でジェイソンは突如現れた黙僧(李連杰)に如意棒を奪われます。
ジェイソンたちは黙僧を追って廃寺へやって来ます。
ルーは黙僧に如意棒を返すように求めますが、黙僧が応じないためルーと争いになります。
ジェイソンが導かれし者だと知った黙僧はジェイソンに武術を教えながら共に五行山を目指します。

 

両親をジェイド将軍に殺害されたスパロウは復讐を誓い、ジェイド将軍の命を狙っています。
ジェイド将軍は不老不死ですが、スパロウの持つ翡翠の矢は不老不死の者も滅ぼします。

 

過酷な砂漠を超えた四人の前に白髪魔女が姿を現します。
ジェイド将軍は如意棒と引き換えに不老不死の薬を白髪魔女に与えることを約束したため、白髪魔女はジェイソンから如意棒を奪おうとします。
ルーたちは白髪魔女と戦いますが、大軍が押し寄せたため退散します。
しかし逃げる途中で白髪魔女の射った矢がルーの背中に刺さり、ジェイソンたちは負傷したルーを寺院へ運びます。

 

スパロウからルーが不老不死であることを聞いていたジェイソンですが、実はルーは不老不死ではありませんでした。
重体のルーの身を案じたジェイソンは不老不死の薬がジェイド将軍の宮殿にあることを寺院長(葉小鏗)から聞くと黙僧の命令に背いて単身で宮殿へ向かいます。

 

ジェイソンはジェイド将軍に如意棒と薬の交換を持ちかけますが、ジェイド将軍は白髪魔女に不老不死の薬を渡す約束をしたのでジェイソンが薬を手に入れるためには白髪魔女と戦って勝つしかありません。
武術の修行をしたジェイソンですが白髪魔女には敵わず、如意棒はジェイド将軍の手に渡ります。
ジェイソンの首がはねられそうになると、駆けつけた黙僧とスパロウがジェイソンを救出します。

 

黙僧はジェイド将軍から如意棒を取り返して戦います。
ジェイソンは駆けつけた寺院の僧たちと協力して不老不死の薬を手に入れると、連れて来たルーに薬を飲ませます。
薬を飲んで生還したルーも参戦します。

 

ジェイド将軍に追いつめられた黙僧は如意棒をジェイソンに投げ渡すと、ジェイソンは如意棒を使って石になった孫悟空の封印を解きます。
孫悟空が復活すると黙僧は消え去ります。
黙僧は孫悟空の分身だったのです。

 

ルーは白髪魔女を倒し、スパロウは翡翠の矢をジェイド将軍に向かって投げますが跳ね返され、気で吹き飛ばされたスパロウは動けなくなります。
ジェイソンはスパロウに駆け寄ると瀕死のスパロウは翡翠の矢をジェイソンに託します。

 

孫悟空がジェイド将軍を如意棒で突き飛ばすと、ジェイソンが持つ翡翠の矢に突き刺さったジェイド将軍は滅びます。
スパロウが目を覚ますことはなく、彼女を助けることはできませんでした。

 

使命を果たしたジェイソンは元の時代であるサウスボストンへ戻ります。
ジェイソンが目を覚ますとルーポたちに取り囲まれ、銃でホップを撃ったことを口外しないように脅されます。
ルーポから暴行を受けるジェイソンですが、修行して強くなったジェイソンはルーポを圧倒し、怯んだルーポの仲間たちは逃げ出します。

 

ルーポに撃たれたホップは救急車で搬送され、ジェイソンは如意棒を持ち主に返したことをホップに伝えます。
ジェイソンが振り向くとスパロウにそっくりな女性が佇んでおり、互いにホップの無事を願うのでした。

 

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結構前に観た作品で今回レビューのために久々に観ましたが、やっぱ面白い(*'▽')
なんというか香港映画好きのツボを突いているというか、監督や脚本家をはじめスタッフの方たちのカンフー映画に対する愛を感じます。
カンフー映画ヲタのジェイソンの部屋にはブルース・リーやショウブラ作品のポスターがたくさん貼ってあって、それらがオープニングクレジットになっちゃうもんだから冒頭から気分爆上がりよ(*´▽`*)
あとドリームキャストゲームボーイニンテンドー64などのレトロゲーム機が置いてあるのも興味深い。
しかも海外版じゃなくて日本版なんですよね。
ちなみにジェイソンの部屋のテレビで流れている映像は何夢華(ホー・メンホワ)監督の西遊記(1966年製作)です。
孫悟空を演じているのは岳華様なのら~♪

 

本作の目玉といえばジャッキーとリンチェイの初共演ですよね(*'ω'*)
ジャッキーとリンチェイが一人二役を演じているのも贅沢で、一作でお得感がある♪
無邪気な孫悟空リンチェイが可愛すぎる♪♪
そしてなんといっても中盤のジャッキーとリンチェイのアクションシーン!!(一部ダブルを使用していますが)
うぉ~!!ジャッキーとリンチェイが戦っとる~!すげぇ~!同じ空間にいる~!
これは興奮したね(*゚∀゚*)
英語で会話していた二人が自然に中国語になっちゃうのが好き♪

 

ジャッキーが演じているのは醉八仙の呂洞賓(ルー・ドンピン)でジャッキーのキャラクターそのものが酔拳オマージュになっています。
客桟でジェイド将軍の兵たちと戦うシーンではルーがジェイソンを援護しながら戦う様子が蛇拳を彷彿とさせます。

 

Michael Angarano(マイケル・アンガラノ)演じるジェイソンを起用したのは個人的に良かったと思います。
ジャッキーとリンチェイの間に入ったことで調和が取れていて良い感じです(^-^)
終盤ではアクションシーンも披露されていて、ウーピンさんの厳しいアクション指導を受けたんだろうなぁ(;^_^A
劇中では二人の師匠に翻弄されるシーンがありましたが、ジャッキーとリンチェイから武術の指導を受けるなんて羨ましすぎるぞぉー!!

 

劉亦菲(リウ・イーフェイ)が演じた役の元ネタが「大酔侠」や「大女侠」で鄭佩佩(チェン・ペイペイ)が演じた「金燕子(チンイェンツ)」なのですが、日本語字幕では「金雀子(ゴールデン・スパロウ)」と表記されていて、英語のエンドクレジットも「GOLDEN SPARROW」と表記されていました。
「金燕子」だと「GOLDEN SWALLOW(ゴールデン・スワロウ)」になると思うので、名前を少し変えているのかな?と思ったら劇中の中国語では「燕子(イェンツ)」と発音していましたし、最後に出てくるスパロウのお店の漢字も「金燕子」と表記されていました。
金雀子なのか金燕子なのかどっちなんだ~い(^o^;)

 

コリン様は衣装もメイクもキラッキラ☆☆
安定した貫禄の悪役であります♪
リンチェイとの共演は多いけど、ジャッキーとコリン様は初共演…だったかな?
でも直接的な絡みがない( ̄ロ ̄lll)ガーン
玉帝って何でも見通してそうな絶対的存在のはずなのに素行が悪いジェイド将軍に統治を任せるってどうなのよ(^^;)

 

あとジェイソンのクラスメイトの不良グループ、ギャングかよっていうぐらい悪質で凶悪だよ!
いくらアメリカでもティーンエイジャーが簡単に銃をぶっ放すなんて怖すぎるわ!

 

原題は「The Forbidden Kingdom(禁制の王国)」なのですが、日本語で「フォービドゥン・キングダム」と書くと語呂が悪いので、「ドラゴン・キングダム」という邦題にしたのは正解ですね。
龍の王国が登場するわけではないのですが、ドラゴン・キングダムのほうがしっくりくる。

 

本作の撮影はほぼ中国大陸で行われているのですが、風光明媚な場所が多いので映画の撮影にはもってこいですよね。
今だったらAIとかVFXとかで背景もリアルに作り出すこともできると思うけど、現場で撮影する役者さんたちのモチベーションは多少なりとも異なるんだろうなぁ。
本作はぶっちゃけ時代考証とかどうでもよくて、多少荒唐無稽なところはあってもファンタジーな世界観が魅力かなって思ったり。
実写のファンタジー映画がそんなに得意ではない私でもとても楽しめましたし、夢のジャッキー&リンチェイの共演を堪能できて満足です(^-^)

 

ジャッキーと共演していない香港の大物スターというとチョウ・ユンファの名前が最初に浮かぶのですが、この二人って何というか世界観が全く異なりますよね。
共演している様子がイメージできないというか、下手すると不協和音になりそうな…(^^;)
ドニー・イェンとは共演していますし、チャウ・シンチーともわずかながらも共演していますよね。
ティ・ロンアンディ・ラウトニー・レオン、あら?なんだかんだ大物スターと共演してるわね。
やっぱり望むのはサモと元彪とジャッキーのゴールデントリオの再共演だよー!