港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍

レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 格闘飛龍

原題 方世玉

製作 1993年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

元奎(ユン・ケイ)監督、李連杰ジェット・リー)主演のカンフーアクション作品です。
リンチェイの映画会社「正東製作(イースタン・プロダクション)」で製作された作品で、リンチェイはプロデューサーも務めています。

 

清王朝時代。
反清復明を旗印に活動する紅花会から命を狙われている乾隆帝は紅花会を根絶やしにするためガウムン提督(趙文卓)に紅花会の名簿を奪ってくるように命じます。

 

資産家のフー(陳松勇)が主催する競技大会が開催され、会場で男たちに絡まれているフーの娘のテンテン(李嘉欣)を発見したサイヨ(李連杰)は彼女を助けます。
邪魔をされて面白くない男たちはサイヨに勝負を持ちかけます。

 

男たちと運動競技で対決することになったサイヨは並外れた身体能力で大会を制します。
しかし負けた腹いせに男たちがサイヨに喧嘩を仕掛けて会場は乱闘騒ぎとなり、騒ぎを起こした当事者だと誤解されたサイヨとサイヨの友人たちは逮捕されます。
すぐに釈放されますが、逮捕されたことを父親のダッ(朱江)に知られたサイヨは大目玉を食らいます。
テンテンは気風が良いサイヨに恋心を抱くようになります。

 

フーは元山賊で気性が荒く、よそ者であるため地元住民から敬遠されています。
地盤を固めるためテンテンの婿を探し、地元住民との交流を兼ねて武術大会を開催することにします。
武術に長けたフーの妻のシウワン(胡慧中)が相手となり、地面に落ちずに飾り物を手にすればテンテンの婿として認めてもらえます。
友人たちから武術大会の話を聞いたサイヨは使用人のマグー(陳龍)を身代わりにして外出します。

 

テンテンは結婚するつもりはなく、使用人を身代わりにして会場から姿を消します。
シウワンは挑戦者たちを次々と退け、サイヨが武術大会の会場に到着すると意気揚々とシウワンに挑戦します。
互角の攻防を繰り広げる両者ですが、サイヨは使用人の女性を花嫁だと勘違いしてしまい、好みの女性ではなかったため大会を辞退します。

 

サイヨが武術大会で負けたことを知った母親のチョイファ(蕭芳芳)は男装して大会に出場します。
チョイファは見事飾り物を手にしますが、反射的にシウワンを舞台から突き落としてしまったため落下寸前で彼女を救出します。
シウワンはチョイファが男装していることに気づかず、颯爽と自分を助けてくれた彼女に恋をしてしまいます。
フーはシウワンを打ち負かしたチョイファとテンテンを結婚させようとしますが、チョイファが大会に出場したのはフォン家の名誉のためであり、結婚するつもりがないチョイファは急いで会場から逃げ出します。

 

チョイファはサイヨに事情を説明して逃亡を図ろうとしますがサイヨがフーに捕まり、チョイファの代わりにサイヨが花婿にされてしまいます。
サイヨが捕まったことで多くの人々がフーの屋敷の前に押し寄せますが、ガウムン提督の来訪を控えているためフーは騒ぎを治めようとします。

 

チョイファは屋敷に拘束されているサイヨに逃亡を促し、フーが屋敷を留守にした深夜に逃亡を決行します。
チョイファに気づいたシウワンは心を躍らせますが、チョイファはすぐに立ち去ります。

 

サイヨは屋敷内にいたテンテンを発見すると再会を喜びますが、互いが婚約していることに全く気づいていません。
このまま逃げたらテンテンに会えなくなると思ったサイヨは逃亡を諦めます。

 

結局サイヨを連れ戻すことができなかったチョイファはフーに直談判し、一日だけサイヨを帰宅させることを許されます。
サイヨが帰宅すると外出から戻って来たダッが待ち構えており、サイヨの婿入りの話も伝わっていました。

 

再びダッが家を留守にすると雨が降ってきたためサイヨとチョイファはダッへ傘を届けに行きます。
ダッが女性と話す様子を目撃した二人は不倫を疑いますが、そこへガウムン提督が現れます。
紅花会の名簿を持っていたのはダッで、ダッは紅花会の一員だったのです。
ガウムン提督は名簿を渡すように脅しますが、会話を聞いていたサイヨとチョイファが助けに入ります。

 

チョイファはダッを連れて逃げ出し、サイヨはガウムン提督と戦います。
サイヨが竹竿を持ち出してガウムン提督を追いつめるとガウムン提督も竹竿を手に取って反撃します。
しばらく戦いが続くとサイヨは途中で退散し、逃げた両親と合流します。

 

ガウムン提督に目をつけられたフォン一家はフーの家でしばらく身を隠すことにします。
ようやくテンテンが自分の花嫁であることを知ったサイヨは喜び、さっそくサイヨとテンテンの結婚披露宴が執り行われますが、ガウムン提督がやって来て同席します。
フーはサイヨたちが朝廷の敵だと知らずに身内であることをガウムン提督に伝えると、ガウムン提督はフーに向けて銃を発砲しようとしたため、フーを庇ったシウワンが撃たれます。
サイヨたちは負傷したシウワンを連れて逃げ出しますが、脚を撃たれて逃げ遅れたダッはガウムン提督に捕まってしまいます。
ダッは反逆罪より処刑が確定します。

 

ガウムン提督は逃げたサイヨの居場所を見つけるためにサイヨの友人のロクを拷問しますが、口を割らなかったロクは殺されてしまいます。
サイヨは東門へ向かい、官兵をなぎ倒してロクの遺体を背負って連れて帰ります。

 

ガウムン提督に撃たれたシウワンは危篤状態となり、彼女の思い人であったチョイファがシウワンに寄り添い最期を看取ります。

サイヨは処刑の話を知らないチョイファには事実を告げずにダッを奪還するため断頭台がある広場へ向かいます。
ダッは決して口を割らず、名簿も頑なに渡そうとしません。
処刑寸前にサイヨが駆けつけると、ガウムン提督は刃が落ちる前に自分を打ち負かすことができればダッの処刑を免除すると持ちかけます。

 

サイヨは勝負を引き受けますが、ガウムン提督は手強く攻撃を当ててもなかなか倒れません。
断頭台の刃に繋がった縄が燃え尽きそうになると、サイヨは名簿を遠くへ投げてガウムン提督の気をそらします。
サイヨは落下寸前で断頭台の刃を制止し、広場にいた町の人たちもダッの救出に協力します。
サイヨが投げた名簿は偽物で、チョイファたちや紅花会の舵主ガーロ(鄭少秋)も広場へ駆けつけます。
ガーロはガウムン提督の服と辮髪を切り裂くと追いつめられたガウムン提督は爆弾に火をつけてガーロに投げます。
ガーロが爆弾を避けるとチョイファが爆弾を跳ね返し、ガウムン提督は跳ね返された爆弾によって命を落とします。

 

ガーロはサイヨの腕を見込んで紅花会に招き入れ、サイヨは妻のテンテンと一緒に紅花会で活動していくことになります。

 

思っていたよりコメディ要素が強いですが、とても楽しめました(*^^*)
続編があるのですが、続編はまたいずれレビューします。

 

リンチェイが愛らしくてキュンキュンする(*´ω`*)
今回はフェイホン役とは対照的に陽気でやんちゃなキャラクターで、あの屈託のない笑顔が可愛くてたまらん♪
でもアクションシーンになると勇ましくてとてもカッコイイのであります(*´▽`*)

 

リレーの爆走を辮髪一直線にして演出しているのが楽しい(^O^)
漫画っぽい表現(笑)
あれは針金でも入ってるのかな?

 

役所行きになったサイヨが偽名を使って釈放されるシーンでセルフパロディキタ――(゚∀゚)――!!っと思っていたら、ウォン・フェイホン…じゃなくてウォン・ジンかい(笑)
これめっちゃ笑った( *´艸`)
でも気になるのは広東語だと「黃」と「王」の発音が全く同じだから面白いけど、普通話だと二つの発音は異なるのでこのギャグは成立しないと思う。
一応普通話バージョンも観てみたのですが、やっぱりピンとこない(^^;)

 

蕭芳芳(ジョセフィーン・シャオ)演じる苗翠花がナイスキャラで最高です(*^▽^*)
西洋文化に憧れて眼鏡を黒くしてサングラスにしちゃったり、鉄ゴテでパーマかけようとして髪が燃えちゃったり(危なっ!)、あとかなり体を張っていて変顔までされていました。
その変顔が岩崎宏美のモノマネをするコロッケみたいで面白かった(笑)
そんなおちゃめなお母ちゃんだけどロマンチストな一面もあって、夫から詩をプレゼントされるとメロメロになってしまうという(´▽`)
そんでもってまさかの男装でシウワンに惚れられるという百合展開。
リンチェイとの息もピッタリで、無影脚ならぬサイヨとチョイファの親子無影拳は非常に痛快です(*'▽')

 

趙文卓(チウ・マンチェク)は本作が映画デビュー作で、強烈な存在感で鮮烈デビューという表現がふさわしいのではないでしょうか。
中国のテレビドラマでは陳家洛を演じているそうで、私は未見なのですが「レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 書剣恩仇録」という邦題で日本版DVDも発売されています。
でもダイジェスト版らしいですけどね。

 

朱江さんは本作が最後の映画出演です。
テレビドラマ「笑看風雲」の出演を最後に俳優を引退してカナダに移住されたそうです。
朱江さんの声は声優さんの吹き替えではないのでダンディボイスが堪能できます(´ρ`)

 

李嘉欣(ミッシェル・リー)は本当に美しくて、彼女が登場すると絵面が華やかになるので目の保養~( ̄▽ ̄)

 

融通が利かない頑固親父を好演した陳松勇(チャン・ソンヨン)も良かったな♪
劇中では「下家富貴(くそったれ)」って悪態ばっかついてた(笑)
チャン・ソンヨンはプリズン・オン・ファイアー2で演じた大圈龍役が私は気に入っていて、發哥とのコンビが意外とマッチしてて面白かったですね。

 

陳龍(チャン・ロン)はドラ息子カンフーの時の役を彷彿とさせますが、実に巧みな役作りで彼自身を活かしたキャラクターに仕上がっていると思います。
なんだかとてもキュートに感じてしまうんですよね(^-^)

 

フー主催の武術大会で登場する布の飾り物のことを日本語字幕では「くす玉」と表現されていましたが、これは「繡球(サウカウ)」と呼ばれる飾り物で、中国でめでたいことがある時に使われます。
普通話読みだと「繡球(ショウチョウ)」)
その見た目がアジサイの花に似ていることからアジサイのことを「繡球花(サウカウファー)」とも呼ぶそうです。

 

本作は書剣恩仇録の物語とは違いますが、紅花会が登場したり違った形で構成されています。
金庸原作の書剣恩仇録はこれまで数多くの映画やテレビで実写化されていて、狄龍様も陳家洛を演じています♪
本作でも登場した鄭少秋(アダム・チェン)は1976年のテレビシリーズでも陳家洛を演じていてこちらは未見。
調べた限り1960年製作の張瑛(チョン・イン)版が最初に実写化された書剣恩仇録っぽいです。