港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

大丈夫日記

大丈夫日記

原題 大丈夫日記

製作 1988年

★★★★★

 

楚原(チュー・ユアン)監督、周潤發(チョウ・ユンファ)主演のラブコメディ作品です。

 

証券会社に勤めるファ(周潤發)はブティックの経営者ジョイ(王祖賢)と客室乗務員のサリー(葉蒨文)と同時期に出会います。
二人の女性を好きになってしまったファは同時に交際を始めますが、ジョイとサリーのどちらと結婚するか悩みます。
行きがかり上、ファはジョイと結婚することになってしまったためサリーに別れを告げようとしますが結局別れられず、二人の女性と結婚したファの二重生活が始まります。

 

ファは同僚で友人のチーホン(李子雄)に協力してもらいながらジョイとサリーに気づかれないように互いの自宅を行き来する生活が続きます。

 

仕事で海外にいるサリーが香港へ帰ってくるという連絡を受けたファは彼女を迎えに空港へ向かおうとしますが、カーラジオに気を取られて接触事故を起こしてしまいます。
車をぶつけた相手は警察官のチェン(鄭則仕)でしたが、軽い接触事故だったため咎めは受けませんでした。
しかし後続の警察車両の扉に接触したファは意識を失い、病院へ搬送されます。

 

チェンの部下のウー(胡大為)はファの身元を調べて妻のジョイに事故の旨を伝えます。
目を覚ましたファはサリーに電話をかけて事故にあったことを伝えますが、ジョイとサリーが同時に病院へやって来たためファは焦り始めます。
ファはジョイと鉢合わせしないようにサリーと共に病院を後にします。

 

ウーはファの妻が二人現れたことをチェンに伝えると、チェンはファの重婚を疑い、ファの自宅を訪ねます。
ファは重婚を否定しますが、チェンはジョイからも話を聞きに行こうとしたため、ファはチーホンに助けを求めます。

 

ファはチーホンにジョイの夫のふりをしてもらい、チェンを悪者に仕立て上げて警察の捜査を逃れようと企みます。
作戦は成功し、チェンは捜査を切り上げてジョイの自宅から立ち去ります。

 

ファは誤ってジョイとサリーに同じレストランで同じ時間に食事をする約束をしてしまったため再び危機に直面します。
ジョイのブティックでドレスを購入したサリーはジョイと顔見知りになり、予約したレストランで会った二人は同じ席でファを待ちます。
二人が同じ席にいることを知って焦ったファはジョイにはサリーがチーホンの元カノだと嘘をつき、サリーにはジョイがチーホンの彼女だと嘘をついてこの危機を切り抜けようとします。
チーホンと婚約者のガーライ(吳家麗)がレストランに来ていて合流しますが、これ以上一緒にいるとボロが出ると思ったファは食事を早々に切り上げます。

 

これまでうまくジョイとサリーを欺いてきたファですが、人生最大の危機を迎えます。
ジョイとサリーは美容室で偶然出会い、ジョイは自分の誕生日パーティーに来てほしいとサリーを誘います。
これを知ったファはいつものようにチーホンに協力してもらおうとしますが、誕生日当日を迎えると事故や渋滞に巻き込まれたチーホンはジョイの自宅へなかなか辿り着くことができず、ファの念密な計画が狂い始めます。
さらにファの重婚を疑っているチェンが自宅へやって来たため、強硬手段としてファはチーホンを自分の恋人であると偽り、最大の危機を回避します。

 

ガーライはチーホンとの結婚写真を撮るためブライダルサロンを訪れ、ウエディングドレスをジョイに見立ててもらいます。
そこへ結婚写真の焼き増しをしようとサリーがやって来ると、ファとサリーの結婚写真を見たジョイは驚き、自分の結婚写真をサリーに見せます。
これでようやくファに二股をかけられていたことに気づいたジョイとサリーはファに仕返しをするため手を組みます。

 

ジョイは結婚記念日にファをシティホテルに誘います。
外出しているはずのサリーがシティホテルに現れると、二人が重婚に気づいたとも知らずにファはチーホンの助けを借りてごまかし続けようとします。

 

ジョイとサリーは鬱憤を晴らすべく、騙されたふりをしてファを弄びます。
散々弄ばれたファはようやくジョイとサリーに気づかれたことを知ります。

 

ジョイとサリーは愛想を尽かしてファの前から姿を消しますが、結局二人はファを放っておくことができずに戻って来ます。
鉢合わせしたジョイとサリーはバツが悪そうにその場から立ち去ろうとしますが、マフィアの裏取引の現場に遭遇します。

 

張り込んでいたチェンがジョイとサリーに危険を促すと、警察の存在に気づいたマフィアたち(成奎安、太保)は二人を人質にします。
現場に駆けつけたファは二人を助けるためにマフィアと交渉しますが、チェンはマフィアが提示した条件を飲むことができず現場は混乱します。
ファの必死の訴えに感化されたムイ警察官(金燕玲)はマフィアの条件を聞き入れることを決めますが、銃声によって怯んだマフィアの男がファに向けて発砲します。
狼狽えるジョイとサリーはマフィアから銃を奪って乱射し、この隙に待機していた警察はマフィアを逮捕します。
幸い撃たれたファはかすり傷で、負傷者を出さずに事件は落着します。

 

ファはどうしてもジョイとサリーのどちらかを選ぶことができず潔く身を引くことにします。
しかし踏ん切りがつかないファは名案を思いつきます。
ファは一夫多妻が認められている国へ移住してジョイとサリー両方を妻に迎え入れ、チーホンはガーライの他に三人の妻を迎え入れるのでした。

 

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あ~楽しくて仕方がない( *´艸`)
終始笑いっぱなし!!
物語前半はいつ重婚がバレるのかドキドキハラハラ、後半は重婚がバレて二人の妻が夫に仕返しをするというバランスの取れた構成で非常に楽しめます(*'▽')

 

「二兎を追う者は一兎をも得ず」かと思いきや、しっかり二人とも妻にするというオチかい(笑)
公開された当時、香港の女性たちはどんな気持ちで観ていたのでしょうね(^^;)
まぁ、合法の国だったらそれも全然アリだけどさ、二重生活って肉体的にも精神的にもかなりしんどいだろうなぁ(;´∀`)
お互いが容認してたら気が楽だろうけど、隠れてする二重生活は気が休まらなさそう。
特に食事が倍になるのはキツいね。
劇中でも胃薬飲んでたもんなぁ(^^;)

 

やっぱ女を怒らせると怖いわ(;^_^A
怒らせるともれなく地獄の復讐が待ち受けています。
でもジョイもサリーもファを本気で憎んでいるわけではなくて、愛しているからこそなんですよね。

 

チーホンがお人好し過ぎて不憫( ;∀;)
アンモニア嗅がされたり、顔面からケーキに突っ込んだり、大量のニラ?を口に入れられたり、なかなか酷い目に遭っています(;´∀`)
いくら女性を紹介してもらった恩があるとはいえ、あそこまでファに協力するなんて何か弱みでも握られているのか??
李子雄(レイ・チーホン)はヒール役のイメージが強いけど、こういうお人好しな役もとても良いですね(*'▽')
なんだかとても愛らしく見えてしまいました♪

 

霑叔が超一瞬だけ美容師役で出てました。
あと最後の最後で登場するマフィアが太保ちゃんとフィオンさん( *´艸`)

 

ファがバゲットを頭にくっつけて歌っていた曲ってアラレちゃんの歌?
あの吹っ切れたコミカル演技の發哥も素晴らしい!!
亜州影帝ですよ(;^ω^)

 

本作は原題と邦題が全く同じですが、広東語の「大丈夫(ダイチョンフー)」とは日本語の「心配ない、問題ない」という意味ではなく、「男らしい」という意味で使われます。
元々日本語の「大丈夫(だいじょうぶ)」も「立派な男」という意味で使われていたそうなのですが、現在では「心配ない、問題ない」という意味合いで使う場合が多いかと思います。
これは「大丈夫(だいじょうぶ)」という言葉に「しっかりしている」という意味が含まれていて、これが転じて現在のような使い方になったのかと思います。

 

楚原監督は1964年に同名の作品を撮っていて、私は未見なんですけど本作と同じラブコメのようです。
YouTubeでも観れるので機会があったら観てみようかと思います。
古い作品なのでパブリックドメインになっているようですし。
(中国や香港の著作権保護期間は50年らしい)