港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

嵐を呼ぶドラゴン

嵐を呼ぶドラゴン

原題 方世玉與洪熙官

製作 1974年

★★★★★

 

嵐を呼ぶドラゴン(方世玉與洪煕官)は張徹監督が台湾で設立した長弓電影公司で製作された最初の監督作で傅聲(フー・シェン)の初主演作です。
「少林英雄傳四部作」と呼ばれるシリーズの第一作でもあり、本作は四部作の中で唯一日本版のブルーレイが発売されている作品です。(もう廃盤になっちゃったかな?)
あとデアゴスティーニの傑作カンフー映画シリーズで発売された作品でもあります。
他のシリーズもブルーレイ化してほしいよー!!

 

少林英雄傳四部作は以下の通りです。

●嵐を呼ぶドラゴン(方世玉與洪煕官)
●新・嵐を呼ぶドラゴン(少林子弟)
洪家拳詠春拳(洪拳與詠春)
●続・少林寺列伝(少林五祖)

続・嵐を呼ぶドラゴン(方世玉與胡惠乾)は少林英雄傳四部作シリーズではないらしい。
ややこしいなぁ(^^;)

 

清朝は脅威となりえる少林拳を抹殺するために少林寺を焼き討ちにします。
少林寺の門弟ヘイクン(陳觀泰)は決して朝廷に屈することなく、傷を負いながらも燃えさかる少林寺から脱出します。

 

門弟のサイヨ(傅聲)は外出していたため焼き討ちに巻き込まれることはありませんでしたが、清軍はヘイクンを賊に仕立て上げ、サイヨを利用してヘイクンと同士討ちさせようと企みます。

 

逃亡したヘイクンは同門の弟弟子のニン(唐炎燦)と出会うと反清復明の同志たちをレイ師(吳池欽)の屋敷に集めるように指示します。

 

清軍の入れ知恵によってヘイクンが悪党であると思い込んでしまったサイヨはヘイクンを捜し出して戦います。
サイヨの少林拳を受けて倒されたヘイクンは清軍に捕まり、清軍の協力者であるホー(姜南)の屋敷の地下室に拘束されてしまいます。

 

レイ師たちはヘイクンを倒したサイヨを裏切り者だと勘違いし、屋敷にやって来たサイヨを非難します。
レイ師の話を聞いて清軍に引き渡した男が兄弟子のヘイクンだと知ったサイヨは愕然とし、自責の念に駆られます。

 

清軍のダッチョン(王清)はヒョン(馮克安)を連れて飯館を訪れると女性店主のウォン(方心)に目をつけます。
ヘイクンが地下室に拘束されていることを知ったウォンは店を抜け出してレイ師に伝えに行きます。
ウォンに酌をさせようとしていたダッチョンは彼女がいなくなったことに腹を立て飯館を破壊します。

 

ヘイクンが捕らえられているという話をウォンから聞いたサイヨは救出に向かい、ダッチョンがウォンに気があることを知ったレイ師は彼らをうまく利用することにします。

 

ウォンはヒョンや弟分たち(袁信義、任世官)を路地裏におびき寄せると、待ち構えていたサイヨはヒョンを脅してヘイクンが捕らえられている地下室の場所を聞き出します。

 

続いてウォンはダッチョン一味をおびき出し、待ち伏せしていたレイ師たちは一味と戦います。

 

サイヨは見張りを倒して地下室に侵入し、壁に拘束されているヘイクンを発見します。
サイヨはヘイクンに謝罪をして救出しようとしますが手足の枷を簡単に外すことはできません。
そこへチェー将軍(朱牧)が現れて背後からサイヨを襲うと手強いチェー将軍に苦戦したサイヨは一時退散します。
サイヨはレイ師の屋敷へ戻りますが、ヘイクンをこのまま見捨てるわけにはいきません。

 

ダッチョンは負傷したホーとヒョンを連れて戻りますが、腹を立てたチェー将軍はホーを殺害します。

 

チェー将軍はサイヨをおびき寄せるためにヘイクンの処刑を通達します。
ヘイクンが処刑される前に助け出したいと考えるサイヨたちですが、枷を外すことができないので地下室まで穴を掘って壁の裏から救出する作戦を決行します。
サイヨは一心不乱で穴を掘り続け、同志たちも協力します。
ヘイクンが拘束されている壁の裏まで辿り着くと裏から枷を外します。
拘束が解けたヘイクンはダッチョンを倒して地下室から脱出します。

 

脱獄を知ったチェー将軍は壁の裏に掘られた穴を突き進むと、穴の入口には宣戦布告の札が残されていました。
チェー将軍は兵を引き連れてサイヨたちが待つ丘へ向かいます。

 

チェー将軍はチベット出身の武術の使い手である紅衣四傑(劉家榮、黃培基、陳全、李海生)を呼び寄せ、多勢が入り乱れて戦います。
サイヨとヘイクンは紅衣四傑を次々と倒していきますが、紅衣四傑の一人がサイヨに不意討ちしようとしていたためレイ師はサイヨを庇います。
紅衣四傑の攻撃を受けて瀕死状態のレイ師はヘイクンと協力して戦うようにサイヨに助言して息絶えます。
サイヨは鶴形、ヘイクンは虎形を用いて虎鶴雙形を形成し、チェー将軍を倒します。

 

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登場人物の役名は広東語読みで記載しました。

 

ストーリーは至ってシンプルですが面白いですね(*'▽')
いや、単純明快な物語だからこそキャラクターやアクション、演出などが大事なんですよね。
そこはやはり一貫した張徹イズムですわ。
ラストの丘の戦いのシーンを観ると役者さんたちがみんなバッチリ日焼けしていて撮影の大変さが伝わる。

 

傅聲(フー・シェン)はやっぱりかわいいな~(*´▽`*)
綺麗で整った容姿はもちろんなのですが、表現力が豊かで色んな表情を見せるのが好きなんですよね。
特に笑った顔はもうキラキラしていてたまらんのら~♪
白系の服で大きな扇子を持っている今回の装いがヤンマスのジャッキーみたいだった(^-^)
今回はあまりコミカル要素は無いのですが、知野さんのお話によると張徹監督は傅聲以外の役者がコミカルな演技をすることを許さなかったと仰っていました。
なんか分かる気がする。
天性の愛らしさといいますか、傅聲なら許せちゃうよね。

 

そしてもう一人の主役である陳觀泰(チェン・カンタイ)
陳秀中を師に持つ本物の武術家で、力強いカンフーアクションが魅力♪
劇は相手に怪我をさせてはいけないから手加減していると思うのですが、それでもあの勢いなんだから実際に戦ったら強そうだなぁ。

 

同門同士が戦うことになるなんてもどかしい(T_T)
でも決してサイヨを責めたりしないヘイクンの心の広さよ。
それにしても方世玉と洪熙官って同門なのに面識が無いものなんですかね?

 

王青(ウォン・チン)は本作のクレジットに準じて「王清」と記載しました。
王青さんの悪役っぷりがもう憎たらしくて最高(-∀-)
やっぱ悪役はああでなくては。
色気に釣られて女性にノコノコついて行くシーンは正直ちょっとマヌケだなぁって思いましたけど(^^;)
気になったのは明らかに私物であろうネックレスが衣装の隙間からチラリと映っていて、王青さんネックレスを外し忘れて撮影しちゃったのかなぁ??
でもこういう完璧じゃないところが人間らしくて好き(^-^)
徹底したリアリティーが求められる作品だとNGではありますが。

 

朱牧(チュー・ムー)は監督業もされていて、まだブレイクする前のジャッキーが彼の作品に出演したことはファンの間では知られているかと思います。
個人的には半斤八兩の浮気男性役が強烈に印象に残ってたりする(笑)

 

李海生(リー・ホイサン)は本作が映画初出演。
あと端役で出演されていた鄭則仕(ケント・チェン)も同じく映画デビュー作であります。

今年の3月に多くのショウブラ作品に出演されていた陳狄克(フォレスト・チャン)がお亡くなりになりました。
私は電視劇についてほとんど存じ上げないのですが、80年代以降はテレビのほうで大変活躍されていたそうです。
謹んでお悔やみ申し上げます。

 

実は本作には陳觀泰、傅聲、そして戚冠軍の三人が演武を披露するロングバージョンのオープニングクレジットが存在します。
ぬぉぉぉ!!何でこれを日本版ソフトに収録せんのだー!!
本編に収録できないのであれば特典映像でもいいから収録してほしかったよー!!
戚冠軍は「嵐を呼ぶドラゴン(方世玉與洪煕官)」の後に公開された「新・嵐を呼ぶドラゴン(少林子弟)」が公式的には映画初出演なのですが、こういった形で出演されていたんですね。

三人とも美しい體なのですが私は戚冠軍が一番好み(*´Д`)ハァハァ触りたい(←やめれ)
戚冠軍は背が高くて、映像を比較してみると共演されていた狄龍様より背が高いので190cm以上はあるかと思います。
手足が長くてスラっとしていてモデル体型~!
他に彼ぐらい背が高い武打明星っていましたっけ?
おそらく武術俳優の中で最も高身長なのではないでしょうか。
クールな印象が強いからふいに見せる笑顔がたまらんのよね(*´ρ`*)
キュン死しちゃうぜ…。