ダイエット・ラブ

ダイエット・ラブ

原題 瘦身男女

製作 2001年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

杜琪峯(ジョニー・トー)、韋家輝(ワイ・カーファイ)監督によるラブコメディ作品です。
トー監督といえばノワールやハードボイルドな作品のイメージが強かったので、ラブコメも撮るんだなぁって意外に思いました(・∀・)

 

ミニ(鄭秀文)は日本各地で行われる人気ピアニストの黒川(黒川力也)のコンサートに足を運んでいますが、チケット費用などが嵩んで旅館の宿泊代が払えなくなり、たまたま旅館に宿泊していた包丁の行商人フェイ(劉德華)が包丁を売ってミニの宿泊代を立て替えます。
フェイはミニが自分と同じ香港人だったため同郷のよしみでミニを助けましたが、その後もミニに付きまとわれ困り果てます。

 

ミニはぽっちゃり体型ですが、痩せていた頃の写真をフェイに見せて事情を説明します。
10年前に日本へ留学したミニは当時音大生だった黒川と出会って二人の交際が始まります。
その後、黒川はアメリカへ留学することになり、ミニは遠距離恋愛の淋しさを埋めるために過食に走り、気がつけば体重が100kgを超えてしまいます。
黒川のコンサートが行われるたびに会場に足を運んでいたミニですが、容姿が変貌してしまったため会いたくても会うことができないのです。

 

ミニは食事を減らしてダイエットをしようとしますが、ミニと同じくぽっちゃり体型のフェイが目の前でおいしそうに食事をしている様子を見てすぐに挫折します。


痩せることを諦めたミニは黒川のことを忘れようとしますが、黒川が工藤恵美(樋口明日嘉)という女性と婚約したという雑誌の記事を見てミニは傷つきます。
フェイは気分を変えるためにカーラジカセをつけると、ラジオ番組に黒川が出演しており、黒川は忘れられない女性がいると発言します。
黒川がアメリカに留学する前に二人は10年後にタワーの下で再会する約束をしており、黒川は再会の約束を忘れておらず、まだミニのことを愛していました。
黒川の話を聞いたミニは動揺し、今の姿のままでは黒川に会えないと苦悶していると、フェイは再会する日までにダイエットをして痩せればいいと提案します。

 

さっそくミニをトレーニングジムに連れて行くフェイですが、ジムのトレーナーはおよそ半年で90kgの減量は難しいと言います。
思い通りにいかず、ミニはふてくされて動こうとしなくなったため、フェイは愛想を尽かしてミニの前から去ります。
しかしやはり気になって引き返すと、自分なりに痩せようと努力しているミニの姿がありました。

 

フェイはミニを仲間がいる中華街へ連れて行きます。
仲間に半年で減量できる方法を相談しますが、仲間たちの提案は回虫や下剤など体調に支障が出る方法ばかりでした。
やはり地道に減量するしかないと思ったミニは食事制限をして運動を始めます。
そんなミニの努力が実って30kg近く体重を減らすことに成功します。

 

しかしその後は停滞期に入り、思うように体重が減らずにストレスが溜まったミニの食欲が爆発します。
フェイは協力するので一緒に頑張ろうとミニを励まし、停滞期を脱してさらに体重を落とします。

 

さらに痩せたミニはフェイを相手に黒川と再会した時の予行練習をします。
しかし一緒にいる時間が長くなり、ミニとフェイは互いを意識するようになります。

 

あと一か月で元の体重まで痩せるのは難しいので、フェイはミニを痩身クリニックへ連れて行きます。
痩身クリニックは高額な費用がかかり、フェイは金を工面するために路上で殴られ屋を始めます。

 

ミニは最新型の痩身マシンや運動療法で10年前の体重まで減量することに成功します。
痩身クリニックから帰宅するミニですがフェイの姿がないことに気づき、フェイの仲間のパッファン(羅靖庭)からフェイが殴られ屋をしていることを聞いて現場へ向かいます。
痩せたミニの姿を見たフェイは喜び、ミニに新しい洋服をプレゼントします。

 

黒川と約束した日を迎えますが、ミニは気が進みません。
それでも約束したタワーの下へ向かうと、そこには黒川と多くのマスコミが待ち受けていました。
黒川と再会するミニですがフェイのことが忘れられず、ミニは黒川に別れを告げます。
黒川にフラれた恵美とミニにフラれた黒川はヤケ食いで太ってしまいます。

 

その後ミニはダイエット本を出版して作家になります。
ある日街でフェイの車を発見したミニは後を追うと痩せたフェイの姿があり、二人は再会を果たすのでした。

 

とても面白くて大好きな作品です!!
やっぱアンディ×サミー最高!!
大好きなカップリング♪♪♪
王道のストーリーだけど、これが良いんだよね~。
フェイは自分の彼女じゃないのにミニのために色々と協力したり、文字通り体を張ってダイエット費用を工面したり良い人過ぎる(T_T)

 

ハリウッドから特殊メイクのプロ集団を呼んでお二人のぽっちゃり体型を見事に再現しております。
ぽっちゃりサミーが可愛い(*´▽`*)
カタコトの日本語も可愛いし、表情や動きがたまらなくキュートなのです♪
なのでダイエットに成功して痩せちゃったらちょっと淋しかった( ;∀;)
華仔は「デブ」を意味する「肥佬(フェイロウ)」と呼ばれていますが、日本語で「デブ」と表記するのは少し気が引けるので「フェイ」と表記しました。

 

本作は日本でロケが行われていて、真鶴駅、横浜のマリンタワー、中華街、新宿などが散見されます。
居酒屋のシーンでは貴乃花と思われるサインや相撲の番付表があったり、詳細は分かりませんが両国のお店なのかな?
なぜ舞台が日本だったのか詳しくは分かりませんが、日本人としてはとても嬉しいですo(^-^)o

 

ミニの恋人の「黒川タツヤ」は、劇中で登場する雑誌では「黒川リキヤ」と表記されていました。
外国人からしてみたら日本語は難しいですよね。
でも日本人スタッフのチェックとか入らなかったのかな??

 

華仔の仲間たちはおなじみのトー作品常連の役者さんたちです(*^^*)
今回は華仔が大きいから林雪が小さく見える(笑)
肉まんを買いたいミニと買わせたくないフェイの板挟みになって困る林雪が可愛過ぎる(^o^)
回虫を飲めだの、浣腸だの、下剤だの、体に悪そうなダイエット方法ばかり提案する仲間たち(;'∀')
互いに「肥佬~肥佬~」って言い合う様子が面白い( ´艸`)
回虫の心配が止まらないウォン・ティンラムも面白い!!
あと紙サッカー(笑)
もうホント笑わせてくれるわ~!!

 

フェイが殴られ屋をしているシーンで一瞬ですが佐膝佳次氏が出演されていました(・∀・)

 

主題歌は「終身美麗(歌:鄭秀文)」
挿入歌は「我的胖侣(歌:劉德華)」です♪
※エンディングクレジットでは「我的肥胖」と表記されていました。
個人的にどちらもCDが欲しくなるぐらい大好きな曲です。
(日本だと香港のCDは手に入りにくい…)

ちなみに劇中で華仔演じるフェイが新宿で歌っている歌は鄭錦昌(チェン・カムチョン)の「馬永貞大戰精武門」という曲で、古典音楽「旱天雷」をベースに歌詞をつけたものです。