検事Mr.ハー 俺が法律だ

検事Mr.ハー 俺が法律だ

原題 執法先鋒

製作 1986年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

元奎(ユン・ケイ)監督、元彪(ユン・ピョウ)主演のアクション作品です。
香港には危険なアクション作品が多く存在しますが、本作は香港映画の中でもデンジャラスレベルがかなり高いのではないでしょうか。
元彪って本当に凄い方です(;゚Д゚)

 

麻薬の密売を行っているチャウ(田俊)とワイ(張冲)は証人であるリョン(徐蝦)を出廷させないために殺し屋(Peter Cunningham)を雇い、警察官に扮した殺し屋の男はリョンの自宅に押し入って一家を殺害します。
証人がいなくなったことで裁判は延期となりますが、納得できない検事のハー(元彪)はワイのビルへ向かい、部屋に侵入してワイを殺害します。

 

警部のシンディ(羅芙洛)はワイが死んだ事件の捜査を申し出ると、ウォン警視(黃錦燊)から相棒を選んで捜査をするように命じられたため、シンディは部下のタン(元奎)を相棒に指名して捜査を行います。
事件当日のパーキングチケットからハーの存在を割り出したシンディはタンと共にハーを尾行します。

 

ハーは駐車場でワイの組織の構成員たちに襲われ、必死で抵抗します。
そこへタンが駆けつけ、タンを警察官だと知った構成員たちは逃げ出します。

 

ハーの家にやって来たシンディは検事として秩序ある行動を求めますが、ハーは法律で裁けない悪人を見過ごすことはできません。

 

窃盗の常習犯である少年マン(樊少皇)が車上荒らしをしていると人が現れたため、マンは車のトランクに隠れます。
マンが車上荒らしに狙ったのはチャウの車で、チャウの邸宅にやって来たマンは見つからないように金品を物色します。
チャウの部屋にはウォン警視がおり、ウォンはチャウと口論になって揉めた末にチャウを殺害します。
ウォンは裏で悪事を働く悪徳警察官だったのです。
ウォンがチャウを殺害する現場を目撃したマンはその場から逃げ出します。

 

ワイに続いてチャウも消そうと考えているハーはチャウの邸宅を訪れますが、チャウの遺体を発見して動揺します。
そこへシンディが現れ、チャウ殺害の疑いをかけられたハーはその場から逃走します。

 

すでに被告人が死んでいるため延期されていた裁判は中断します。
法廷に駆けつけたシンディはハーがチャウを殺害したことを裁判長(喬宏)に訴えますが、裁判長はハーをかばってシンディの訴えを退けます。

 

タンと同僚のタイポー(太保)は路上にいたマンを逮捕します。
シンディはマンの取り調べを行い、マンが殺人現場にいたことをウォンに報告します。
シンディの報告を聞いたウォンはマンをオフィスに呼び寄せ、事件の真相を知っているマンに対し口止め料を提示します。
その後マンは釈放されますが、シンディはタンにマンの尾行を命じます。

 

マンが祖父(劉兆銘)の家を訪れると、ウォンが祖父を絞殺している現場に出くわし、マンはウォンに立ち向かいます。
尾行していたタンが現れてウォンが悪徳警察官だと知りますが、タンはウォンに殺されてしまいます。
タンの死を知った父親のチャイ(午馬)は息子の死を嘆きます。

 

事件に関わるハーの存在を厭わしく思っているウォンは殺し屋にハーの殺害を依頼します。
殺し屋はハーの自宅に侵入しますが、侵入に気づいたハーは殺し屋に立ち向かいます。
死闘の末に殺し屋を倒したハーはウォンに電話をして男に襲われたことを報告しますが、マンが現れて事件の黒幕がウォンであることをハーに伝えます。

 

マンはウォンに電話をして取引の帳簿を持っていることを告げて脅しをかけます。
ウォンは殺し屋のカレン(Karen Shepherd)を海浜公園に向かわせ、マンと接触させることにします。
マンから連絡を受けていたシンディも海浜公園を訪れますが、マンはカレンに殺されてしまいます。
シンディは逃走するカレンを追い、ビルまで追いつめてカレンと戦います。
カレンはチェーンを使ってシンディに攻撃を加え、シンディは必死に攻撃をかわしながら足場の竹を使ってカレンを蹴り飛ばし、ビルの下層に突き落とします。

 

ハーは法律で弱者を守ることはできないと絶望し、自らの手で犯罪者を葬り去ろうとしています。
シンディはハーの考えに完全に同意することはできませんが、ウォンを検挙するために一味が潜伏している飛行場へ向かいます。
手下たちと戦うシンディの前に現れたウォンは工具を彼女の体に突き刺して殺害します。

 

飛行場へ駆けつけたハーはウォンを追いつめますが、ウォンは小型飛行機に乗って逃走します。
ハーは走って小型飛行機に食らいつき、飛行する小型飛行機のドアを壊して操縦室へ突入したハーは置いてあった手斧を使ってウォンを刺殺します。

 

ハーは小型飛行機から脱出し、コントロールを失った小型飛行機は岩壁に衝突して大破します。
小型飛行機から海へ落下したハーは死亡します。

 

冒頭のカーチェイスからアクション全開でスタートする本作!!
高層ビルからの落下、駐車場でのカースタント、小型飛行機のスタントなど、過激アクションのオンパレードです(゚Д゚;)
元彪の超命懸けのスタントに敬服!!
ロープで飛行機に食らいつくシーンとかヤバすぎ!!!
さすがにそこまでやらなくてもいいよ!!ってハラハラしました(;゚Д゚)
駐車場で密売人の手下たちに襲われるシーンでは元彪が2台の車に挟まれそうになるのですが、少しでもタイミング合わなかったら車に潰されちゃうよ(;゚Д゚)

 

黃錦燊(メルヴィン・ウォン)演じるウォン警視との最後の戦いで魅せる元彪の蹴りが凄い!!
めちゃくちゃカッコイイ!!!
カッコ良すぎてあのキックのシーンだけ何十回も観てしまいました(*'▽'*)
てかウォン警視みたいな悪徳警官が警察にいたらたまったもんじゃないわ(-_-;)

 

午馬さんと元奎さんが親子役って年が近い(^^;)
1988年の「香港極道 野獣刑事(神探父子兵)」でも親子役のお二人。
私は劇中でのタンとチャイの掛け合いが大好きで、お二人とも良いキャラなんです♪
だからタンが殺されたのが凄く悲しい(T_T)
ちなみに元奎さんの役名は「チャウタン(臭った卵)」なんですけど、これは名前ではなくてあだ名です。
「蛋(卵)」は人を馬鹿にするようなニュアンスがあるんですけど、ここでは侮蔑語というより親しみを込めたような感じかな。

 

ルイス・ファンがまだ幼いです(*‘∀‘)
こんな可愛らしい少年がイップマンでごっついカム役を演じるようになるのかぁ(・∀・)
感慨深い。

 

本作は国によってエンディングが異なるそうで、欧米版のエンディングではハーとシンディは死んでいなくて、ハーが裁判にかけられるところで終わるんですよね。
何で日本版はあんな救われないオチにしたのでしょうかね??

 

ハーが劇中で放つ「法律は弱者を守ってくれない」という言葉がやるせない。
でも法律が存在する限り私刑は許されることではありません。
悪人がのうのうとシャバでのさばり続けるのは憤懣やるかたない思いではありますが…。
80年代の香港映画らしくハチャメチャなアクション作品かと思いきや、上記のような考えさせられるテーマとかも盛り込まれていたりするんですよね。