ドラゴン・プロジェクト

ドラゴン・プロジェクト

原題 精武家

製作 2005年

めぐちゃんの満足度 ★★★★

 

馮德倫(スティーブン・フォン)監督のカンフーアクション作品です。

 

接骨院を営んでいるシウボウ(黃秋生)には調教師をしている長男のニッキー(馮德倫)とニッキーの妹で学生のナタリー(鍾欣桐)がいますが、思春期のナタリーは父親のシウボウを煙たがっています。
多感な子供たちと向き合うのは難しく、シウボウは亡くなった妻のメイライ(樋口明日嘉)の写真に向かってぼやきます。

 

実はシウボウは元諜報員で、子供たちはシウボウが諜報員だったことを知りません。
父がいつも話している武勇伝は作り話だと思っています。

 

ロッコ(王敏德)と息子のネルソン(Jacob Strickland)がシウボウの接骨院にやって来ます。

 

12年前、テロリストと敵対するフィリピン政府をアメリカ政府が支援したことに対する報復として、テロリストはアメリカ人を殺害します。
アメリカ政府はテロ組織の壊滅作戦を開始し、政府の部隊に所属していたロッコは香港にいる連絡員を暗殺するように命じられますが、イギリスの諜報員によって暗殺を阻まれたロッコは脊髄を攻撃されて半身不随の体となり、車いす生活を余儀なくされてしまったのです。

 

自分を襲った諜報員が「タイ・チロン」という男であることが分かり、ロッコはタイを捜していますが現在は諜報員を引退しているといいます。
諜報員を引退したタイに新しい身分を与えたのがシウボウだと突き止めたロッコ接骨院にやって来たのです。
シウボウは全く関りが無く赤の他人であることを告げると、ロッコは一度引き上げます。

 

シウボウがしらを切り続けると、ついにロッコの刺客たちが現れてシウボウに襲いかかります。
刺客たちの猛攻に劣勢を強いられ、結局シウボウは捕まってしまいます。
ロッコはシウボウからタイの居場所を聞き出そうと拷問します。

 

シウボウの友人のチウ(午馬)が接骨院を訪れますが、荒れ果てた様子を見てニッキーに連絡します。
ニッキーが駆けつけると2人は隠し部屋を発見します。
ニッキーは飾られた写真を見て父が諜報員であったことが本当の話だと知ります。

 

シウボウがなかなか口を割らないので、ロッコは薬をシウボウに投与します。
シウボウは催眠状態となり、タイの情報が入ったメモリーカードはニッキーとナタリーが肌身離さず持っているお守りの中に入っていると告げます。

 

学校で行われている演劇中にロッコの刺客たちが現れ、ナタリーのお守りのペンダントを奪おうとします。
ニッキーが駆けつけてナタリーを連れ出し、ナタリーの恋人のジェイソン(吳彥祖)の車に乗って逃げ出します。

 

ニッキーはジェイソンに事情を話すとジェイソンは協力してくれます。
刺客との戦いでペンダントが割れ、ナタリーは中からメモリーカードを見つけます。
ジェイソンに解析を頼みますが、もう1枚必要だと言われ、もう1枚はニッキーの職場にあるので急いで取りに向かいます。

 

ニッキーたちは帰り道で刺客に襲われます。
幼い頃からニッキーとナタリーはシウボウからカンフーを習っており、激闘の末に刺客たちを倒します。
刺客が持っていた携帯電話が鳴り、電話に出るとロッコからタイと引き換えにシウボウを引き渡すと持ちかけられます。

 

メモリーカードは2枚揃いましたが、ジェイソンはファイルを開くには音声認証が必要だと言います。
シウボウの声が鍵になっているので、ナタリーの携帯電話に入っているシウボウの声を使ってジェイソンが音声認証を作成します。
ジェイソンは音声認証の解除に成功し、ファイルを開くとタイ・チロンの正体がチウであることを知ります。
急いでシウボウの所へ向かおうとしますが、なんとジェイソンはニッキーたちを部屋に閉じ込めます。
実はジェイソンも諜報員の関係者で、仲間であるチウをロッコに引き渡すわけにはいかないのでニッキーたちを足止めしたのです。

 

ジェイソンはチウに逃げるよう説得しますが、チウは店と孫を置いて自分だけ逃げるわけにはいかないと言い、ジェイソンの忠告には応じません。

 

閉じ込められたニッキーたちはダクトから脱出し、駆けつけた2人はシウボウを助けてほしいと必死にチウを説得します。
チウは悩んだ末、シウボウから一般人の身分を与えられた恩に報いるべく、チウはシウボウの所へ行くことにします。
裏切者のジェイソンを蔑むニッキーたちですが、ジェイソンはチウの説得を諦めて車の鍵を渡してくれます。
シウボウが捕まっている西貢の埠頭へ向かいます。

 

シウボウはタンクに閉じ込められて酸欠寸前の危機に陥ります。
駆けつけたニッキー、ナタリー、チウはロッコの部下たちと戦います。
ロッコはチウを殺さずに半身不随にするように部下のキング(伍允龍)に命じます。
ナタリーは苦戦しながらもロッコの部下で強敵のタイガー(陳虎)を倒します。

 

シウボウが閉じ込められたタンクの覗き穴を割ろうとしますが、強化ガラスなので簡単には割れません。
シウボウは曇ったガラスに的を描き始めます。
これを見たナタリーはシウボウから教わったカンフーの突きを思い出し、ガラスに向けて突きを繰り出します。
中心に力を集中させるとガラスは割れ、シウボウを救出します。

 

ニッキーはキングを倒すと棍術を使うネルソンが立ちはだかります。
ニッキーも棍術で対抗し、ネルソンを倒します。

 

しかしロッコ車いすでニッキーに突っ込んで壁に衝突させようとします。
衝突寸前でニッキーは車いすから抜け出して衝突を回避し、ロッコは衝撃で振り落とされます。
ネルソンは父のロッコをかばい、ロッコは殺せと自棄になりますが、ニッキーはとどめをささず立ち去ります。

 

シウボウを救出し、一件落着です。
ナタリーはジェイソンと仲直りし、ニッキーはナタリーの友達のエラ(蔡卓妍)といい雰囲気になります。
家族のことを一番に考えなければならないので、これ以上チウの面倒は見切れないとぼやくシウボウなのでした。

 

午馬さんの足のアップで始まるという衝撃のオープニング(笑)
アンソニー・ウォンの親バカぶりも最高です!!
娘の携帯電話にラブコールをする父。
「電話に出ろ~、電話に出ろ~」もはや呪いです(笑)

 

面白い作品ですが、定石通りのシナリオなのでもう少し遊んでも良かったかなって思ったりします。
ニッキーがせっかく調教師の仕事をしている設定なので、それを生かしたアクションとかあったりしたら面白いと思うけどな♪
あとエラちゃん(蔡卓妍)の出番がもっと多ければ、さらに楽しかったのかなって思います。
ラストのバトルシーンで皆を援護したりとかね。
いい感じのキャラクターなので☆

 

ジリアン・チョンは現在は改名されて「鍾欣潼」の名前で活動されていますが、当時のクレジットの「鍾欣桐」で記載しました。

 

ジリアン・チョンはともかく、シャーリーン・チョイの女子高生役がちょっと厳しく感じる(^^;)
お二人、ほぼ同世代なんですけどね。

 

樋口明日嘉氏はシウボウの妻役とロッコの刺客役の2役をされています。
この方の本名は「明日香」なのですが、広東語で「香」という漢字はスラングで「死」を意味するので「明日嘉」という表記にしているそうです。
でも香港で名前に「香」って漢字使っている人たくさんいるよなぁ('_')

 

「精武跌打館」の看板が壊されて「跌打」部分が無くなって「精武館」になるのがおもろい(笑)
シウボウがブルース・リーみたいになります!
骨格模型の骨をヌンチャクのようにして攻撃するの楽しい(*^▽^*)
ちなみに「跌打館(ディッダーグン)」は「接骨院」という意味です。

 

ジェイソンはチウを守ろうとしていましたが、チウに向かってブロック投げてた(;'∀')
本当にチウを守る気あるんかジェイソン!!
最初に投げたブロックはタクシーの窓ガラスに直撃するのですが、タクシーの運転手は羅家英(ロー・ガーイン)でした~(笑)

 

アクションは見応えがあって楽しめます(*‘∀‘)
一部はスタントを使用されていますが、ほぼスタントなしのスティーブン・フォンやジリアン・チョン。
アクション俳優じゃないのにあそこまで動けるの凄いです!!
さすが袁家班指導(*'▽')

 

タイガー(陳虎)はウーピンさんのお弟子さんでマトリックスキル・ビルでアクション指導を担当。
もんの凄い動きです!!ラスボスレベル(;゚Д゚)