流星胡蝶剣

流星胡蝶剣

原題 流星・蝴蝶・劍

製作 1976年

めぐちゃんの満足度 ★★★★★

 

古龍(クー・ロン)原作の武侠小説を映像化した作品です。
監督はポリスストーリーの犯罪シンジケートのボス役でおなじみの楚原(チュー・ユアン)です。
チュー・ユアン監督は"浪漫武侠片"の異名を持ち、叙情的だったり官能的な作風が特徴です。
本作もちょっとエッチなシーンがあります。

 

50年~60年代は謝霆鋒ニコラス・ツェー)のお父様である謝賢(パトリック・ツェー)がチュー・ユアン監督の作品によく出演されていたそうです。観たいな~。
狄龍様は70年代後半~80年代前半頃にチュー・ユアン監督の作品によく出演されていました。
「マジック・ブレード(天涯明月刀)」の狄龍様、超カッコいいんだ~♪

 

娼館の女主カオ(陳萍)は刺客のモン・シンフン(宗華)に龍門会の長であるラオボー(谷峰)の暗殺依頼をします。

 

徐々に勢力を拡大している「飛鵬会」には「四大護法」と呼ばれる腕に覚えがある男たちがいますが、彼らを護衛している「クアンシーの三虎」と呼ばれる3人組がいます。

 

無法な振る舞いを行うクアンシーの三虎が目に余ったラオボーは、自分が最も信頼を置いている側近のリュ・シアンチュアン(岳華)に三虎の制圧を命じます。

 

リュは飛鵬会の頭であるワン・ポンワン(王俠)と接触し、三虎をおびき寄せ制圧。

 

三虎の無法によって犠牲になった親子の密葬を行っている時に飛鵬会の刺客が現れますが、ラオボーの息子であるスン・チエン(王鍾)は臆することなく刺客たちを倒して行きます。
しかし油断した隙に攻撃され、チエンの弟分のティエ(李修賢)はチエンを庇って死に、チエンも殺されてしまいます。

 

密葬中に刺客が現れたことを不審に思ったラオボーは内部に裏切り者がいると確信し、友人に次々と密書を送ります。

 

ラオボーと友好関係である刺客のハン・タン(羅烈)を極秘に捜索するラオボーですが、ハンは殺され、ラオボー以外にハンの居場所を知っていたリュが裏切者だと疑います。

 

リュが裏切り者でなければハンの死を知らないはずなので、ラオボーはリュにハンの捜索を命じます。
ハンを捜しに茶樓へ着いたリュは四大護法に襲われ、待機していたラオボーたちに助けられます。
リュはハンの死を知らなかったので、ラオボーはリュが裏切り者ではないことを確信します。

 

モンは道に迷い、蝴蝶林でシャオティエ(井莉)という女性に出会います。
シャオティエにはかつて刺客の友人がいましたが、父親は友人が刺客だと知ると殺そうとしたので、以来父親とは絶縁状態です。

 

モンは別人になりすまし、ラオボーの屋敷に潜入することに成功します。
同じくラオボーの命を狙う男がモンに接触してきますが、その男はなんとラオボーの友人であるルー・マンティエン(楊志卿)でした。
友人にも関わらず、出世のためにラオボーを消そうとしているルー。

 

モンが蝴蝶林を訪れたことを知ったカオは、刺客のイエ・シアン(凌雲)にラオボーの殺害を依頼します。
イエもかつてモンと同じ刺客でしたが、ある日痴情に溺れ、任務をしくじったため、酒浸りの日々を送っています。

 

カオがラオボー殺害を焦るのはモンがシャオティエに惚れてしまったら殺せなくなるからです。
なぜならシャオティエの父親はラオボーだからです。
そしてイエは、シャオティエがラオボーと絶縁するきっかけになった刺客だったのです。

 

結局イエはラオボーの殺害に失敗し、自害。
ルーも自ら命を絶ちます。
ラオボーはモンが自分の命を狙っていることを知っており、隠しきれないと思ったモンはラオボーに素性を明かします。

 

2人きりになったところでリュは背後から毒針を使いラオボーを襲います。
やはりリュは裏切者だったのです。
チエンやハンを殺したのもリュの仕業で、自殺にみせかけてルーを殺し、飛鵬会での制圧や茶樓で捕まったことは全てラオボーを信用させるための作戦だったのです。
すべて出世のためです。

 

解毒薬のない針での攻撃を受けたラオボーは逃走。
地下道を抜けた先にはラオボーの協力者たちがおり、自らを犠牲にしてラオボーの逃亡を手助けします。

 

ラオボーがいなくなり、リュは用済みになったカオを殺害します。
ラオボーの存在が邪魔だったリュは、カオにラオボーの暗殺依頼をしており、そしてモンが雇われたのです。

 

ラオボーの友人であるイー・チエンロン(井淼)と息子のフー(艾飛)と手を組んだモンはリュ軍団と戦います。
モンとリュは一騎打ちになり、ラオボーが来てリュにとどめの一撃を食らわすとリュは逃走。

 

リュは昔からの友人であるシア・チン(田青)がいる茶屋に逃げ込みますが、なんとシアに毒を盛られ裏切られます。
リュは死に、ラオボーを暗殺する意味がなくなったモンはシャオティエと共に屋敷から立ち去るのでした。

 

面白い作品で私はとても気に入っていますが、人間不信になりそう(笑)
誰が裏切るのか、敵なのか味方なのか、心休まる暇がない(^^;) ハラハラドキドキ。

 

若き李Sirが出ていてめっちゃカッコ良かったー!!!
おじさんの李Sirも素敵だけど、若い時もやっぱいいわぁ(*´▽`*)

 

黄山三友という役でシウキョンさんも出ていて、相変わらずのイケメン♪

 

あと、なんといっても岳華(ユエ・ホア)のクールな眼差しがたまらんのよね(*´ω`)

 

ラオボーを慕う方々の忠誠心が凄まじいんです。

ラオボーのために10年も敵地に潜入していて、役目を終えたら自ら命を絶つナンゴン(林偉圖)。
ラオボーのために一家心中を選ぶ夫のマー(樊梅生)と妻のユイ(夏萍)。
ラオボーのために15年間地下道で待ち続けるチュ(江洋)。

いやぁ、並みの精神力じゃないね(;゚Д゚)

 

権力争いもすごいです。
出世のためなら親友さえも簡単に裏切ります。
そこまでして権力を手に入れたいかねぇ(;´∀`)