港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

タイム・ソルジャーズ 愛は時空を超えて

タイム・ソルジャーズ 愛は時空を超えて

原題 急凍奇俠

製作 1989年

★★★★

 

霍耀良(クラレンス・フォク)監督、元彪(ユン・ピョウ)主演のSFアクション作品です。
2014年にドニー・イェン主演の「アイスマン(冰封俠 重生之門)」が公開されましたが、本作のリメイクなんですよね。
毎年恒例、本日は元彪の66歳の誕生日なので出演作品をレビューしました(*^-^*)

 

崇禎5年。
錦衣衛のサウチェン(元彪)は崇禎帝(黃耀明)に忠義を尽くしていましたが、サウチェンの兄弟子であるフォンサン(元華)は武術の道に背いて暴虐の限りを尽くしていました。
憤った崇禎帝は同門のサウチェンに責任を取るように命じて死刑を申し渡しますが、フォンサンを捕まえれば執行を猶予すると約束します。

 

フォンサンは師匠(曹達華)から輪廻転生に使用する黒玉仏を奪い、未来へ逃亡しようと企んでいます。
師匠から経緯を聞いたサウチェンは急いでフォンサンを追います。

 

サウチェンは輪廻盤を動かそうとしていたフォンサンを追いつめますが、2人は突如雪山に飛ばされます。
改心するつもりが全くないフォンサンを見限ったサウチェンはフォンサンと戦います。
劣勢となったフォンサンは逃亡を図りますが、サウチェンはフォンサンを追って取っ組み合いとなり、2人は雪山の崖から転落します。

 

その後中国の地質研究員たちに発見されたサウチェンとフォンサンの遺体は研究のためにアメリカへ運ばれることになりますが、研究員たちは中国政府の監視から逃れるために嘘の申請をして出国し、研究員の私用の申し出によっていったん香港へ運ばれます。
サウチェンとフォンサンは輪廻盤によって20世紀末へタイムスリップしてしまったのです。

 

サウチェンとフォンサンの体は冷凍保存されますが、海産物を盗みに来た泥棒たち(單立文、黃良昇、周國麟)によって冷凍のスイッチが切られ、解凍されたサウチェンとフォンサンが蘇生します。
20世紀末の世界に飛ばされたサウチェンは大きく異なる街並みに戸惑います。

 

モデルの仕事をしているポーラ(張曼玉)は借金取りから返済を迫られ、紹介された客の相手をさせられます。
その場に居合わせたサウチェンは客の男がポーラを叩く様子を発見すると、サウチェンは男を殴ってポーラを助けます。
ポーラは借金返済のために仕事をしていたことをサウチェンに伝え、借金取りのボス(林聰)に事情を説明するためいったんサウチェンを自宅へ連れて行きます。

 

現代文明に驚くサウチェンはテレビで放映されていた映画を観て明王朝が滅びたことを知り、自分が未来へタイムスリップしたことを確信します。

 

翌日、ポーラはサウチェンを連れて借金取りの会社へ行きます。
しかしボスと話の折り合いがつかず、相手が実力行使に出たためサウチェンとポーラは逃げ出します。

 

身分証を持っていないサウチェンはポーラに身分証と仕事の手配を頼みます。
サウチェンは自分が明王朝からタイムスリップしてきたことを打ち明けますが、ポーラはサウチェンの話をまともに取り合わず、しかしサウチェンの強さを利用できると考えたポーラは彼を用心棒にします。

 

ホテヘルの仕事を始めたポーラですが、客を相手にするつもりはなく、行為直前になったら用心棒のサウチェンを呼んで客を脅してお金だけ受け取っていました。
何も知らないサウチェンはポーラの言う通りに用心棒や雑用の仕事をこなしていきます。
しかしサウチェンはポーラと同僚の会話を聞いて彼女が娼婦であることを知ります。

 

一方フォンサンは香港で知り合った強盗の男(吳志雄)と手を組んで悪事を働いていました。
フォンサンは仲間の男の女(吳文玲)に手を出そうとしたため男が怒り、仲間割れします。
フォンサンは女を強姦し、2人を殺害します。

 

新聞で殺人事件の記事を見たサウチェンはフォンサンの殺害の手口に酷似していることに気づき、フォンサンの仕業だと断定したサウチェンは手配書を作成します。

 

フォンサンは風俗店を訪れてポーラを指名します。
いつもの通りポーラは相手を脅すためにサウチェンを電話で呼び出しますが、貞操観念の考えが強いサウチェンはポーラが体を売っていることが許せず、命令に背きます。
しかしポーラの身を案じて電話をかけ直すと電話口にフォンサンが現れ、フォンサンはサウチェンを墓地に呼び出します。

 

フォンサンを捕まえる絶好の機会ですが、ポーラを人質にされてしまったため迂闊に手が出せません。
サウチェンはポーラと一緒に過ごしているうちに徐々に彼女へ好意を抱いてしまい、彼女を助ける思いが先行してフォンサンを捕まえることができません。
フォンサンはポーラを助ける代わりに武術の力を捨てるようサウチェンに要求すると、サウチェンは要求に応じて力を失う薬を飲みます。
フォンサンは約束通りポーラを解放して去って行きますが、サウチェンは武術の力を残すために寸前で自身に鍼を打ちます。
打った鍼は諸刃の剣でサウチェンは死が迫る中でフォンサンを追います。
しかし結局フォンサンを取り逃がしてしまい、サウチェンは意識を失って病院へ搬送されます。

 

当初はサウチェンが明王朝時代からタイムスリップしてきた話を信じていなかったポーラですが、サウチェンとフォンサンのやり取りする様子や科学的に裏付ける検査結果が出たことからサウチェンの話を信じます。
サウチェンは一命を取り留めますが、フォンサンがサウチェンの命を狙って病院へやって来ます。
ポーラは看護師に扮してサウチェンを病院から連れ出します。

 

香港に見切りをつけたフォンサンは武器の売人(陳敬)から大量に銃器を購入して明王朝時代へ戻って支配者になることを企てます。
売人はサウチェンの龍泉宝剣を盗んでおり、フォンサンが買い取ろうとすると売人が足元を見てきたため、フォンサンは売人を殺害して剣を奪います。

 

サウチェンたちが使用した輪廻盤が2か月後に展覧センターで展示されることになり、明王朝へ戻れるチャンスが巡ってきたサウチェンはフォンサンと戦うために宝剣を作り始めます。
ポーラもサウチェンのことが好きになってしまったため、サウチェンが元の世界へ戻ることに淋しさを感じています。

 

宝剣が完成すると、サウチェンはポーラに黙って家を出て行きます。
フォンサンは大量の銃器を持って展覧センターへやって来ますが、サウチェンは輪廻盤に使用する黒玉仏を持ち出し、決着させるためにフォンサンを展覧センターの屋上へおびき出します。
銃や手榴弾を使うフォンサンに対して宝剣で応戦するサウチェンですが、隙をつかれて黒玉仏を奪われます。

 

輪廻盤が保管されている展示室にやって来たフォンサンは執拗に追って来るサウチェンに銃を乱射して爆弾を投げます。
サウチェンは爆弾をかわしてフォンサンに飛びかかり、死闘の末にフォンサンの息の根を止めます。
ポーラが展覧センターに駆けつけますが間に合わず、サウチェンはフォンサンの遺体と共に明王朝時代へと帰って行きます。

 

その後、コンビニで働くポーラの前に借金取りたち(太保、咖喱)が現れますが、サウチェンの姿を目にした借金取りたちは尻込みして逃げて行きます。
ポーラはサウチェンにそっくりな男性に駆け寄ると、何も知らない男性は困惑するのでした。

 

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色々ツッコミどころはありますが、結構楽しめました(・∀・)
コメディ要素もあるのですが、なかなかのブラックユーモアなので人によっては不快に感じるかもしれない(^^;)

 

元彪とマギー・チャンの共演って珍しいかも。
二人のやり取りがなんだか新鮮で楽しかったです(^ω^)
マギー・チャンはまだギリギリあどけなさが残る頃かな。
90年代になるともう完全に大人の女性って感じなんですよね。

 

元彪演じるサウチェンは超真面目な性格で、現代文明に戸惑う様子が可愛いのら~♪♪
そんな真面目なサウチェンとは対照的に元華さん演じるフォンサンは救いようがない超極悪人(-_-;)
でも元華さんの鍛え上げられた体が拝見できたのでありがたや(´∀`)♪
燃えよドラゴンの時から体型が変わってないんじゃないかしら。

 

相変わらず落下系のアクションえぐいわ~。
紐無しバンジー状態(;'∀')
特にフォンサンがクレーンで吊り下げられた車から荷物に落下するシーンはかなり危険です。
スタントはやっぱ落下スペシャリストのカーロなのかなぁ??

 

前半の雪山でのアクションシーンはかなり大変だったそうです。
雪山ってまず寒さがネックですし、さらに動きづらそうな衣装なので大変(・・;)

 

展示室でのアクションシーンで、元彪の二段蹴りがかっこよかった(*^ε^*)
あと元華さんが回し蹴りをした後に元彪が蹴りをかわして回し蹴りをするタイミングが完璧過ぎて凄い(・o・)
これ気心の知れた関係じゃないと難しいですよね。

 

クレーンの運転手役で王晶監督が出演されていました(o´∀`o)
元奎さん、馮淬帆(スタンリー・フォン)、徐錦江(チョイ・カムコン)などもチラッと出演されていましたね。

 

権威ある地質研究員たちが嘘ついて重要文化財的な物を密輸するってどうなのよ(笑)
しかもそんな大事な物を食品冷凍庫に保管するって(^^;)

 

ポーラは身分証を持っていないサウチェンと出会ってすぐに自宅へ招き入れていたけど、見ず知らずの人をいきなり家に上げるなんて物騒だよ(;'∀')

 

劇中で輪廻盤はタイムマシンのような扱いになっていたけど、輪廻転生って魂が生まれ変わることなのでタイムスリップとはちょっと違うような気もするのですが…。

 

と細かいところを指摘したらキリがないのですが、80年代の香港映画らしさがあって良いのではないでしょうか(^ω^)