港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

クライム・キーパー 香港捜査官

クライム・キーパー 香港捜査官

原題 皇家師姐IV直擊證人

製作 1989年

★★★★

 

袁和平(ユエン・ウーピン)監督、楊麗青(シンシア・カーン)主演のポリスアクション作品です。
皇家師姐シリーズ第4弾で、ドニー・イェンはシリーズ初出演です。
日本版だとドニー様が主役のような扱いですが、あくまで主役はシンシア・カーンです。
ドニー様の存在感が強いので、主役のシンシア・カーンを食う勢いです(^^;)
皇家師姐シリーズについてもっと知りたい方は過去の記事でシリーズについて記載していますので良かったらご覧ください。

●皇家戦士

 

香港警察のヤン警部(楊麗青)は麻薬密売シンジケートを追っているシアトル警察に協力して捜査を行っています。
密売品の積み下ろし作業が行われている埠頭へ乗り込んだヤンは香港から出稼ぎに来ていたロク(袁日初)と出会います。
ロクはヤンのことを不法入国者だと思い込み、同じ境遇から親近感を抱いたロクはヤンを自宅へ招き、わずかな金を渡して生活の支援をします。
しかしヤンの会話を盗み聞きしていたロクは彼女が警察官であることを知り、面倒に巻き込まれたくないロクはヤンを自宅から追い出そうとします。

 

ロクの友人のミン(廖啟智)が借金取りに追われて自宅に駆け込んでくると、ロクはミンをかばって借金取りたちと争いになります。
ロクは次々と借金取りたちを倒していき、背後から借金取りのボス(Eddie Maher)に攻撃されそうになるとヤンが加勢して借金取りたちを追い払います。
ロクの自宅を後にしたヤンは麻薬密売人の男(袁信義)と接触しますが逃げられてしまいます。

 

シアトル警察のドニー(甄子丹)の同僚であるホワイトキャット(Blaine Camoureux)は麻薬取引現場の様子を撮影して証拠を押さえますが、CIAを名乗る犯罪組織は麻薬の売り手を殺害して支払った金を回収し、ホワイトキャットも銃弾を受けます。
ホワイトキャットは瀕死の状態になりながらも撮影した証拠のフィルムを持って逃げ出します。
ホワイトキャットは偶然居合わせたロクと接触すると、追いつめられたホワイトキャットは証拠のフィルムをロクに託し、ロクがフィルムを受け取るとホワイトキャットは犯罪組織によって殺されてしまいます。
警察車両が到着すると犯罪組織は一斉に逃げ出し、現場にいたロクはホワイトキャット殺害の容疑をかけられて逮捕されます。

 

ホワイトキャットから預かったフィルムを無くしてしまったことを警察に告げても取り合ってもらえず、無実のロクは事情聴取中に警察署から逃走します。
事情を知ったミンはロクの逃亡の手助けをするために密航船を手配しますが犯罪組織の一味がミンの自宅に押し入り、ミンはロクを逃がすために犠牲になります。

 

シアトル警察のマイケル巡査部長(王敏德)も捜査に加わることになり、ロクが密航船で香港へ向かったという情報を手に入れると、ヤン、ドニー、マイケルも香港へ向かいます。
ドニーはロクを発見して詰め寄りますがヤンが制止し、負傷したロクは救急車で搬送されます。

 

ロクが無実を訴えていると、犯罪組織の一味によって救急車が襲撃されます。
ヤンは抵抗しますが救急車から振り落とされ、ロクとマイケルは犯罪組織に捕まってしまいます。

 

ロクとマイケルは冷凍室に監禁されますが、拘束の縄を解いたマイケルはロクを連れて逃げ出します。
マイケルはロクの無実を証明するためフィルムを渡すように彼を説得しますが、マイケルの目的は証拠のフィルムの回収であり、マイケルも麻薬密売シンジケートの一味だったのです。

 

タクシーの無線でヤンに助けを求めたロクは駆けつけた警察によって連行されます。
ロクはアメリカへ戻る前に母親(焦姣)に会いたいとヤンに頼み、ロクの実家に行くとドニーが待ち構えていました。
ロクの母親は息子の手錠に戸惑いますが、ロクは母親に事情を説明せずに家を後にします。

 

外を歩いているとバイクに乗った刺客(John Salvitti)に銃撃され、ロクが負傷します。
ドニーはロクをヤンに託しておとりになり、バイクに乗った刺客を倒して逮捕します。
銃撃されたロクは病院へ搬送され、ヤンはロクの無実を信じて身辺警護をします。

 

逮捕した刺客の腕には入れ墨が彫られており、入れ墨のデザインから海軍陸戦隊の人間だということが判明します。
ドニーは刺客の男に対して乱暴に詰問すると、マイケルはドニーを制止するふりをして靴に仕込んでいた毒針を使って刺客の男を殺害します。
暴力によって容疑者が死亡したと捏造されたドニーは捜査から外されてしまいます。

 

麻薬密売人の男はヤンの車に爆弾を仕掛けますが、爆弾に気づいたヤンはすぐに退避します。
麻薬密売人の男は仲間の金髪女(Farlie Ruth Kordica)の車に乗って逃走します。
ロクが入院している病院に次々と刺客が現れ、ヤンとドニーは刺客たちを倒します。

 

取調室で死亡した刺客の件からヤンとドニーはマイケルが裏切者だと疑い始めます。
署長(韋基舜)はロクをアメリカの警察に引き渡すように命令しますが、ヤンは部下たちを引き連れて一斉に麻薬密売組織が潜伏するアジトへ突入します。
ヤンは抵抗する麻薬密売人の男を銃殺しますが、仲間の金髪女がヤンを襲います。
争いの末、外階段から落下した金髪女は死亡します。

 

母親の身を案じてロクの家にやって来たヤンですが、すでに刺客が侵入しており、ロクの母親は連れ去られていました。

 

ロクはドニーが持っていた雑誌を見てホワイトキャットを殺害した犯人が掲載されていることを伝えます。
ホワイトキャットを殺害した麻薬密売シンジケートのボスはCIAで、権威を誇示するのに必要な資金集めのために麻薬の密売を行っていたのです。
マイケルもCIAで、あっさり犯行を認めたマイケルはドニーを仲間に誘いますが、ドニーは誘いを断ります。
マイケルは仲間たち(Michael Woods、Stephan Berick)と共に真相を知ったドニーを襲いますが、ドニーの抵抗により劣勢となった刺客たちは逃げ出します。

 

ヤンとドニーは捜査を妨害した罪で逮捕状が発付され、二人は警察に追われることになってしまいます。
ロクは捕まった母親を助けるために単身でマイケルのアジトへ向かおうとすると、ヤンとドニーも同行します。

 

ロクが母親の解放を要求すると、マイケルと仲間の青い服の男(Stephan Berick)と眼鏡の男(曹榮)が立ちはだかります。
ロクは眼鏡の男と戦い、ヤンは青い服の男を倒すとロクに加勢して眼鏡の男を倒します。
マイケルは剣を持ち出してドニーを襲い、ヤンが助太刀に入るとドニーはロクの母親を助けに向かいます。
しかしマイケルの仲間の赤い服の男(Michael Woods)が現れ、ドニーは屈強な男相手に苦戦します。
交戦の末に赤い服の男はドニーを攻撃しようと突撃しますが、男は誤ってビルから落下して死亡します。

 

ロクの母親を救出しますが、マイケルはロクを人質にして爆弾の起爆スイッチを手にします。
ヤンはマイケルの手のひらを撃つと、ロクはよろめいたマイケルを蹴り飛ばし、ヤンがとどめの蹴りでマイケルを2階から1階へ突き落とします。
麻薬シンジケートのボスでありCIAのロバートソンは麻薬密売と職権乱用容疑で逮捕され、事件は解決です。

 

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職人気質の袁家班、妥協のないアクションは見応えがあります(*‘∀‘)

 

バイクアクションは凄いけど危険度MAXでハラハラドキドキ…。
ドニー様がバイクに乗った刺客をキックするシーンはさすがに危険なので蹴られる相手はワイヤーをつけているそうなのですが、映像を観る限りワイヤーらしきものが見えないんですよね。
ワイヤーあるなしに関わらず、いずれにしろ危険なスタントだと思います(゚Д゚;)

 

ドニー様は2000年代以降もハイクオリティのアクションを披露されていますが、本作を観ていると動きに若さゆえのキレがあるような気がします。
最近はわりと新しい作品ばかり観ていたので、ドニー様の声を吹き替えで観るのは久しぶりだったりする私(-ω-)

 

シンシア・カーンのアクションもかっこよかったな(*'▽')
高難度のスタントはさすがにダブルですが、救急車で繰り広げるアクションは自ら行っていますし、回し蹴りも華麗です!!
走行する救急車にしがみつくなんて、相変わらず香港映画は女性にも容赦ないなぁ(^^;)
あとシンシア姉さんはとても美人で綺麗(*´ω`*)
美しくて強いってやっぱ好きです♪

 

ロクがミンの家から逃走するシーンで、なぜかドアに日本の卓球用品メーカー「JUIC(ジュイック)」のポスターが貼ってありました。
でも本作のスポンサーではないみたい。
ソウルオリンピックと書いてありましたが、この頃の私はまだ物心がつく前なので記憶に無いですね。

 

日本語字幕ではマイケル・ウォンの階級が警部になっていましたが、広東語音声だと巡査部長に相当する「警長」と言っていたので巡査部長と表記しました。
外国なのにみんなが広東語を話すのは昔の香港映画あるある(笑)

 

ドニーとヤンが言い争うシーンで、日本語字幕では「バカ!」と翻訳されていたけど広東語だと「臭八婆(チャウバッポー)」って言ってた。
やっぱ広東語は言葉がキツい(^^;)
日本語だと「このクソババア」って感じだけど、英語でいう「bitch」に近いかも。
日本語ってあんまりどぎつい悪口がないので翻訳でニュアンスを伝えるのは難しいですね。

 

ドニー刑事は人の家の床に吸い終えたタバコを捨てていたけど、これは嫌だなぁ(;'∀')

 

廖啟智(リウ・カイチー)が若い!!
出番は少なめですが、やはり演技力が高いですね。

 

ジョン・サルヴィッティはプライベートでもドニー様と親交があるマーシャルアーティストだそうです。
「タイガー・コネクション(洗黑錢)」にも出てたね。
あとマイケル・ウッズも。

 

ポール・ウォンのクレジットがオープニングでは「王坤」なのにエンディングだと「黃坤」なのはなぜ?
武術指導の曹榮(チョウ・ウィン)が袁日初(サイモン・ユエン・ジュニア)と戦うシーンでは曹榮の動きに余裕が感じられますね。
あんまり必死な感じがないというか、戦い慣れしている感じですね。

 

サイモン・ジュニアは袁兄弟の四男で「袁和平、袁祥仁、袁信義、袁日初、袁龍駒」の五人兄弟です。
袁振洋(ブランディ・ユエン)は兄弟ではなく従弟らしいです。
ユエンブラザーズには男以外に姉妹もいるらしいのですが詳しいことは分からない(^^;)
分かる方がいたら教えてください。