港片迷阿欣

大好きな香港映画の感想を書いているブログ(ネタバレあり)

ドラゴン・コップス 微笑捜査線

ドラゴン・コップス 微笑捜査線

原題 不二神探

製作 2013年

★★★☆☆

 

王子鳴(ワン・ズーミン)監督、 文章(ウェン・ジャン)主演のアクションコメディ作品です。

 

3人の男性たち(鄭嘉穎、謝天華、田亮)が次々と不審死する事件が起こり、警察は捜査を開始します。
しかし不動産会社勤務のワン(佟大為)が4人目の犠牲者となり、死亡した4人は女優のチンシュイ(劉詩詩)と交際していたという共通点がありました。

 

警察官のプーアル(文章)は撮影中のチンシュイを連行して取り調べを行いますが、証拠が無いためチンシュイはすぐに釈放されます。
チンシュイの義姉で保険外交員のイーイー(柳岩)がチンシュイを警察署まで迎えにやって来ます。

 

被害者のワンについて詳しく調べるため、プーアルは上司のアンジェラ警部(陳妍希)とワンの自宅へ向かいます。
ワンの部屋にはプーアルの相棒のフェイホン(李連杰)とワンの死亡原因を調査している保険調査員(吳京)がいましたが、大きく捜査が進展するような手がかりはありませんでした。

 

イーイーは今までチンシュイが付き合った男性を全て横取りし、チンシュイの恋人のカオ(林峯)も奪います。
一度は魔が差してイーイーと付き合ったカオですが、やはりチンシュイが忘れられずに彼女に復縁を申し出ます。
しかしカオは突然チンシュイの目の前で倒れて死亡します。

 

これまで不審死した4人の男性たちはいずれも笑みを浮かべたまま亡くなっており、カオも全く同じ状態でした。
カオの遺体から針が発見されると、針によって殺害された可能性が浮上します。

 

フェイホンは保険調査員からワンの保険金の受け取り人がイーイーになっていることを聞き出し、プーアルはイーイーを捜します。

 

イーイーが5人の師範たち(周強、易天雄、梁家仁、馮克安、江富強)に保険を勧めているとプーアルが現れ、イーイーが怖がっていると5人の師範たちがプーアルに襲いかかります。
フェイホンが駆けつけておとりになり、その隙にプーアルはイーイーを捕まえます。
プーアルとアンジェラはイーイーを取り調べますが、殺人を断定することはできませんでした。

 

カオの遺品を受け取ったチンシュイはカオの手紙を読むと、彼が自分を真剣に愛してくれていたのだと知ります。
チンシュイはしばらく香港を離れようとしますが、プーアルは執拗に彼女の後を追います。
チンシュイの恋人が次々と殺されていることを鑑みたプーアルは犯人をおびき寄せるためにチンシュイに偽装結婚をする案を持ちかけます。

 

プーアルとチンシュイの結婚を知ったイーイーはチンシュイの結婚を祝福します。
イーイーは今までチンシュイから恋人を奪ったのは相手の男性がチンシュイにふさわしいかどうか確かめるためだったと告げます。

 

プーアルはドレスアップしたチンシュイが身に着けていたネックレスを見ると何かを思い出し、調べるとネックレスはアメリカの博物館から盗まれた美術品だと判明します。
ネックレスを盗んだのはチンシュイの叔父であるシン(梁小龍)で、シンはチンシュイの父親と共に盗みを働いていましたが、現在のシンは寝たきりで起き上がることができない状態です。

 

シンの息子でチンシュイの従兄(馮德倫)は真相を知ろうとするプーアルを殺害しようとしますがプーアルは抵抗し、チンシュイの従兄は5人を殺害したことを認めます。
しかしプーアルは従兄が黒幕ではないとにらみ、病室にいるシンの元を訪れます。

 

プーアルはシンが5人を殺害した真犯人であると言及します。
シンが寝たきりだというのは嘘で、シンはチンシュイの恋人たちを次々と吹き矢で殺害し、犯行の疑惑を向けられないように動けないふりをしていたのです。
5人の被害者たちが笑みを浮かべていたのは微笑みのツボを突かれた反応によるものでした。
プーアルに追及されたシンは白状し、プーアルを吹っ飛ばして病室から逃走します。
フェイホンが病室に駆けつけるとプーアルはシンを追うように言います。

 

フェイホンはシンを追いかけて戦いますが、シンの猛攻に苦戦します。
追いつめられたフェイホンは分身の必殺技を使ってシンを倒して逮捕します。

 

連続殺人事件は解決し、チンシュイは弁護士(何超儀)から父親の遺産があると聞かされます。
チンシュイが30歳までに結婚しなければ遺産はシンの物となりますが、さすがのシンも身内のチンシュイを手にかけることができなかったため、結婚を妨害するためにチンシュイの恋人を殺害するに至ったのです。

 

フェイホンは定年を迎え、チンシュイはプーアルのことを本気で好きになって思いを打ち明けますが、プーアルはすっかりイーイーに夢中なのでした。

 

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正直コメディ部分に関しては外してるなぁって思うところもしばしば(^^;)
でも中国語でしか分からない笑いのツボがあるのかもしれない。

 

本作は普通話なので字幕が必須ですわ。
香港が舞台なのに言語が普通話だということにとても違和感があります。
中国資本だから仕方ないのかなぁ。
ちなみに香港版だと広東語音声も収録されているそうです。

 

梁小龍(ブルース・リャン)演じるシンが黒幕だと発覚するのが唐突だったなぁ。
そもそも指名手配されている怪盗が入院してたら即効で捕まると思うのですが(^^;)
あとシンが一番最初の被害者(鄭嘉穎)を殺害する時に垂直離着陸機に乗っているのはかなり無理があると思う(^^;)

 

未だによく分からないのが 柳岩(エイダ・リュウ)演じるイーイーの行動。
序盤で連続殺人の容疑者として浮上しますが、結局イーイーは犯人ではありませんでした。
でも途中でチンシュイの人形に針を刺すシーンがあって、あれって一体何だったの?
あとイーイーは妹のチンシュイのためを思って婚約者を略奪したとか言っていたけど、それってただの嫌がらせですよね(゚Д゚;)
巨乳のエイダ・リュウがリンチェイの前に現れて「怕老婆(恐妻家)」だと言うシーンがあるんですけど、ニナ・リーのこと言ってるでしょ(笑)?

 

本作はカメオ出演がやたら豪華なのです。
コリン様が超カッコイイ(*´▽`*)
リンチェイと戦うシーンはやっぱり嬉しいなぁ♪
強すぎる保険調査員(笑)の吳京(ウー・ジン)もかっこよかった~♪
黃曉明(ホアン・シャオミン)は顔が美しいっすな~。
本作のアクション監督を担当している元奎さんがエンディングのNG集に出ていて嬉しい(*´▽`*) イケおじ~♪
カーヤンさんたちが出演されていたのも嬉しい(*´з`)

 

リンチェイが主役なのかと思いきや、リンチェイは助演で主役は文章(ウェン・ジャン)です。
この頃になるとリンチェイは病気による体調不良でアクションはNG状態となっていて、主役を演じるのが難しい状態にあったと思われます。
体調不良の中で出演するだけでも大変なことだと思うのですが、劇中ではダブルを使用されているとはいえアクションも披露されていました。
李連杰 VS 梁小龍なんて最高の対決♪♪
ブルース・リャンはカンフーハッスルを彷彿とさせるね(*^▽^*)
ラストバトルの雰囲気がワンチャイっぽいけど、オマージュ??

 

ちなみに本作はドニー様が出演する予定だったらしいのですが、スケジュールなどの問題があってキャストが大幅に変更されてこのような形となったようです。

 

李連杰 & 文章」の共演といえば私は「海洋天堂」という作品が好きです。
リンチェイは自閉症の息子を持つ父親役を演じていてこれが素晴らしい。
アクションを封印したリンチェイは新鮮でしたが、また彼の新たな一面を発見できたのが嬉しかったです。
そして忽ちに引き込まれたのがウェン・ジャンの演技力。
なんというか本当に自然で素直な気持ちで見ることができるんですよね。
監督の薛曉路(シュエ・シャオルー)は実際に福祉施設でボランティアをしていた経験があり、作品に対してとても真摯で、コマーシャリズムでありがちな感動の押し売りではなく、自然に自閉症の方と接してほしいという思いが伝わる作品です。